【目次】
①️ゼネテックIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/9更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/2更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社ゼネテック
- コード
- 4492
- 市場
- JASDAQスタンダード
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 上野 憲二 /1950年生
- 会社住所
- 東京都新宿区新宿二丁目19番1号
(最寄りの連絡場所) 東京都新宿区新宿二丁目6番4号 - 設立年
- 1985年
- 社員数
- 244人(2020年1月31日現在)
- 事業内容
- 組込みソフトウェア及びハードウェアのシステム受託開発、製造業を 中心とするエンジニアリングソリューションの提供
- URL
- https://www.genetec.co.jp/
- 資本金
- 50,000,000円 (2020年2月13日現在)
- 上場時発行済み株数
- 1,920,000株
- 公開株数
- 441,300株
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/02/28→1,600~1,700円に決定
- ブックビルディング期間:2020/03/03 - 03/09
- 公開価格決定:2020/03/10→1,700円に決定
- 申込期間:2020/03/11 - 03/16
- 上場日:2020/03/19→初値1,620円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- 上野憲二 41.85%
- 上野大輔 21.64%
- 山田陽國 10.07%
- ゼネテック従業員持株会 7.59%
- 井上由佳 5.41%
- 八戸雅利 3.42%
- 夏野剛 2.49%
- 金井登志雄 1.87%
- 遠藤直哉 1.24%
- 濱登弘一・・・他15名 0.12%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
3,657,465 288,240 298,914 626,708 - 2018/03 連結実績
4,004,951 134,639 83,628 770,117 - 2019/03 連結実績
4,482,808 275,877 179,516 943,033 - 2019/12 第3四半期連結実績
3,385,305 153,115 100,353 1,038,476 - ロックアップ情報
- 山田陽國、上野憲二、金井登志雄、上野大輔、井上由佳、八戸雅利、夏野剛、遠藤直哉、濱登弘一は上場後90日目の2020年6月16日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 7億5021万0000円(441,300株×1,700円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 114,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社ゼネテック<4492>は組み込みソフトの設計開発などを手掛ける企業である。
■事業内容詳細
同社は組み込みソフト開発で培ったソフトウェア・ハードウェアの一体開発力と、幅広いソリューションサービスの販売力を有しており、下記事業を展開している。
・システム受託開発事業
・エンジニアリングソリューション事業
●システム受託開発事業
同社は1985年7月の設立以来、移動体通信機分野(ポケットベル、携帯電話、PHSなど)の各種情報端末、自動車関連(カーナビ、カーオーディオなど)の組み込みシステムの設計開発をコア事業として発展した。現在は、長年培ってきた受託開発ノウハウを駆使し、仕様分析・検討、基本設計から製造までシステムの一括受託開発を行っている。
今後は特にモビリティ分野の自動運転システム、安全運転アシストシステムなどの成長が期待され、また製造業分野でIoT関連の需要の拡大が予測されている。
●エンジニアリングソリューション事業
エンジニアリングソリューション事業では「製造業向け3次元CAD/CAMソシューション」中心に、輸入販売、導入・技術支援、サポートなどの提供を行う。開発部門のある唯一のCAMベンダーとして、代理店との強固な関係と安定した顧客基盤を有している。
主力製品「Mastercam」はCADで設計された製品等に対し、NC工作機械で加工するためのCAMソフトウェアである。また自社開発した製造業向けのモニタリングプラットフォーム「Surve-i」も有している。
●その他
緊急地震速報の受信と同時に、事前に合意登録されている家族の最新の居場所が自動送信され安否確認ができるスマートフォン用アプリ「ココダヨ」を提供している。
2018年9月期よりNTTドコモの提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スゴ得」に採用。また2019年8月からはKDDIの同種のサービスである「スマートパス」に採用されている。
■セグメント別損益
2019年3月期のセグメント別損益は下記となっている。
2019年3月期 売上高45億円、営業利益2.6億円
・システム受託開発事業 売上高33億円、セグメント利益6.3億円
・エンジニアリングソリューション事業 売上高12億円、セグメント利益2.0億円
・その他 売上高0.3億円、セグメント利益▲0.5億円
組み込みソフトの受託開発を行うシステム受託開発事業がコア事業である。全体売上高の73%を占め、セグメント利益で6.3億円を計上。
エンジニアリングソリューション事業はシステム受託開発事業に比べ、売上・利益ベースで概ね1/3の規模であるが、黒字化しておりセグメント利益も2.0億円を計上している。
その他のスマートフォンアプリサービスは現状赤字の状態である。しかし2018年3月期のセグメント利益▲1.4億円から赤字額は減少した。
■業績推移
2017年3月期 売上高37億円、経常利益2.9億円、当期純利益3.0億円
2018年3月期 売上高40億円、経常利益1.3億円、当期純利益0.8億円
2019年3月期 売上高45億円、経常利益2.8億円、当期純利益1.8億円
2020年3月期(予想) 売上高48億円、経常利益3.0億円、当期純利益1.9億円
※2018年3月期より連結決算
年間3~5億円ペースでの増収が継続中だが、経常利益は上限3億円近辺で推移している。
今期(2020年3月期)も対前年同期比で増収増益を予想するが、Q3時点で売上高34億円、経常利益1.5億円となっている。
■財務状況
2019年3月期末時点で資産合計22億円に対し、純資産合計9.4億円、自己資本比率43%である。
借入金2.4億円に対し現預金6.8億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。資産合計22億円に対し流動資産合計17億円であり、非常に流動比率の高い資産内容となっている。
■資金使途
IPOにより4.7億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・新製品・サービスソリューションの開発費及び展示会出展費用等の広告宣伝費 1.9億円
・システム受託開発事業でのエンジニア確保のための採用費及び教育訓練費 1.8億円
・エンジニアリングソリューション事業におけるマーケティング強化費用 0.6億円
事業拡大に向けた開発や広告宣伝、人材採用費などを中心に調達資金は充当される。
■株主構成
筆頭株主(株式シェア42%)は上野社長。第2位株主(同22%)の上野大輔氏は上野社長の二親等内の血族且つ同社従業員である。上野社長及びその親族で株式シェアの63%が保有されており、安定的な株主構成である。
金融機関及びファンド系の株主参入はなく、個人中心の株主構成となっている。
■まとめ