「3000時間」を趣味に投資する

苦労しても報われないのなら、仕事を適当にやって楽しく生きる。私はこれも一つの生き方だと思います。40代になって、出世のために時間を浪費するぐらいなら、趣味に時間を使うほうが余程生産的です。

単純に「役職定年後の生きがいを見つける」という意味で勧めているように見えるかもしれませんが、そうではありません。30?40代のうちから趣味に打ち込むことで、新たな収入源を確保することにつながるのです。1?2年興じたくらいではお金になりませんが、長年続けることで稼げる趣味に化けることも少なくないのです。

例えば、「盆栽」はいい例でしょう。今、盆栽は北米を始め、海外でも非常に人気があります。20年以上にわたって丹精に育て上げた盆栽は、一つにつき、100万円単位で売れるような状況です。40代で始めれば、20年どころか30年、40年にわたって育てることもできますから、かなり高値で売れることが期待できるでしょう。一人で黙々と世話をしていれば良いので、話すのが苦手な人でもストレスなく楽しめます。

「コレクション」も、ビジネスマンが始めやすく、お金になりやすい趣味です。私は以前からジャズレコードの初版だけを集めています。売却したらまとまった金額になるでしょう。有名人のタバコの吸い殻を集めている漫画家もいます。どんなものでも根気よく集めれば、意外と価値あるものになり得るのです。

営業マンなどの外出が多い人なら、「食べ歩き」もいいでしょう。何かのメニューに特化して、1000食、2000食と食べ続けていると、その道の専門家として認められます。本の出版やテレビの出演だけでなく、商品開発のアドバイザーとして企業に呼ばれることもあるようです。ラーメンやカレー、スイーツはすでに専門家があふれていますが、まだ手つかずの分野を探してみてはいかがでしょうか。

どの程度やればお金が稼げるようになるのかは、趣味によって異なりますが、3000時間も費やせば、ある程度モノになると思われます。3000時間とは、英語の習得に必要だと言われている時間です。1日1時間を9年弱行なえば到達しますから、40代のうちに始めれば役職定年までには十分間に合います。

稼ぎは小さくても、会社以外の収入源を一つでも持っていれば、リストラされたときに少しは支えになるかもしれません。

楽しみながら、将来のリスクヘッジもできるのですから、こんなに良いことはありません。ぜひ何か始めてみてください。

40代,成毛眞
(画像=THE21オンライン)