(本記事は、福永活也氏の著書『日本一稼ぐ弁護士の仕事術』=クロスメディア・パブリッシング、2019年7月1日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

成功できそうにない夢や目標を持っても構わない

成功者
(画像=biletskiy/Shutterstock.com)

何かに向かって熱中して取り組むことは、それ自体が、胸が高鳴る充実した毎日を送らせてくれる楽しみになってくれます。

人生を旅に例える話がよくありますが、旅はその都度一応の目的地を設定しますが、目的地に着くことだけでなく、目的地に到達するまでの過程も大きな楽しみです。もし定めた目的地に到達できなくても、また別の目的地を次から次へと設定すればよく、むしろ次の目的地を探して設定することや、いろいろ試行錯誤してみた結果、どの目的地が一番楽しかったかを考えるのも面白いです。

人生も旅と同じように考えればいいと思います。そもそも将来の夢や目標が何なのか、またそれらが成功するかどうかさえ必ずしも重要ではなく、結果に向かう過程、つまり現在の楽しみがどれだけ得られるかが大切なのだと思います。

私は「Apas」(アーパス)というモデル事務所を経営しています。きっかけは北海道出身の友人が、『札幌コレクション』という北海道では最大のファッションショーを手掛けており、彼と、このショーから誕生する将来のスターモデルの子達の受け皿があったらいいねという話で盛り上がったことです。

地方から誕生する子達が、いきなり東京の大手芸能事務所に所属しても埋もれてしまうことも多く、少数精鋭で丁寧にケアできる事務所があれば、もっと地方出身の子達が活躍できる場が増えるかもしれないという思いでした。

しかし、モデル事務所と言っても、当初は案件が少なく売上の目途も立たないことが予測され、他方モデル育成費用や宣伝費用といったコストはかかるため、当面は赤字が想定されます。そのため少なくとも数年間の赤字には耐えられるように初期投資額を計3000万円としました。

最初は共同経営者が発掘していた子を中心に活動を始め、次に今後ますます流行るであろう動画メディアで人気の子に所属してもらいました。さらにたまたま大阪の街中で見かけた母娘の娘さんをスカウトし、今はこの3人体制となっています。

特に3人目のスカウトの際には、無名の事務所からのスカウトに親御さんも心配されており、私も何度か大阪まで足を運び、直接母娘さんと会って今後のビジョンをお話しして、ようやく所属していただいたという経緯があったため、彼女が映画やファッションショーの舞台で活躍してくれていたり、会う度に大人っぽくなり、美しくオーラのある女性に成長していっているのを見て、良い縁に恵まれて良かったなと思います。

しかし、まだまだ経験も大した人脈もなく、ビジネスとしては破綻する可能性は往々にしてあります。

それでも、信頼できる友達と同じことを共有して取り組む過程自体が楽しく熱中できる貴重なものなので、結果的に成功できなくても構わないと思っています。

成功するかどうかわからないけど試しにやってみようというスタンスで始められたからこそ、今では一応、3人のモデルそれぞれが、ファッションショーだけでなく、映画やCM、雑誌や広告に出させてもらえるぐらいに形になってきました。もし、このモデル事務所が成功するかどうかを考えていたら、始めることさえできなかったと思います。

仕事は、自分の人生を様々な角度から豊かにしていくツールであり、挑戦すること自体を楽しむという目的で構わないと考えています。ただ、こうやって楽しみを大切に、物事に熱中して取り組んでいる人の中から実際に成功者が出てくるのだと思います。

日本一稼ぐ弁護士の仕事術
福永活也(ふくなが・かつや)
弁護士・実業家・冒険家。名古屋工業大学を卒業後、24歳までフリーターとして過ごす。その後、関西大学法科大学院を経て、27歳の時に司法試験に出願者数7842人中56位の成績で一発合格。弁護士として働き始め、5年目にして独立。独立1年目から2年連続して弁護士業のみで年収5億円を突破し、「日本一稼ぐ弁護士※」となる。 ※ 2014・15年度 国税庁統計年報所得種類別人員における主たる収入が「弁護士」の区分で最も高いレンジである課税所得5〜10億円に入る。

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