隠れた才能を見つけよう

趣味は何でもかまわないと思いますが、成功するためには、いくつかポイントがあります。

まず1つは、ビジネスとしての可能性よりも、とにかく「好きなこと」「楽しいこと」を優先しましょう。趣味といっても仕事や家庭を持ちながら、毎日1時間を9年にわたって続けるのはしんどいものです。お金だけをモチベーションにしていたら、仕事の効率を上げて早く帰ろうという気も起こらないので、続けられません。

もちろん、やってみないことには、好きなことや楽しいことは見つかりません。中には好きだと思って始めた趣味でも、意外とそこまで打ち込めないことに気がつくこともあるでしょう。

そこで、最初のうちは並行して、さまざまな趣味にトライしてみることをお勧めします。すると、必ず何か自分に合う趣味が見つかるはずです。せっかくですから、「自分には向いていない」と思っていたことも、試してみましょう。すると、意外な才能に気づくことがあります。

特に、「絵を描くこと」「楽器を弾くこと」「文章を書くこと」については、40代から始めてもプロ並みの腕前になることは可能だと言われています。

なぜなら、経験よりも先天的な才能のほうが重要だからです。大人に油絵を教えている友人の話によれば、ズブの素人でも初日からズバ抜けて上手い生徒が、何十人かに一人はいるそうです。

私が主宰している書評サイト「HONZ」の執筆陣にも、同じような人がいます。ブログの書評の素晴らしさにヘッドハントしたメンバーです。

彼は高校中退でかつて暴走族のリーダーをしていて、本などまったく読んでこなかったそうです。しかし、工場の工員として働く中で本の面白さに目覚め、書評を書き始めました。話を聞くと、私がヘッドハントしたきっかけとなった書評は、人生で初めて書いた文章だったそうです。これが、才能以外の何だというのでしょうか。

隠れた才能も、やってみなければ気づかないものです。もし、私が40代だったとしたら、NHK文化センターの水彩画教室やヤマハの音楽教室などに、試しに通うことでしょう。