SREホールディングス ZUU online Members
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【目次】
①SREホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/9更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【12/4更新】 ※有料会員限定

会社名
SREホールディングス株式会社
コード
2980
市場
マザーズ
業種
不動産業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 西山和良 /1975年生
会社住所
東京都港区北青山3-1-2
設立年
2014年
社員数
111人(2019年09月30日現在)
事業内容
不動産事業、IT プラットフォーム事業、AI ソリューション事業
URL
https://sre-group.co.jp/
資本金
1,822,450,000円 (2019年11月14日現在)
上場時発行済み株数
15,128,000株
公開株数
4,484,600株
連結会社
1社
スケジュール
仮条件決定:2019/12/03→2,550~2,650円に決定
ブックビルディング期間:2019/12/04 - 12/10
公開価格決定:2019/12/11→2,650円に決定
申込期間:2019/12/12 - 12/17
上場日:2019/12/19→初値2,475円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:大和証券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:野村證券
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
大株主
ソニー(株) 53.01%
Zホールディングス(株) 41.16%
西山和良 2.61%
角田智弘 0.43%
河合通恵 0.35%
青木和大 0.29%
喜志武弘 0.22%
清水卓 0.21%
上出昇 0.21%
久々湊暁夫 0.12%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/03 単体実績 
2,067,361 -90,069 -227,505 2,618,634
2018/03 単体実績 
2,597,370 196,019 300,340 2,918,804
2019/03 連結実績 
2,896,438 435,049 259,568 3,179,486
2019/09 第2四半期連結実績 
1,389,957 263,432 168,179 3,350,879
ロックアップ情報
ソニー株式会社、Zホールディングス株式会社、西山和良、角田智弘、青木和大、喜志武弘、清水卓、小野三郎、上出昇、吉村正直は上場後180日目の2020年6月15日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
118億8419万0000円(4,484,600株×2,650円)
潜在株数(ストックオプション)
849,300株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
SREホールディングスは不動産仲介サービスや、高付加価値IoT機器搭載マンション“AIFLAT”の販売などを手掛ける企業である。

旧社名はソニー不動産である。現在はソニー<6758>53.01%、ヤフーを傘下に持つZホールディングス<4689>41.16%の出資比率であり、ソニーの連結子会社である。


■事業内容詳細
同社は旧ソニー不動産として2014年4月に設立された。2015年7月にヤフーグループの出資を受け、ソニーが有するAIやITテクノロジーとヤフーの有するデータトラフィックを基盤として不動産事業を展開している。尚、出資比率はソニー53.01%、ヤフーを傘下に持つZホールディングス41.16%である。

主な事業内容としては下記3者が存在する。

・不動産事業
・ITプラットフォーム事業
・AIソリューション事業

●不動産事業について
不動産事業は不動産仲介とスマートホーム販売の2者から構成されている。

不動産仲介では、売り手側と買い手側に別々のエージェントが付くエージェント制を採用し、売主・買主にとってフェアな環境下での不動産仲介サービスを提供している。また大量の不動産取引データをAI技術によって処理する「不動産価格推定エンジン」を活用することで、顧客満足度の高いコンサルティングサービスを提供する。

スマートホーム販売は、高付加価値IoT機器搭載マンション“AIFLAT”の販売を行っている。“AIFLAT”はソニーグループが開発したIoT機器を搭載するマンションであり、第1号マンションAIFLAT dokanyamaは2018年12月に販売を開始し、2019年1月に完売した。

尚、“AIFLAT”はファンドや法人に販売する収益型不動産である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


●ITプラットフォーム事業について
ITプラットフォーム事業では、法人向けに不動産仲介業務の効率化ツールとして“おうちダイレクト”を提供している(月額利用料を徴収)。

“おうちダイレクト”は下記の4機能が搭載されている。

① 売主からの問い合わせをインターネット上で集める集客機能
② 売主に対して「不動産価格推定エンジン」などの情報を盛り込んだ査定書を作成する機能
③ 売主の物件をインターネット上に掲載して買主を募集する広告機能
④ AI技術による優良顧客特定機能

また個人向けにも、不動産仲介業者を介さない自由な不動産売買が可能となるツールとして、“おうちダイレクト”を提供している。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


●AIソリューション事業
AIソリューション事業は、AIクラウドサービスとAIコンサルティングサービスから構成されている。

AIクラウドサービスでは、高精度の不動産価格推定エンジン(ITプラットフォーム事業から得られる実際の不動産売買から得られたデータを活用し開発)を中心に、パッケージ化されたAIをAIaaS型で提供する。ライセンス料を不動産や金融系を始めとする事業者から受領している。

またAIコンサルティングサービスでは、顧客企業の様々な経営課題を「AIによる将来予測ツール」を用いて解決するコンサルティングサービスを提供している。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


■部門別売上高
2019年3月期の部門別売上高は下記となっている。

2019年3月期 売上高29億円
・不動産事業 売上高20億円
・ITプラットフォーム事業 売上高7.8億円
・AIソリューション事業 売上高0.8億円

売上高の70%は不動産事業から計上されている。ただしAI技術が活用されるITプラットフォーム事業も売上高7.8億円を計上しており、全体の30%の売上比率を有する状態である。


■業績推移
2017年3月期 売上高21億円、経常利益▲1.0億円、当期純利益▲2.3億円
2018年3月期 売上高26億円、経常利益2.0億円、当期純利益3.0億円
2019年3月期 売上高29億円、経常利益4.4億円、当期純利益2.6億円
2020年3月期(予想) 売上高38億円、経常利益5.9億円、当期純利益3.9億円
※2019年3月期より連結決算

着実な増収増益が続いており、2020年3月期は経常利益5億円の突破を予想している。2020年3月期Q2(累計)は売上高14億円、経常利益2.6億円であるが、現状の問い合わせ状況及びスマートホームの販売予定件数から、予想達成に同社は自信を有している。


■財務状況
2019年3月期末時点で、資産合計41億円に対し純資産合計32億円、自己資本比率77%である。

借入金なく現預金3.5億円を有しており、財務状態に特段の懸念事項はない。

尚、ソニーグループに対する預け金21億円が存在したが、2020年3月期Q2時点では預け金はなくなっている。


■資金使途
IPOにより33億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。

・AI技術の研究開発費 2.5億円
・AIソリューション事業における販売用ソフトウェア開発費 10億円
・AI関連の人材、不動産仲介の人材の増強のための人件費及び人材採用研修費 2.0億円
・ITプラットフォーム事業での宣伝広告費 1.3億円
・スマートホーム“AIFLAT”の物件取得費用 17億円

調達資金はスマートホーム“AIFLAT”の物件取得費用及び、AIソリューション事業における販売用ソフトウェア開発費を中心に充当される。

尚、公募株数1,400,000株に対し、売出株数3,084,600株であり、公募株の2倍以上の売出が行われる。


■株主構成
筆頭株主のソニーが株主シェア53.01%、ヤフーを傘下に持つZホールディングスが第2位株主で同41.16%の出資比率である。他は全て個人株主となっている。

尚、ソニーが保有7,727,400株のうち1,000,000株、Zホールディングスが保有6,000,000株のうち2,084,600株を売出株として拠出する。


■まとめ