不動産投資リスクを軽減する戦略

資産運用においてベータ戦略やアルファ戦略といった運用戦略があるのと同じように、不動産投資にもこうした戦略があるのを皆さんご存知でしょうか。一般的に上場・非上場の不動産ファンドでこうした戦略が取り扱われるようですが、こうした戦略は個人の不動産投資家にも有効だと思います。なぜなら、これら戦略に置いて重要となる収益の源泉は、プロでも個人でも同じだからです。そして不動産投資におけるリスクを回避するために、どうような物件選びどのような不動産運用手法を取るかも金額や物件数の差はあるにせよ同じです。以下では、4つの不動産投資戦略を紹介した上で、その中の1つであるコア型の運用戦略に焦点を当てて見ていきたいと思います。

不動産投資戦略の種類

一般的に、不動産投資戦略にはコア型、コアプラス型、バリューアッド型、オポチュにスティック型の4種類があります。不動産証券化協会では、その4つの戦略を以下のように定義しています。

コア型:ファンドの主要な期待リターンの源泉が、不動産賃貸から生じるインカム・リータンの獲得を目的として運用されているファンド。

コアプラス型:ファンドの主要な期待リターンの源泉が、コア型と同様、賃貸インカムの獲得を目的とするが、一部についてはキャピタル・リターンの獲得も目的として運用されるファンド。

バリューアッド型:ファンドの主要な期待リターンが、賃貸インカムの獲得に加えて、割安に取得した不動産等について、積極的に収益性を高め、不動産価格を増加させることによりキャピタル・リターンの獲得を目的として運用されるファンド。

オポチュニステック型:ファンドの主要な期待リターンの源泉が、市場動向予想に基づいた不動産売買により、キャピタル・リターンの獲得を目的としたファンド。

これら4つの投資戦略には、「XX戦略」という大層な名前が付いてはいますが、個人の不動産投資家も無意識に行っていることだと思います。しかし、こうした収益の源泉を明確にすることによって、それに合った物件選びができ、不動産投資のリスクを回避する事が可能です。ですので、個人の投資家もこうした戦略をもっと意識することで、もっと効率的で収益性の高い不動産投資が行えるのではないでしょうか。