3月決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終了となりましたが、日本経済新聞の集計によるとその結果は米中貿易摩擦などの影響もあって経常利益が前年同期比2%増に止まり、中間期の12%余りの増益から増益幅が大きく縮小してしまいました。しかし、こうしたなかでも残すところ後3カ月ということもあって通期の業績予想を上方修正する企業も少なからずみられました。

投資のヒント
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そして上方修正に踏み切った企業のなかにはさらにそれを上回る業績が期待されている銘柄もあります。そこで今回は営業利益のコンセンサス予想が上方修正された会社予想を上回る主な3月決算銘柄をピックアップしてみました。例えば営業利益の見通しを910億円から1000億円へと上方修正した日立建機(6305)ではコンセンサス予想の営業利益が上方修正された会社予想をさらに1割近く上回っています。

コンセンサス予想が上方修正した会社予想を上回る主な3月決算銘柄
(画像=マネックス証券)

決算メモ

●良品計画(7453)‐経費のコントロールが課題‐

良品計画が10日に発表した2019年2月期の決算は売上高に当たる営業収益が前期比7.9%増の4097億円、営業利益が同1.2%減の447億円となりました。営業収益は国内事業が前期比4.9%増となったことに加え、海外事業が同12.9%増となったことから16期連続の増収となりました。一方で営業利益は海外事業が19.2%増となったものの、国内事業が12.1%減と大幅な減益となったことで小幅な減益となっています。

国内事業を中心に営業減益となったのは販管費が13.7%増と想定以上に増加したためです。人件費の比率が0.9ポイントアップするなど多くの項目で上昇がみられるなか販管費比率は前年に比べ2.1ポイントも上昇しています。上期に前年同期比11.5%増だった営業利益は下期に12.3%減と急速に悪化し、1月に下方修正した470億円も下回る結果となりました。今期も経費のコントロールが課題となりそうです。

経費増とともに危惧されたのが中国事業です。現地通貨ベースの営業収益は前期比11.6%増と二桁の伸びを示していますが、既存店売上高は2.1%減と初めて前年を割り込みました。衣料・雑貨と食品は前年を上回っているものの、生活雑貨が前年を下回っています。そのため今期より現地商品部による中国市場のニーズに合った商品を投入する計画で、中国の既存店に回復がみられるかが注目されます。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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