2020年11月11日12時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米大統領選からちょうど1週間が経過している。トランプ大統領は不正投票があったとして徹底抗戦の構えだが、マーケットはバイデン氏勝利を背景にリスクオンの展開だ。トランプ大統領が敗北を受け入れていない為、局地的にはリスクオフの展開はあるかもしれないが、不正に対して明確な証拠がない限り、マーケットはバイデン政権を意識した展開になるだろう。また、9日(月)に米ファイザーが開発する新型コロナウイルスのワクチンに予防効果があると伝わったこともリスクオンに拍車をかけており、クロス円は上昇、米ドル/円も105円台まで大幅に上昇している。一方、英EU交渉に関しても最終段階に入ったとされており、合意期待からポンドは高値を更新する展開だ。合意の有無は別として離脱期限が迫るなか、ヘッドラインに反応しやすい地合いなだけに欧州通貨の値動きにも注視したい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

短期勢を中心に米ドル/円のショートポジションがかなり溜まっていたので、9日(月)の強烈な大陽線は売り方の戦意を喪失させた。コロナウイルスのワクチン開発次第では米長期金利の大幅上昇からもう一段のドル高に警戒しなくてはならないかもしれない。バイデントレードによるリスクオンのドル安やFRBの異次元緩和から、米ドル/円は中期的に見て下値余地は十分あるが、現時点では中立スタンスで様子を見たい。ポンドはヘッドラインに対して感度がいいが、ボラティリティが出ているのでポジションサイズには注意したい。ポンドの戦略としては、短期でトレンドが出た方向についていくスタンスだ。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。