テーマをズラせばライバルがいなくなる
趣味でお金を稼ぐためには、「できるだけ競争相手が少ないジャンルを探すこと」も、ポイントです。たとえば、ゴルフや野球、サッカーは、競技人口もファンの人口も多いので、新参者がお金を稼げるようなネタは、なかなか見つかりません。
ただし、レッドオーシャンでも、テーマをズラせば競争相手を減らすことができます。
例えば、「写真」を趣味にしている人は山ほどいますから、漫然とやっていてもお金は稼げません。しかし、「日本百名山が見える神社だけを撮影している」としたら、ライバルはほとんどいなくなるでしょう。しかも、「日本百名山にすべて行っているけれども、麓まで行くだけで一つも登ったことがない」としたらインパクトもある。『絶対登らない日本百名山』『日本百名山を見る』などという写真集を出せるかもしれませんし、日本百名山を見るパワースポットのガイドの仕事もまわってくるかもしれません。
また、ちょっと高等テクニックですが、戦略的に自己プロデュースを行なえば、競争相手が多い分野でもお金を稼げるようになります。
日本マイクロソフト時代の部下が、その好例です。この人は、奥さんが陶芸教室に通いだしたのに影響を受けて、自分も陶芸を始めました。佐賀で土を買ったり、富士山の麓で釉ゆう薬やく用のススキを買ったりして、自宅でコツコツやっていたようなのですが、なんと開始から半年後に、目黒の焼き物屋さんのギャラリーを借りて個展を開催。さらに、何年も経たないうちに退職金を使って、パリのルーブル美術館の貸しギャラリーを一日数十万円で借りて、個展を開いたのです。すると、たまたまイギリスのセーラ妃が訪れたりして、大盛況。その勢いで、プロの陶芸家に転身しました。こんなやり方もあるというわけです。