【目次】
①ジェイック IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説（執筆＝株価プレス管理人）【10/30更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【10/15更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社ジェイック
- コード
- 7073
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役 佐藤剛志 ／1962年生
- 会社住所
- 東京都千代田区神田神保町1-101 神保町101ビル7階
- 設立年
- 1991年
- 社員数
- 190人（2019年08月31日現在）
- 事業内容
- 教育融合型人材紹介サービス「就職カレッジ®」「女子カレッジ®」「セカンドカレッジ®」「新卒カレッジ®」を提供するカレッジ事業、及び「7つの習慣®」をはじめとした教育研修サービスの提供
- URL
- http://www.jaic-g.com/
- 資本金
- 96,503,000円 (2019年9月24日現在)
- 上場時発行済み株数
- 905,500株
- 公開株数
- 143,000株
- 連結会社
- 2社
- スケジュール
- 仮条件決定：2019/10/09→4,610～4,750円に決定
- ブックビルディング期間：2019/10/10 - 10/17
- 公開価格決定：2019/10/18→4,750円に決定
- 申込期間：2019/10/21 - 10/25
- 上場日：2019/10/29→初値10,320円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券：
SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券：SBI証券
(SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券：大和証券
- 引受証券：東洋証券
- 引受証券：
楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券：岩井コスモ証券
- 引受証券：岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券：北洋証券
- 大株主
- (株)エンスー 59.15%
- 佐藤剛志 20.76%
- (株)ティーケーピー 3.35%
- 山本太 2.51%
- 近藤浩充 1.95%
- 知見寺直樹 1.51%
- 尾崎三昌 1.12%
- ファイブアイズ・ネットワークス(株) 1.12%
- 古庄拓 0.84%
- ジェイック従業員持株会 0.68%
- 業績動向（単位：１千円）
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/01 単体実績
1,969,694 45,519 -27,173 176,619 - 2018/01 連結実績
2,473,812 155,425 84,537 239,724 - 2019/01 連結実績
2,702,050 221,067 173,843 408,033 - 2019/07 連結実績
1,622,637 241,254 159,140 561,551 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の1月26日または上場後180日目の2020年4月25日までは普通株式の売却ができず（例外あり）
- 調達額（公開株数×公開価格）
- 6億7925万0000円（143,000株×4,750円）
- 潜在株数（ストックオプション）
- 102,000株
- ビジネスモデル解説（執筆＝株価プレス管理人）
- ジェイック＜7073＞は主に従業員数300名未満の中堅中小企業に対して、人材紹介サービスを行う企業である。単なる人材紹介ではなく、フリーターや第二新卒、大学中退者などに対して、就業に向けた教育の機会を提供した上で企業に対して紹介を行っている。
■事業内容詳細
同社は教育融合型人材紹介サービスである「カレッジ事業」を展開している。紹介を行う人材層は、フリーターや第二新卒、大学中退者、就職活動の苦戦者や地方の学生など、同社が「就職ポテンシャル層」と定義付けする層に特化している。
一方で紹介企業については、従業員数300名未満の中堅中小企業がターゲットである。
求職者に対し、具体的に下記サービスを提供している。
・「就活カレッジ®」
大学卒業時までに内定を得られない学生、早期退職者、フリーター等を対象とする無料就職支援サービス。
・「女子カレッジ®」
「就活カレッジ®」同様の無料就職支援サービスであるが、20代を中心とした女性に特化したサービスを提供。
・「セカンドカレッジ®」
大学中退者専門の無料就職支援サービス。
・「新卒カレッジ®」
新卒で就職活動を行う、大学4年生を専門に行う無料就職支援サービス。部活や留学、公務員試験等で、内定のピークである6月を超えても内定を取得していない学生の支援に強みを有する。
尚、「リーダーカレッジ」他の企業向けの研修・教育プログラムの提供も行っている。
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
●サービス提供の流れ
同社では、下記の流れでサービスを提供している。
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
最初に、サービス説明会、お役立ちセミナー、1対1のキャリアカウンセリングなどを行った後に、終日5日間の無料就職支援講座のカレッジサービスを提供する。
その後、求職者とクライアントをマッチングさせる機会として「集団面接会」という、求職者とクライアントが総当たりで面接する場を提供している。
採用側企業に対し、単に人材を紹介するだけではなく、求職者の事前トレーニングを各種行っており、企業側は人材教育に対する手間やコストを削減できる。また入社後1年に渡り、求職者が働き始めてからの様々な壁を突破するための研修プログラムも同社が提供することで、求職者の定着と活躍を支援している。
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
同社は「就活カレッジ®」から、各種カレッジを派生させている。しかし30代フリーターや留学生、シングルマザーなど「就職ポテンシャル層」はまだ多数存在するとの認識の下、今後も適切なセグメンテーションを行い、サービス開発を行う計画である。
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
■業績推移
2017年1月 売上高20億円、経常利益0.5億円、当期純利益▲0.3億円
2018年1月 売上高25億円、経常利益1.6億円、当期純利益0.8億円
2019年1月 売上高27億円、経常利益2.2億円、当期純利益1.7億円
2020年1月（予想） 売上高31億円、経常利益3.2億円、当期純利益2.1億円
※2018年1月期より連結決算
着実な増収増益を続けている。今期（2020年1月期）は売上高30億円、経常利益3億円の大台を突破の予想である。今期はQ2時点で売上高16億円、経常利益2.4億円であり、通期予想達成に向けての進捗は順調である。
■財務状況
2019年1月期末時点で、資産合計22億円に対し純資産合計4.1億円、自己資本比率19%である。借入金12億円に対し、現預金12億円を有している。尚、借方の最大科目は現預金である。
■資金使途
IPOにより3.9億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・「就活カレッジ®」の更なる地方展開及び、その他サービスの拡大に向けた人員の拡充を目的とする人材採用費及び人件費 1.8億円
・仙台及び広島における支店開設後の円滑な拠点運営に向けた、求職者確保のための販売促進費 0.9億円
カレッジ事業拡大のための拠点整備及び人材投資に、調達資金は充当される。
■株主構成
筆頭株主（株主シェア59%）の株式会社エンスーは、佐藤社長の資産管理会社である。また佐藤社長は第2位株主（同21%）でもある。佐藤社長の関係先で約8割の株式を保有しており、安定的な株主構成となっている。
VCの株主参入はなく個人中心の株主構成だが、事業会社としてティーケーピー＜3479＞が第3位株主（同3.4%）として存在している。
■まとめ
同社が就職ポテンシャル層と定義付ける、第二新卒などに特化した人材紹介サービスを行う企業のIPO案件である。
人材の紹介層を就職ポテンシャル層に特化するだけではなく、紹介先も従業員数300名未満の中堅中小企業に絞っている。
人材教育に時間やコストを掛けられない中堅中小企業に代わり、同社が求職者に対し教育を行うことで、求職者が入社後スムーズに社会人としての対応ができるよう、求職者の教育に注力している。
人手不足を背景とする売り手優位の状況下、同社は着実に業績の拡大を続けている。中国の景気減速を背景に世界的に景気の減速が指摘されるが、人材紹介市場は景況感に左右されやすい市場である。IPO後も人材に対する教育をアピールすることで、景況感に大きく左右されず継続的な成長を果たすことができるか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
