「自分の時間がなくて、やりたいことができない」「色々と先延ばしにしたまま、月日だけが過ぎていく」……。このような「目標達成」に関する悩みを抱えて、日々悶々と過ごしている人は多いのではないでしょうか。
しかし、全国最年少(当時)で市議会議員に当選し、コンサルタントとして数々のプロジェクトを成功に導き、現在はAibnb Japan株式会社の執行役員を務める長田英知氏によれば、どんな目標も「100日」の実行計画を立てれば達成できる、と言います。
そこで今回は、そんな長田氏の著書『たいていのことは100日あれば、うまくいく。』(PHP研究所)の中から、目標設定が劇的にラクになる「7つのコツ」について語っていただきました。
目標設定のコツ1:目標設定は「SMART」に行うべし
目標を立てる上で参考になるのは、「SMART」という考え方です。これは「目標設定において重要な5つのポイント」のそれぞれの頭文字を取ったもので、その中身は次のようなものです。
・ポイント1:Specific(具体的に)
誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す
・ポイント2:Measurable(測定可能な)
目標の達成度合いが判断できるよう、その内容を定量化して表す
・ポイント3:Achievable(達成可能な)
希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する
・ポイント4:Related(目的に即した)
設定した目標がその先に達成しようとしている目的に即したものである
・ポイント5:Time-bound(時間制約がある)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する
わかりやすく言えば、自分が目標設定したとき「この目標は具体的か?」「測定可能か?」「達成可能か?」「(その先にある)目的に即しているか?」「期限は定めているか?」という5つの質問をすることで、不備のない目標設定をすることができるのです。
目標設定のコツ2:達成可能性を「自分で測るクセ」をつける
中でも特に判断が難しいのはポイント③の達成可能性の評価です。人は自分のことを過小評価、あるいは逆に過大評価しがちな生き物です。したがって、達成可能性を自分だけで適正に判断するのは難しいものがあります。
しかしそれでも、今の自分が達成可能だと思う目標を、自分の意思と判断で設定していくことには、大きな意味があります。仮に最初は適切な目標設定に失敗したとしても、自分で自分を評価する試みを何度も繰り返すことによって、自分のことをより良く理解できるようになり、実現可能で「身の丈に合った」目標を設定できる肌感覚を自分の中に確立することができるようになるのです。
私たちにとって大切なのは、目標の達成によって、その先にある目的を達成し、自己受容や自己肯定感を醸成し、自身の生活を豊かにしていくことにあります。実現不可能な目標を立てて自己肯定感を失うことのないよう「自分が適切な努力を行えば十分に達成できるライン」を自分自身で把握することも、重要な視点の1つなのです。
目標設定のコツ3:他人からの評価を目標達成の判断軸としない
目標を設定する際の3つ目のコツは、目標を達成できたかどうかを他者の主観的な判断に委ねないということです。
例えばダイエットを目標としたとき、〇〇キロやせる、あるいはウエストを△△センチにするといった目標は客観的に数値化された指標です。したがって、「2キロやせたから目標の3キロまであと1キロ」というように、進捗を評価することも容易です。
しかしダイエットの目標を、彼氏に「やせたね」と褒められること、と誰かの主観に基づく基準で設定したらどうなるでしょう。彼氏に「あとちょっとだね!」と言われたとしても、どれだけやせれば褒められるのかは判断できません。さらに言えば、彼氏のその日の気分によって、今日思うことと明日思うことは異なっているかもしれません。これは極端な例かもしれませんが、いずれにしても他者の主観的な判断は、往々にして測定が難しく、また日によってぶれるものとなりがちです。
私たちは他人の評価や行動をコントロールすることはできません。どんなに素晴らしい成果を上げたとしても、必ず褒められ、評価されるとは限らないのです。だからこそ目標を立てるときは必ず客観的に評価されるものを選択しましょう。