要旨
- オーストラリアの2019年4-6月期の実質GDP成長率は前期比0.5%増(季節調整値)と、1991年から続いている景気拡大の世界最長記録 をさらに更新したが、前年比では1.4%増と、約10年ぶりの低成長となった。需要項目別では、外需と政府消費が牽引した一方で、民間総固定資本形成、特に住宅投資は不振が続いている。
- 先行きのオーストラリア経済は、内需は拡張的な財政政策と金融緩和の効果が徐々に波及し、拡大していくが、住宅投資の回復の鈍さが重石となって緩やかな成長に留まるだろう。また、足元で牽引役となっている外需は、中国経済減速の影響が顕在化し、縮小していくため、全体としては引き続き緩慢な成長が続くだろう。