【ケーススタディ2】

生命保険の活用
(画像=PIXTA)

■ 事例

同族会社の100%オーナーのAには、長男B、次男Cがいます。Aは将来、長男のBに事業を引き継がせたいと思っていますが、Aの所有財産は会社株式(評価額2億円)の他は現金1,000万円のみです。

■ 対策(前編)

このケースでは株式をBに全て相続させると、Cの遺留分が侵害されたとして、遺留分減殺請求を受ける可能性が高まります。そこでBとしては代償分割に必要な資金を準備するために、契約書及び被保険者をA、受取人をBとする生命保険に加入しておけば、代償分割に必要な資金を準備することができます。

ただしこの場合でも生命保険の受取人を次男Cにはしない方がいいでしょう。死亡保険金は原則的には、相続人固有の財産であり遺留分の対象とならないという最高裁判例が出ていますので、注意が必要です。

次男Cが生命保険を受け取っておきながら、これは遺留分の対象ではないからと長男Bが相続した株式の分まで請求してくるという事例はあまり考えられないと思いますが、それでも相続にはその万が一に備えることが非常に重要なのです。

(提供:チェスターNEWS