【目次】
①️アイキューブドシステムズIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【6/26更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【6/29更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社アイキューブドシステムズ
- コード
- 4495
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長兼CEO 佐々木 勉 /1973年生
- 会社住所
- 福岡市中央区天神四丁目1番37号
- 設立年
- 2001年
- 社員数
- 71人(2020年4月30日現在)
- 事業内容
- 法人向けモバイルデバイス管理サービスの提供
- URL
- https://www.i3-systems.com/
- 資本金
- 100,000,000円 (2020年6月11日現在)
- 上場時発行済み株数
- 5,161,350株
- 公開株数
- 150,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/06/25→2,720~3,120円に決定
- ブックビルディング期間:2020/06/29 - 07/03
- 公開価格決定:2020/07/06→3,120円に決定
- 申込期間:2020/07/07 - 07/10
- 上場日:2020/07/15→初値9,430円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:西日本シティTT証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 大株主
- 佐々木勉 52.27%
- ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 16.72%
- 畑中洋亮 9.87%
- TNP中小企業・ベンチャー企業成長応援投資事業有限責任組合 3.86%
- NCB九州活性化投資事業有限責任組合 3.86%
- 蓑宮武夫 2.21%
- 平強 1.93%
- (株)ジャフコ 1.29%
- 大野尚 1.16%
- ビッグ・フィールド・マネージメント(株) 1.16%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/06 単体実績
976,500 76,920 75,012 -452,039 - 2018/06 単体実績
1,160,320 116,055 212,337 165,350 - 2019/06 単体実績
1,399,288 247,415 221,126 386,476 - 2020/03 第3四半期単体実績
1,198,875 357,402 311,871 698,348 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年10月12日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 4億6800万0000円(150,000株×3,120円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 172,200株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
株式会社アイキューブドシステムズ<4495>は法人向けモバイル端末の管理用ツールの開発販売を行う企業である。
■事業内容詳細
同社はiPad等のタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末を導入する法人に、モバイル端末等を管理するマネジメントサービス(管理、運用、サービス)をクラウド経由でSaaS形式にて提供している。
同社の提供サービスは、法人等の顧客の情報関連部署においてモバイル端末等を一元管理・運用するMDMサービス(※)であり、モバイル端末の利用状態の可視化、機能設定・制限、セキュリティ対策(紛失・盗難、ウイルス対応)の機能をライセンスとして提供し、またモバイル端末向けのアプリケーションのライセンスも販売している。
同社はこれらサービスを主に販売代理店(携帯キャリアや携帯電話販売代理店等)を通して、最終ユーザーである法人等の顧客に販売し、利用数に応じたライセンス料を得ている。
また同社はソフトウェア開発・ライセンス販売・サービス運用・プラットフォームの管理・カスタマーサポートの全ての業務を自社でコントロールしており、統合的な一貫体制を構築している。これによりサービスの運用やカスタマーサポートで得た知見や顧客の要望を、新たなソフトウェアの開発や既存のソフトウェアの改善に速やかに生かすことができ、それが競争力の源泉となっている。
尚、同社サービスはサブスクリプションビジネスかつ半数以上の契約は年間契約であり、継続的な収益計上が可能である。2019年6月の月次の解約率の平均値は0.29%であり、低水準に留まっている。
※MDM(Mobile Device Management)→企業などで社員が利用するスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を統合的に管理するための技術。
■サービス内容
同社では主に下記2つのサービスを提供している。
・CLOMOサービス
・SECURED APPsサービス
●CLOMOサービスについて
CLOMOサービスでは、企業・学校法人等において使用される多数のタブレット端末やスマートフォンに対し、「状態の監視機能」、「利用ルールの適用機能」、「情報漏洩対策機能」等の各機能を、顧客が担当部署にて一元管理し運用するサービスを提供している。
導入後の最終ユーザーのモバイル管理・活用を積極的に支援するサポート体制への評価も高く、大規模運用ユーザーも含め業種業態問わず採用されている。
●SECURED APPsサービス
SECURED APPsサービスはビジネスで利用する、ブラウザ・メール・スケジュール・アドレス帳・ファイル共有の5つのアプリケーションを提供している。法人向けアプリケーションに求められるセキュリティに関する要件などを満たした上で、個人向けアプリケーションと同等の使い勝手を両立させたサービスである。
■2019年6月期のサービス別及び主要顧客別売上高
2019年6月期 売上高14億円
・CLOMOサービス 売上高11億円
・SECURED APPs 売上高2.1億円
・その他 売上高1.3億円
売上全体の75%がCLOMOサービスから計上されているが、SECURED APPsサービスも年間売上2億円以上の事業規模である。
また主な2019年6月期の顧客別売上高は下記となっている。
・株式会社NTTドコモ 売上高2.5億円(割合18%)
・株式会社ティーガイア 売上高2.2億円(同16%)
・ソフトバンクグループ 売上高1.9億円(同14%)
・株式会社ソラニワ 売上高1.7億円(同12%)
携帯キャリアではNTTドコモとソフトバンクが主要顧客である。また携帯電話販売代理店である株式会社ティーガイア<3738>、モバイルソリューションサービス企業の株式会社ソラニワ向けにも、携帯キャリアと同程度の売上が計上されている。
■業績推移
2017年6月期 売上高9.8億円、経常利益0.8億円、当期純利益0.8億円
2018年6月期 売上高12億円、経常利益1.2億円、当期純利益2.1億円
2019年6月期 売上高14億円、経常利益2.5億円、当期純利益2.2億円
2020年6月期(予想) 売上高16億円、経常利益4.0億円、当期純利益3.3億円
着実な増収増益を続けており、2019年6月期は経常利益2億円の大台を突破した。今期(2020年6月期)は4億円近い経常利益(398百万円)を予想している。
今期(2020年6月期)はQ3時点で売上高12億円、経常利益3.6億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
■財務状況
2019年6月期末時点で資産合計11億円に対し、純資産合計3.9億円、自己資本比率36%である。
借入金0.8億円に対し、現預金7.2億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。尚、負債の部に顧客からの利用料の前払い金として前受収益3.4億円を計上している。
■資金使途
IPOにより4.1億円の資金調達を行い、主に下記使途を予定している。
・ソフトウェア開発費 2.2億円
・勤怠システム開発に係る研究開発費 0.5億円
・広告宣伝費 0.8億円
・教育訓練費 0.5億円
調達資金の半数は、自社サービスの提供に利用するソフトウェアの効率改善及び社内業務改善によるコスト削減を目的としたソフトウェア開発費に充当される。
■株主状況
佐々木社長が株式シェア52%を有する筆頭株主である。
第2位株主のジャフコ(本体とファンドで合計株式シェア18%)以下、VCが4名義で出資を行っており、VC比率27%である。尚、VCはIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
個人及びVC中心の株主構成である。
■まとめ