2019年1月相場が終りました。日経平均株価は、2018年に年間で12.1%下げる「波乱」となり、2019年に入っても初日となった1/4(金)に452円81銭安となるなど波乱が収まりきれていないといった空気でした。しかし、1月相場の終値は結局、前月末比3.8%高で、むしろ好調なスタートになりました。
そうした中、2月相場がスタートしました。2月は月末に小売・外食企業の決算が多く控えています。小売・外食産業は我々消費者とじかに接する事業であり、事業内容の宣伝はもちろん、ブランドイメージの向上が重要な業界でもあり、株主優待を重要視している企業が少なくありません。それらの企業を含め、株主優待に注目したい月と言えるでしょう。
今回の「日本株投資戦略」では、2月に株主優待や配当の権利が確定する銘柄を特集したいと思います。業績が堅調で、年間配当も検討している銘柄で、権利確定に必要な最低金額が20万円未満の銘柄を「日本株投資戦略特選」の2月株主優待銘柄としてご紹介したいと思います。
20万円未満で買える「日本株投資戦略特選」2月株主優待銘柄はコチラ!?
それではさっそく、スクリーニングにより、20万円未満で買える「日本株投資戦略特選」2月株主優待銘柄を抽出してみたいと思います。条件は以下の通りです。
(1)東証1部上場銘柄であること
(2)2月に株主優待・配当の権利が確定する2月または8月決算の上場銘柄であること
(3)四半期決算(※)・会社通期計画ともに黒字で、前年同期比・前年度比増益であること
(4)最低投資単位(100株)を保有すれば、株主優待の権利を獲得できる銘柄であること
(5)株主優待を獲得するために必要な最低金額が20万円未満(1/31現在)であること
(6)保有期間にかかわらず、権利確定日に保有していれば、株主優待の権利を獲得できる銘柄であること
(7)年間ベースで配当を計画している銘柄であること
※「四半期決算」は2月決算銘柄の場合は第3四半期累計(2018年3月~11月期)、8月決算銘柄の場合は第1四半期(2018年9月~11月期)となります。
上記の全条件を満たす銘柄を、当社株主優待検索ページで「閲覧回数」が多い順に10銘柄並べたものが表1となります。1/30付の「新興株ウィークリー」でも「2月優待銘柄」を「特選」しておりますが、そちらは分析の対象が東証マザーズおよびジャスダック銘柄になっており、そもそも母集団が異なっています。また、「日本株投資戦略」の方は株主優待銘柄数の多い東証1部銘柄を対象にしているため、選別条件も厳しめになっています。
株主優待や配当の獲得を「狙い」にしているとはいえ、「株式投資」である以上、株価の値下がりリスクから逃げることはできないと思います。しかし、株主優待を獲得するために必要な最低金額が20万円未満となっているため、見方を変えれば「100万円の投資余力があれば、5銘柄に分散投資すること」ができます。うまくリスクをコントロールし、株主優待の魅力を享受していただきたいと思います。
表1:20万円未満で買える「日本株投資戦略特選」2月株主優待銘柄はコチラ!?
コード / 銘柄 / 株価(1/31) / 予想年間一株配当 / 予想配当利回り / 2月・最低投資単位での株主優待内容の概要
<2379> / ディップ / 1,979 / 49.0 / 2.5% / クオカード500円相当
<8905> / イオンモール / 1,806 / 38.0 / 2.1% / イオンギフトカード3,000円相当
<3050> / DCMホールディングス / 1,109 / 26.0 / 2.3% / 自社ブランド商品
<3228> / 三栄建設 / 1,650 / 48.0 / 2.9% / おこめ券2㎏分
<7811> / 中本パックス / 1,602 / 55.0 / 3.4% / クオカード1,000円相当
<5018> / MORESCO / 1,562 / 50.0 / 3.2% / 2,000円相当の兵庫県物産品
<2930> / 北の達人コーポレーション / 426 / 3.6 / 0.8% / 3,300円相当の自社商品
<3093> / トレジャー・ファクトリー / 809 / 16.0 / 2.0% / 「トレジャーチケット」1,000円相当
<3222> / U.S.M.H / 1,165 / 16.0 / 1.4% / 買物優待券(100円割引)30枚
<7818> / トランザクション / 725 / 15.0 / 2.1% / 3,000円の自社製品1つ
※当社WEBサイト、会社公表データをもとにSBI証券が作成。最低投資単位での株主優待(2月)内容の概要は、必ずしも株主優待内容のすべてを示している訳ではありません。いくつか選択肢がある中のひとつである場合もあります。正確な株主優待内容は各社WEBサイト等でご確認ください。なお、上記銘柄の権利付最終日はすべて2/25(月)になっています。保有期間や権利確定月により、優待内容が異なる場合もございます。なお、予想配当利回りは年間に予想されているすべての配当を受け取った場合の利回りとなっております。株価や配当政策により変動しますのでご注意ください。上記U.S.M.H(3222)は「ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス」の略となっています。
抽出銘柄の株主優待内容
以下には、株主優待および配当政策について補足説明が必要と考えられる銘柄のコメントを掲載します。株主優待内容は最低投資単位(100株)保有の株主に対して贈呈される内容を中心に記載しています。
イオンモール(8905)・・・100株以上保有の株主に「イオンギフトカード3,000円相当」または「カタログギフト3,000円相当」が贈呈されます。それぞれ、500株以上では5,000円相当、1,000株以上では10,000円相当になります。長期保有による追加もあります。なお、2月末だけが対象で、8月末は対象になっていません。
DCMホールディングス(3050)・・・日用品が中心です。2018年度は透明テープ、泡ハンドソープ本体、開け閉め簡単保存容器角形、冷凍保存バッグ、ペーパータオル他となっています。
北の達人コーポレーション(2930)・・・単元数に応じて3,300円(税抜・税込では3,564円)以上相当の自社製品が贈呈されます。2018年2月末の株主優待では「腸内フローラの改善に有効」(会社側)なオリゴ糖食品『カイテキオリゴ』でした。株価が低位であるにもかかわらず、株主優待と配当で厚い株主優遇策と評価されます。
U.S.M.H (3222)・・・100株以上の株主に(1)買物優待券(100円割引)30枚または(2)食品(お米・レトルトカレー・ラーメン等5点より1点選択)が贈呈されます。保有株式数によって買物優待券等の枚数が異なってきます。
トランザクション(7818)・・・100株以上の保有で3,000円相当の自社製品「1つ」が贈呈されます。2019年2月はエコバッグセット、晴雨兼用傘・ポンチョセット、加熱式たばこ用デバイスより自由に選択可となっています。なお、500株以上で「2つ」、1,000株以上で「3つ」となっています。
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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鈴木英之
SBI証券 投資調査部
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