大麻企業の不透明な先行きを反映して、カナダの大麻企業の株価はボラティリティが高い状態にある。

一部の大手大麻企業が予想を下回る決算を発表した後、大麻セクター全体の株価が下落した。しかしその後、多くの大麻企業は大幅に反発している。

20日、キャノピー・グロース (NYSE:CGC)(TSX:WEED)は約16%高、オーロラ・カナビス(TSX:ACB)(NYSE:ACB)は約12.5%高、エフィリア(TSX:APHA)(NYSE:APHA)は約5.5%高となり、トロント証券取引所でトップ3の上昇率を記録した。

キャノピー、オーロラ、エフィリア
キャノピー、オーロラ、エフィリア(画像=Investing.com)

ヘキソ(TSX:HEXO)(NYSE:HEXO)は21日、約35%高となった。また、オーロラ・カナビスは約19%高、キャノピー・グロースは約16%高となった。

しかし、22日の大麻企業は反落した。ヘキソは約15.5%安、オーロラは約13%安、キャノピーは約9%安となった。

様々な報道によるボラティリティ

大麻企業の高いボラティリティは、様々な報道が一因となっている。米下院司法委員会は20日、連邦レベルでの大麻合法化の法案を可決した。その一方で、オンタリオ州政府は、大麻の店舗販売に関する認可方法の変更を表明した。しかしながら、どちらも直ぐに実現されるとは考えられていない。

米国の大手大麻企業2社は好調な業績

カナダの大麻企業が高いボラティリティに苛まれている一方、米国の大麻企業は高い収益性を示した。

トゥルー・リーブ(OTC:TCNNF)とCuraleaf社(CSE:CURA)は、予想を上回る四半期決算を示した。

トゥルー・リーブは来月末までに、44店舗をフロリダに構える見込みだ。同社の第3四半期決算では、売上高が前年同期比22%増の7070万ドルとなり、予想の6560万ドルを上回った。また、同社は通年業績見通しを上方修正し、2億2000万ドルから2億4000万ドルのレンジで売上高を見込んでいる。

同株は昨年から9.94%高となっている。

トゥルー・リーブ、Curaleaf社
トゥルー・リーブ、Curaleaf社(画像=Investing.com)

Curaleaf社は、売上高が約27%増となった。また、修正済みEBITDAは、前年同期の-320万ドルに対して900万ドルとなった。同社は12州で事業を運営しており、50の販売店舗と14の栽培拠点、13の加工工場を有している。

キャノピー・グロースの飲料製品がスタート

キャノピー・グロスは26日、大麻入り飲料品の生産を開始した。同社は150000平方フィートの大麻製造及び保管設備について、カナダ保健省から認可を獲得した。

同社が「ファースト・ウェーブ」と呼ぶ11種類の飲料品から生産が開始される。また、数か月後には、新たな飲料品が製造開始となる見込みである。同社の飲料品は、数週間以内にカナダ全土に出荷される。

同社に出資する酒類販売大手のコンステレーション・ブランズ (NYSE:STZ)は22日、キャノピーへの追加出資を行わない見通しを示した。これを受け、キャノピーの株価は約10%安となった。

コンステレーション・ブランズは2018年8月、キャノピーに40億ドル出資し、株式の38%を取得した。その後の2019年6月、キャノピーの業績に対する不満を表明し、CEOのブルース・リントン氏を退陣に追い込んだ。(提供:Investing.comより)

著者: Brenda O'Farrell