要旨

金融市場,テールリスク
(画像=PIXTA)

新型コロナウイルスの感染が拡大する前までは、金融市場はボラティリティが低下し、一見、平穏な「適温相場」と言われていた。

これは、グローバル経済の低成長化やサービス化、各国中央銀行による金融緩和の積極化が背景となっていると考えられる。その一方で、新型コロナウイルス感染拡大といった一般的な景気循環とは異なる出来事によるテールリスクは依然として潜在していた。

複雑な要素が絡み合う現在の金融市場においては、リスクの指標としてボラティリティだけではなく、複数の指標から多面的にリスクを評価・分析し、それに備える必要性が高まっていると言えるだろう。