未来を数字で語れば、チームがまとまる

営業部門なら、事前に交渉がどうなるかのシナリオを書いておくのがお勧めです。

たとえば、初回交渉時の成功率を50%として、成功したときとうまくいかなかったときに分岐させ、それぞれの先のシナリオを描いておくのです。

具体的には、提案に乗ってくれなかった場合、10%の値下げを提示する。それでもダメなら、何らかの特典を提示する。それでもダメなら撤退する……などです。

この作業はなかなか面倒ではあります。ただ、こうして描かれた樹系図全体を見ることで、自分の仕事の未来が見えてくる感覚が得られるはずです。

人が不安を抱くのは、未来のことが読めないから。事前にシナリオを描いておけば、仕事の全体像が見え、不安も解消されるのです。

あなたがもし現場のリーダーだとしたら、ぜひ、このように「未来を数字で語る」ことを意識してみてください。それがメンバー全員の安心につながるとともに、目標達成の強力な後押しとなるはずです。

(斎藤広達著『数字で話せ』より一部抜粋・修正)

著者紹介:斎藤広達(さいとう・こうたつ)
シカゴ大学経営大学院卒業。ボストンコンサルティンググループ、ローランドベルガー、シティバンク、メディア系ベンチャー企業経営者などを経て、経営コンサルタントとして独立。その後、上場企業の執行役員に就任し、EC促進やAI導入でデジタル化を推進した。現在は、AI開発、デジタルマーケティング、モバイル活用など、デジタルトランスフォーメーションに関わるコンサルティングに従事している。

数字,斎藤広達
(画像=webサイトより)

数字で話せ
斎藤広達(シカゴ・コンサルティング代表取締役) 発売日: 2019年04月11日
会話に「数字」を盛り込むだけで、説得力は倍になる!「数字が苦手な人」でも今すぐ使いこなせるインプット&アウトプットの手法を、経営コンサルタントが解説。さらに、最新デジタルマーケティングから「ビッグデータ」「AI」までを「話せる」ようになるための基礎知識も紹介。「数字やITへの苦手意識」がなくなる!(『THE21オンライン』2019年04月15日 公開)

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