「PDCAの進化版。これからはDDDD!」
「PDCA」というフレームワークがあります。
フレームワークとは簡単にいえば、何かをするときの「ひな型」のことです。
PDCAは、作業を効率化するときのひな型として有名で、「作業を効率化するにはPDCAサイクルを回すといい」と長い間、言われてきました。Plan Do Check Action のことで、「Plan(計画)」を立てて、「Do(実行)」をして、「Check(評価)」し、「Action(改善)」することを指します。
このサイクルを繰り返すことで業務が効率化する、と考えられてきました。
僕は以前からなぜDo とAction が2つあるのかずっと疑問でした。厳密に訳せば、前者は「行動」で、後者は、目的をもって行う「行為」を指します。しかし、一般的には、どちらも主な意味は「行動」です。だから、違和感があったのです。
「同じことをすると同じ結果」「違うことをすると違う結果」だと僕は思っています。
ずっと同じサイクルで回し続けても、目を見張るような新しい結果は出てきません。
また、PDCAをPlan Delay Cancel Apologize。つまり、「じっくりと計画を立ててやると遅くなり、その結果、中止となり、謝りにいくことになる」と揶揄する人もいます。
僕自身もPDCAより、むしろDDDD(ドゥドゥドゥドゥ)が有効だと思っています。
じっくり考えるのではなくて、考えながらもう行動する。
評価やチェックに時間をかけるのではなくて、検証しながら行動する。
検証した上で改善するのではなくて、微調整しながら行動する。
あるいは、行動が違うと思ったらすぐにほかの行動をとる。
スピード感を持って、次々と行動(=Do)することこそが大切なのです。
僕は大学1年のときに起業して、ずっとビジネスをしてきて、人生で一番大事なのはDDDDだとわかりました。
人はDoすることで考えます。
Doすることで、「困ったな」と思って、「どうしよう」と考え、次のDoをする。
DDDDの繰り返しなんです。
人生でいちばん大切なのは、できるだけDoを増やすことだと言っても過言ではありません。
奇跡を起こすのもDoがあるからです。
花が咲くのは、種を撒くというDoをするからです。
Doするから、夢が叶う。
Doするから、運が開ける。
どんな業界でも失敗する人は、Doをしない人。つまり、行動を起こさない人です。
どんな業界でも成功している人は、Doをしています。
「できる」と言う人、「できない」と言う人、たいていどちらの決断も正しい。
でも成功する人は、できるならすぐにやる。できないなら他の方法を考えて行動に移す。
そしてどのような決断をしても、失敗する人は、いつまでもやらない。
やる人は、すぐに行動を起こすのです。
そう、「すぐ」です。
すべての職業に成功していない人の共通点は、「すぐやらない」ことです。
Procrastinationという英語があります。
ぐずぐずすること、引き伸ばすこと、延期を意味します。
成功している人の辞書には、おそらくない言葉です。
ぐずぐずしたり、明日に伸ばすのではなく、DDDDをしましょう。
そうだ、ここで少し断っておきます。
僕は幼少期から高校入学までニューヨークで過ごしたので、日本語よりも英語で説明したほうがしっくりくることがあります。だから、この本にもしばしば英単語が出てきます。
ていねいに説明を入れていきますから、英語が苦手な人も安心して読んでもらえると思います。
さて、本題に戻ります。
すべての職業で成功している人の特徴は、「決断」と「行動」と「DDDD」です。20世紀前半に活躍したアメリカの実業家C・M・ブリストルは、その古典的名著『信念の魔術』(ダイヤモンド社)で次のように書いています。
「いわゆる物質的な世の中では、だいたいにおいて行動力のある人が世間を支配するのです。偉大なダイナモのような精気を持ち、他人にも精気を与えるような人が世を支配するのです」
ちなみにダイナモとは発電機のことです。
僕は、慶應ビジネススクール時代にこの考え方と出会い、人生において「行動する」決心をしました。
そして、DDDD(ドゥドゥドゥドゥ)と行動し続けています。
僕は、DDDDしている人、行動する人を、「Do君」と名付けました。本書では、キャラクターのDo君がみんなを励まします。
さあ、みなさんも、D o 君になって一緒に「STOP DREAMING andSTART DOING」。決断と行動をして奇跡を起こしましょう。
杉山大輔
株式会社インターリテラシー 代表取締役ファウンダー・CEO
株式会社ジールアソシエイツ エグゼクティブプロデューサー
1979年東京都生まれ、ニューヨーク育ち。2002年慶應義塾大学総合政策学部卒業。2004年慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA取得)。
1999年大学1年次に教育コンサルティング会社を立ち上げる。2007年コミュニケーション問題の解決をはかる株式会社インターリテラシーを設立。2014年クオンタムリープ株式会社執行役社長として活動。『行動する勇気』(フォレスト出版)、『運を動かせ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『脱米論』(財)公共政策調査会主催、読売新聞社後援「21世紀においてあるべきわが国のかたちをいかに考えるか」優秀賞受賞。『守破離』 日本貿易会主催「ジャパンブランドの可能性」第2回日本貿易会賞優秀賞受賞。ベンチャー経営歴20年。3男1女、4人の子どもの父親。東京マラソン、那覇マラソン、ホノルルマラソン完走。伊豆大島観光特派員。英検1級。Oxford Teacher Training Program 修了。
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