リスク回避には最適か?コア型の投資物件の特徴
4つの戦略の中で、多くの個人の不動産投資家が自然と行っているのがコア型戦略だと思います。コア型の特徴はリターンの源泉が賃貸収入にあり、その賃貸収入を安定的に確実に獲得するのを目指しています。そして、こうした条件を満たすために、コア型の投資物件の特徴となってくるのが空室率の低い物件です。空室率の低い物件は、三大都市圏などの人口が多く増加する傾向にある地域に限定されていることが多いです。その物件の賃料はその地域の相場に見合ったものとなっているため、富裕層に限らず幅広い層で利用されています。
また、物件の築年数に合わせてリノベーション、リフォーム、DIYを施すことによって、物件の管理・維持もしっかりと行われています。特にリノベーションに関しては、地域の住環境の変化に合わせて、その地域に住む多くの人達が求める物件に変えることで、物件の築年数が立っていても低い空室率を保てることができます。このようにコア型戦略で重要なのは、常に空室リスクをどう抑えるかに注視することで、賃貸収入を安定的に確実に獲得することだと思います。
流動性リスクへの対応も
コア型戦略はもちろん重要ではありますが、賃貸収入獲得だけに焦点を当て過ぎて、投資物件の不動産価格が下落していくのを見過ごすのでは意味がありません。まして人口減少より空室リスクが高まるのと同時に流動性リスクも高まってきています。この2つのリスクと上手く付き合っていけないのなら、不動産投資も決して上手くいかないと思います。
また、個人投資家ですと投資した不動産を現金化して老後資金にあてる方も多いでしょうし、ライフステージを考えながら投資物件の売却も視野に入れた不動産投資がより重要となってくると思います。そうした意味でも、特に個人投資家のコア型からコアプラス型への運用戦略の移行が不動産投資におけるリスク回避の主流となってくるのではないでしょうか。
これからの日本での不動産投資戦略
上記で挙げた4つの投資戦略は、主に上場・非上場の不動産ファンドで取り扱われていますが、個人投資家も活用できる戦略です。そして、規模の違いはあるものの個人投資家も収益の源泉をより明確にし、自分がどのような戦略を取るのか意識することで、不動産投資の成果はさらに高められるのではないでしょうか。
また、人口減少により空室リスクと流動性リスクの両方のリスクが今後高まっていきます。賃貸収入だけに焦点を当てたコア戦略から、インカム収入とキャピタル収入の両方を視野に入れたコアプラス戦略への移行が、個人不動産投資家の不動産投資リスクを軽減するためには今後必要となってくるでしょう。