跳ね馬の新世代FRクーペ「フェラーリ・ローマ」がついにジャパンプレミア。パワートレインには620psを発生する進化版3.9L・V8ツインターボエンジンを搭載

 フェラーリ・ジャパンは4月1日、最新FR(フロントエンジン・リアドライブ)クーペモデルの「ローマ(Roma)」を日本で初披露した。車両価格は2682万円に設定。受注はすでに開始しており、ユーザーへの納車は2020年夏以降を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により遅延の可能性が高いという。

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▲フェラーリ・ローマ 価格:2682万円 フロントビューは新しいコンセプトのグリルやシャークノーズを形作る前端、モンツァSPの流れを汲む直線的なヘッドライトなどが印象的

 「La Nouva Dolce Vita(新しい"ドルチェヴィータ=甘い生活")」をコンセプトに誕生したローマは、フェラーリ伝統のFRシリーズに加わった新世代の2+2ベルリネッタ(クーペ)である。基本的には電動ハードトップを備える「ポルトフィーノ(Portofino)」のクーペ版という位置づけだが、そのデザインやパワートレインなどにはフェラーリの最新バージョンが鋭意盛り込まれた。

 フロントミッドシップに搭載されるエンジンは、新しいカムプロフィールやタービンの回転を測定する速度センサー、選択したギアに合わせてトルク伝達量を電子制御するバリアブル・ブースト・マネジメント、サイズの縮小によって回転質量を削減したフラットプレーン式クランクシャフト、小型化を図って慣性モーメントを低減させたツインスクロールのターボチャージャーなどを採用した進化版の3855cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットで、9.45の圧縮比から最高出力620ps/5750~7500rpm、最大トルク760N・m/3000~5750rpmを発生する。また、ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)を組み込むなどして最も厳しい排出ガス基準であるユーロ6Dに適合させた。

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▲フロントミッドシップに搭載されるエンジンは進化版の3855cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットで、9.45の圧縮比から最高出力620ps/5750~7500rpm、最大トルク760N・m/3000~5750rpmを発生する

 組み合わせるトランスミッションは、SF90ストラダーレ(Stradale)で導入された新設計の8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の発展型で、高めのギアレシオ設定やリバースギアの追加(SF90ストラダーレではエレクトリックモーターをリバースに使用)などを敢行。従来の7速よりもコンパクトで約6kg軽くなり、また低粘度オイルとドライサンプ式構造によって流体力学的ロスを最小限に抑え、より素早くかつスムーズな変速を可能とする。性能面では、ポルトフィーノに比べて73kgほど軽い車重1472kgに抑えた効果もあって、最高速度が320km/h以上、0→100km/h加速が3.4秒という超一級のパフォーマンスを実現した。

 シャシー性能については、多くの基本コンポーネントを新設計したうえで、最新の電子制御デバイスを組み込んで高度なドライビングプレジャーと快適な乗り心地を高次元で両立させたことが特徴である。まず、サイドスリップを予測してコントロール系の制御システムへ伝達するSSC(サイドスリップ・コントロール)は6.0へとバージョンアップ。E-Diff、F1-Trac、SCM-E Frs、フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)といった制御を統合し、より正確で緻密なダイナミクス性能をアシストする。また、横方向のダイナミックコントロールシステムであるFDEには「Race」モードを導入。従来の「Wet」「Comfort」「Sport」「ESC-Off」と合わせて、5モードの選択を可能とした。

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▲基本フォルムはシンプルな面を基調とした優雅なファストバックスタイルで構成。リアスクリーンと一体化した可動式リアスポイラーを組み込む

 エアロダイナミクス性能にも磨きをかける。最大の注目ポイントはリアスクリーンと一体化した可動式リアスポイラーで、格納時はクーペならではのフォーマルな優美さを損なわず、高速走行時には自動で起動して効果的なダウンフォースを発生する。また、スポイラーの角度は「ロー・ドラッグ(LD)」「ミディアム・ダウンフォース(MD)」「ハイ・ダウンフォース(HD)」の3パターンに調整する仕組みとした。一方、フロントのアンダーボディには空気の流れをスムーズにするボルテックスジェネレーターを装備。リアスポイラーと合わせて、最上レベルの空力特性を具現化した。

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▲全長4656×全幅1974×全高1301mm/ホイールベース2670mm トレッド前1652/後1679mm 車重1472kg

 エクステリアに関しては、1960年代の伝統的なグランドツーリング・フェラーリからインスピレーションを受け、これを現代的に解釈したことが訴求点だ。基本スタイルはシンプルな面を基調とした優雅なファストバッククーペで構成。各部のディテールにもこだわり、新しいコンセプトのフロントグリルやシャークノーズを形作る前端、モンツァSPの流れを汲む直線的なヘッドライト、スクーデリア・フェラーリのシールドを排してシンプルかつスマートな造形としたボディサイド、前8J×20アロイホイール+245/35ZR20タイヤ/後10J×20アロイホイール+285/35ZR20タイヤの専用シューズ、コンパクトでミニマリストな形状としたうえでツインテールライト埋め込んだ独特なリアセクション、フェンスとエグゾーストエンドをきれいに組み込んだディフューザーなどを採用して、ピュアで洗練されたスタイリングを創出する。ボディサイズは全長4656×全幅1974×全高1301mm/ホイールベース2670mm、トレッド前1652/後1679mmに設定した。

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▲ドライバー側とパッセンジャー側を別々の空間で演出するセル構造のデュアルコクピットの理念を進化させたうえで、デジタル化した最新のインターフェースを採用する

 インテリアについては、ドライバー側とパッセンジャー側を別々の空間で演出するデュアルコクピットの"セル"構造の理念を進化させたうえで、デジタル化した最新のインターフェースを積極的に採用したことがトピックである。計器類は完全にデジタル化し、停止中はスクリーンがブラックアウト。ステアリング内のエンジンスタートボタンを押すと、すべてのデジタルコンポーネントが徐々に点灯して、最後にコクピット全体が輝く仕組みだ。また、インストルメントクラスターには16インチのHDスクリーンを装備した。

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▲サポート性と座り心地を両立させた上質なバケットシートを装着。前席背後には"2+"と表現する小ぶりのシートを設定

 一方、前席はセル構造で仕立てたうえで、サポート性と座り心地を高度に両立させた上質なバケットシートを装着。前席背後には、フェラーリ自身が"2+"(2+2といえるほど広いスペースではない)と表現する小ぶりのシートを設定している。

Writer:大貫直次郎

(提供:CAR and DRIVER