【目次】
①️WDBココIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/11更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【12/9更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- WDBココ株式会社
- コード
- 7079
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 谷口晴彦 /1975年生
- 会社住所
- 東京都中央区晴海1-8-11 トリトンスクエアY棟27F
- 設立年
- 1984年
- 社員数
- 303人(2019年10月31日現在)
- 事業内容
- 医薬品の安全性情報管理の受託サービス等
- URL
- https://www.wdbcoco.com/
- 資本金
- 50,000,000円 (2019年11月20日現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,285,000株
- 公開株数
- 572,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/12/06→1,390~1,530円に決定
- ブックビルディング期間:2019/12/09 - 12/13
- 公開価格決定:2019/12/16→1,530円に決定
- 申込期間:2019/12/17 - 12/23
- 上場日:2019/12/25→初値3,400円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- WDBホールディングス(株) 94.34%
- 谷口晴彦 2.83%
- 平光初音 0.85%
- 齋藤和貴 0.31%
- 藤原素行 0.28%
- 西田尚徳 0.28%
- 松本律子 0.17%
- 新井教子 0.14%
- 齋藤譲一 0.14%
- 掛井美保 0.14%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
1,139,552 229,365 161,270 403,727 - 2018/03 単体実績
1,466,862 296,942 198,233 521,961 - 2019/03 単体実績
1,781,709 338,190 236,656 656,617 - 2019/09 第2四半期単体実績
1,131,795 288,168 179,055 708,673 - ロックアップ情報
- WDBホールディングス株式会社は上場後180日目の2020年6月21日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 8億7516万0000円(572,000株×1,530円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 120,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- WDBココ株式会社<7079>は、CRO事業における安全性情報管理サービス提供を中心に事業展開する企業である。
尚、人材派遣のWDBホールディングス<2475>の子会社(株式シェアの94%を保有)であり、上場会社子会社のIPOとなる。
■CRO事業について
同社は製薬会社の医薬品開発における受託業務、いわゆるCRO事業を展開している。近年の製薬会社は創薬に関する研究開発に特化するスタンスを取っている。よって周辺事業についてはアウトソースする流れであり、CRO市場は拡大を続けている。
CRO事業者は製薬会社から下記のプロセスを受託する。
・臨床治験(治験)
ヒトでの安全性・有効性の確認
・承認申請
製造販売の申請及び規制当局の審査
・安全対策、製造販売後調査
販売後の継続的な安全性や有効性の調査
上記のプロセスにおいて、CRO事業者は具体的にはモニタリング業務、データマネジメント業務、統計解析業務、安全性情報管理業務を手掛けている。その中で同社は安全性情報管理業務を主軸として事業を展開している。
■事業内容詳細
同社はCRO業務の安全性情報管理サービスを中心に下記4サービスを提供している。
・安全性情報管理サービス
国内外の臨床試験や医薬品の市販後に発生する安全情報について、入力・評価案作成、報告書案作成等の支援業務サービス。
・ドキュメントサポートサービス
医薬品開発の各段階で発生する、様々な書類や規制当局への上市の承認の際に、必要な資料の品質保証等の支援業務サービス。
・開発サポートサービス
新薬の承認後や適応追加後に実施される製造販売後調査における、調査依頼の医療機関との契約書類の作成・管理代行業務などのサービス。
・臨床開発支援サービス
主に臨床試験におけるモニタリング業務を中心に、臨床試験関連業務の支援サービス。
■同社の特徴
CRO市場は臨床治験(治験)のモニタリング業務から立ち上がった経緯がある。よってCRO業務は治験のモニタリングのイメージが一般的には存在する。
しかし製薬会社による業務のアウトソーシングが進み、治験以外にも対象領域が拡大している。同社はCRO業務の安全性情報管理を主軸に事業を展開している。安全性情報管理は治験のような資格保有者や実務経験豊富な社員でなくとも、業務の標準化を行うことで未経験者でも育成を通じて対応できる領域である。
同社は直接雇用かつ常用雇用社員を中心に継続的に業務効率改善に取り組むことで、高品質と低価格を両立したサービスを提供している。
■顧客先別売上高
同社の2019年3月期の主要顧客別の売上高は下記となっている。
2019年3月期 売上高17億円
・中外製薬 3.3億円(割合18%)
・グラクソ・スミスクライン 2.3億円(同13%)
・日本イーライリリー 2.3億円(同13%)
・アッヴィ 1.6億円(同9.1%)
外資系製薬会社の日本法人が売上先の中心となっている。中外製薬以下の4社で売上高の50%を超える水準(53%)である。
■業績推移
2017年3月期 売上高11億円、経常利益2.3億円、当期純利益1.6億円
2018年3月期 売上高15億円、経常利益3.0億円、当期純利益2.0億円
2019年3月期 売上高18億円、経常利益3.4億円、当期純利益2.4億円
2020年3月期(予想) 売上高21億円、経常利益3.9億円、当期純利益2.6億円
着実な増収増益が続いている。また2019年3月期の経常利益率は19%であり、高い利益水準を維持している。
2020年3月期も引き続き着実な増収増益が予想されている。Q2(累計)で売上高11億円、経常利益2.9億円を計上しており、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
■財務状況
2019年3月期末時点で、資産合計10億円に対し純資産合計6.6億円、自己資本比率64%である。
借入金なく現預金5.0億円を有しており、財務内容に特段の懸念事項はない。尚、現預金5.0億円と売掛金4.3億円で、貸借対照表の借り方の殆どを占めている。
■資金使途
IPOにより3.7億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・新たなサービスプラットフォーム等のシステム開発費用 1.4億円
・人材の育成と採用に係る人材採用費用 0.6億円
・業容拡大に伴う増員による人件費の増加 0.8億円
調達資金は事業拡大に向けてのシステム投資と人材投資に大半が充当される。
■株主構成
筆頭株主は親会社のWDBホールディングス(株式シェア94%)である。WDBホールディングス以外は全て個人株主となっている。
尚、WDBホールディングスは2,000,000株を保有するが、287,000株を売出にて売却する。
■まとめ