(本記事は、福永活也氏の著書『日本一稼ぐ弁護士の仕事術』=クロスメディア・パブリッシング、2019年7月1日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

人生が10回あればやってみたいことをする

挑戦
(画像=ESB Professional/Shutterstock.com)

学生の頃、人生が10回あれば一度くらい、学校も仕事も何もかも辞めてしまって、世界中をずっとバックパッカーで旅してみたいな、なんて思うことがありました。

でも、人生は一度きりですから、全てを放り出して旅に出てしまうのは少し躊躇してしまいます。

しかし、よく考えてみると、いろいろな挑戦の多くは、時間の幅で言えば、人生の全てを賭けなければならないわけではなく、例えば、5年10年を一区切りとして一つのことに熱中できれば、その中で十分な成功が得られることもあります。

人生の全てを捧げるという言葉が使われることがありますが、それはある特定の期間において全ての情熱を注ぐという意味であって、長い人生の全ての時間を捧げるという意味ではありません。

例えば、プロサッカー選手だった中田英寿選手は、プロ選手としては約10年の活動期間があり、この間については、まさにサッカーに人生を捧げていたのだと思いますが、29歳で引退し、その後は実業家として様々な活動をされています。

このように、人生でたった一つのやり甲斐を見つけて一生を捧げるというような考えではなく、もう少し間口を広げて、「人生が10回あれば一度くらい挑戦してみてもいいかな」くらいに思えるものに、思いっきり熱中してみようと思うようになりました。

これから挑戦するものが、10年先20年先も同じようにやり続けられるものかどうかを考える必要はありません。そして、時として、それらは同時並行に挑戦していけばいいのだと思います。

私は29歳で弁護士になり、今で約10年が経ちます。もちろん、客観的に弁護士として昇り詰めたわけではありませんが、自分の中では一定の満足を得られたので、弁護士業を辞めるつもりでいます。そして、空いた時間と情熱を、全く別の新しいものに注いでいこうと思っています。

せっかくある程度基盤を築いた仕事を手放すのはもったいないという考えもあるかもしれませんが、一番もったいないのは、限られた時間を本当に自分のやりたいことに注げないことです。

もちろん、たった一つのことを生涯通して太く熱く取り組んでいけるのであれば、それはとても素晴らしいことです。ただ、一度やり始めたらその一つだけで一生を遂げなければいけないという時代でもないわけですから、もう少し広い選択肢の中から熱中できるものを探してみると、その対象が見つかることもあります。

ちなみに私は人生が10回あれば、一度くらい水商売で生活してみたいなと思うので、弁護士になってからホストクラブで無償のお手伝いアルバイトをしたこともあります。私はお酒が飲めないのですが、それでも雇ってくれるホストクラブを探して、歌舞伎町と六本木のホストクラブに面接に行きました。

理由も経緯もきちんと話した上で、それでも雇ってくれる店を探したところ、六本木にあるホストクラブで採用されました。

結局、出勤できる回数が店からの最低条件と合わずにすぐに辞めてしまいましたが、一度やってみたい経験ができたことは凄く有難かったです。

また、寿司職人についても、実際に専門学校に通ってみた結果、本当に自分が職人としてやってみたいと思えば、さらに修業を続け、自分の店をオープンしてみてもいいですし、改めて現場の知識を得たことで寿司屋の経営をしてみたいと思えば、誰かを雇ってみてもいいかもしれません。

あるいは、仕事にはしないという判断に至ったとしても、現場のことをさらに知れたことで、これまでのレストラン巡りがさらに楽しいものになるかもしれません。

また、全く別の起業をしてみたいという思いもあります。すでにいくつか具体的な事業アイデアがあり、一つずつ試していくつもりです。

例えば、光本勇介さんの『実験思考』(幻冬舎)という本の特典で、書籍代を後払いとして1000万円支払えば、これを元手に一緒に会社を立ち上げてもらえるというものがあり、これにも応募しています。

私は、お金はクーポン券であって、何かに引き換えて初めて意味があると思っているので、面白そうだなと思えば思い切って課金します。

なんせ、この書籍代後払いというアイデアなんて、聞いてしまえばそんなものかと思うかもしれませんが、これまで誰もやったことのないことをゼロから考え出す創造力と、実際にそれを現実化する実践力、さらにそんなアイデアを潰さずに応援できる革新的な組織がそれぞれ機能していないと起こりえないものです。非常に興味があります。

ちなみに、こういった挑戦について、お金があるからできるのだと思われるかもしれませんが、例えば寿司職人であればYou Tubeを見て無料で勉強することだってできます。どうしてもまとまったお金が必要な場合にも、今ではクラウドファンディングもあります。何なら、良い事業アイデアがあれば私に提案していただければ、私の出資で一緒に事業の立ち上げをさせていただきます。

このように、次から次へと新しいことに挑戦していこうと思います。

日本一稼ぐ弁護士の仕事術
福永活也(ふくなが・かつや)
弁護士・実業家・冒険家。名古屋工業大学を卒業後、24歳までフリーターとして過ごす。その後、関西大学法科大学院を経て、27歳の時に司法試験に出願者数7842人中56位の成績で一発合格。弁護士として働き始め、5年目にして独立。独立1年目から2年連続して弁護士業のみで年収5億円を突破し、「日本一稼ぐ弁護士※」となる。 ※ 2014・15年度 国税庁統計年報所得種類別人員における主たる収入が「弁護士」の区分で最も高いレンジである課税所得5〜10億円に入る。

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