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【目次】
①フリーIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/5更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【12/4更新】 ※有料会員限定

会社名
フリー株式会社
コード
4478
市場
マザーズ
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役CEO 佐々木大輔 /1980年生
会社住所
東京都品川区西五反田2-8-1
設立年
2012年
社員数
409人(2019年09月30日現在)
事業内容
スモールビジネス向けクラウドERPサービスの提供
URL
https://corp.freee.co.jp/
資本金
100,000,000円 (2019年11月07日現在)
上場時発行済み株数
46,639,891株
公開株数
17,476,300株
連結会社
1社
スケジュール
仮条件決定:2019/12/02→1,800~2,000円に決定
ブックビルディング期間:2019/12/03 - 12/06
公開価格決定:2019/12/09→2,000円に決定
申込期間:2019/12/10 - 12/13
上場日:2019/12/17→初値2,500円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:大和証券
引受証券:メリルリンチ日本証券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:野村證券
引受証券:みずほ証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:東洋証券
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:いちよし証券
引受証券:エース証券
引受証券:ちばぎん証券
引受証券:東海東京証券
引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
引受証券:丸三証券
引受証券:水戸証券
大株主
佐々木大輔 24.90%
DCM VI, L.P. 11.66%
A-Fund, L.P. 6.84%
IVP Fund II A, L.P. 5.04%
(株)リクルート 4.81%
横路隆 4.75%
LINE(株) 4.42%
Palace Investments Pte. Ltd. 3.72%
(株)SMBC信託銀行 (特定運用金外信託口 契約番号12100440 ) 3.17%
東後澄人 3.14%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/06 単体実績 
1,202,144 -2,205,591 -2,257,697 4,041,540
2018/06 単体実績 
2,414,913 -3,399,297 -3,405,845 692,875
2019/06 連結実績 
4,516,950 -2,850,936 -2,778,440 4,510,056
2019/09 第1四半期連結実績 
1,491,436 -488,582 -490,684 4,111,837
ロックアップ情報
指定された株主は上場後180日目の2020年6月13日または上場後360日目の2020年12月10日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
349億5260万0000円(17,476,300株×2,000円)
潜在株数(ストックオプション)
6,144,900株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
フリー株式会社<4478>はクラウド会計ソフト「freee」などを開発提供する企業である。クラウド会計サービス主要3社において55%の市場シェアを有する、クラウド会計サービスの大手企業である。


■事業内容詳細
同社は「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、クラウド会計ソフト「freee」などを開発提供している。

主な製品ラインナップは下記である。

・クラウド会計freee
・人事労務freee
・申告freee
・開業freee
・会社設立freee

上記の中でクラウド会計ソフトfreeeが主力製品となっている。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


●クラウド会計ソフトfreeeについて
クラウド会計ソフトfreeeは、個人事業主及び法人向けに提供される統合型クラウド会計ソフトである。銀行口座やクレジットカード等との連携、請求書発行から入金管理など日々行われる経理業務について、自動化やAIを活用し手入力によるミスを防ぎ、経理の作業時間の大幅削減を可能としている。

また上場企業に求められる内部統制報告制度にも対応しており、個人事業主から上場企業まで利用対象は広い。尚、個人事業主向けプランでは、所得税の確定申告まで完結可能である。

尚、一度契約した後は継続的な収益が可能なサブスクリプション型のビジネスモデルとなっている。


■同社の優位性
同社の提供する各種freeeは、スモールビジネスにおける利用を前提に設計・提供されており、下記の優位性を有している。

・簡単、自動化
簿記の知識がない人でも直感的に使用できるユーザー・インターフェイスを採用している。専門人材の確保が難しいスモールビジネスにおいても、自社で財務会計や管理会計の実施が可能である。

・バックオフィス業務の効率化
クラウド会計ソフトfreeeは請求書機能などを同一ソフトウェア上で提供しており、経理業務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化にも寄与する。ソフトウェア上で上流工程の業務を行うことにより自動的に会計帳簿が作成されるため、経理業務自体も大幅に効率化できる。


■直近の成長について
簡単、自動化などの特徴が評価されており、同社はクラウド会計サービス主要3社において55%の市場シェアを有するに至った。

直近の四半期毎のARR(月末時点における継続課金ユーザー企業の月額料金の12倍=年間売上高に相当)は下記のように推移している。

年間約2倍のARRの伸びを見せており、クラウド会計ソフト普及を背景に同社サービスも拡大しつつある。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


■今後の成長について
現状従業員300人以下の中小企業等における会計ソフトについて、クラウド会計ソフトの日本国内の普及率は14.3%に留まっている。他の先進国に比べても普及が大きく遅れており、市場拡大余地は充分にあると考えられる。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


■業績推移
2016年6月期 売上高5.7億円、経常利益▲21億円、当期純利益▲21億円
2017年6月期 売上高12億円、経常利益▲22億円、当期純利益▲23億円
2018年6月期 売上高24億円、経常利益▲34億円、当期純利益▲34億円
2019年6月期 売上高45億円、経常利益▲29億円、当期純利益▲28億円
2020年6月期(予想) 売上高69億円、経常利益▲31億円、当期純利益▲31億円
※2019年6月期より連結決算

2019年6月期まで売上高は約2倍ペースで成長を果たした。2020年6月期は増収ペースが落ちるものの、依然として高い成長を維持する予想である。

ハイペースでの増収を維持しているものの、積極的な宣伝広告費投入などにより、経常利益は▲21~▲34億円の赤字が継続中である。今期も▲31億円の経常赤字を予想している。

尚、2020年6月期Q1は売上高15億円、経常利益▲4.9億円となっている。


■財務状況
2019年6月期末時点で、資産合計74億円に対し純資産合計45億円、自己資本比率61%である。

借入金なく現預金59億円を有しており、財務内容に特段の懸念事項はない。

尚、2019年6月期の営業活動によるキャッシュ・フローは▲17億円のマイナスである。


■資金使途
IPOにより113億円の資金調達を予定しており、調達資金は下記に充当される予定である。

・新規顧客獲得のためのセールス・マーケティング活動 73億円
・製品開発に係るエンジニアの人件費等の研究開発費 35億円
・サーバーメンテナンス及びカスタマーサポートに係る人件費 5億円

調達資金の大半は、今後の事業拡大に向けた新規顧客獲得のマーケティング費用に投じられる。

尚、公募株数5,435,200株に対し、売出株数12,041,100株であり、売出株が公募株より多いIPOとなる。


■株主構成
佐々木社長が株主シェア25%を有する筆頭株主である。

また米系のベンチャーキャピタルであるDCM以下、多数のVC等が出資を行っている。VC比率は約40%である。

一方で事業会社としてリクルート<リクルートHD:6098>(株主シェア4.8%)、LINE<3938>(同4.4%)も出資を行っている。

尚、VCを始めとする株主はIPO後180日又はIPO後360日のロックアップ契約を締結している。


■まとめ