「老後資金2000万円問題」が表面化してから、多くの人が投資に関心を持つようになった。しかしその一方で、「まとまった投資資金がない」「損をするのが怖い」など、投資に関心はあるものの躊躇してしまう人も少なからずいるだろう。現金での投資が不安な人には、日常の買い物で付与されるポイントを使った投資をおすすめしたい。

現金の投資よりも負担が少ないポイント運用・ポイント投資

「ポイント運用」と「ポイント投資」ってどう違うの?
(画像=west_photo / stock.adobe.com)

一昔前まで、投資は敷居の高いものだった。これは「まとまった資金がないとできない」というのが大きな理由だ。しかし最近は、ポイントによる投資など、まとまった資金がなくても投資にチャレンジできるようになってきている。

ポイントによる投資とは、文字通り、買い物やサービスの購入で付与されたポイントで資産運用をすることをいう。通常の投資のように投資資金がなくても、日常の消費生活で付与されたポイントで投資ができるのだ。なお、後述するが、ポイントによる投資には「ポイント運用」と「ポイント投資」の2つがある。

ポイントによる投資と通常の投資の違いとは ? どんな人に向いている ?

ポイントによる投資と、通常の株式や投資信託などの投資の大きな違いは「元手」だ。ポイントによる投資の元手は、日常の消費生活で自然に付与されるポイントである。そのため、投資をするためにわざわざ貯金したりお金を借りたりする労力をかけずに済む。見方を変えれば「生活の余剰で生まれたポイントを投資に回す」だけなので、仮に損をすることがあっても生活にダメージはない。

ただし、たいていのポイント投資は通常の投資に比べて金額が低いため、大きく儲けられる可能性はほとんどないといえる。また、投資先も限定される。

現在の生活により潤いを与えたい人やポイントを集めるのが好きな人、投資が初めての人が試しに始めるには向いている投資手段だといえるだろう。

ポイント運用とポイント投資の違いとは ?

先ほど触れた通り、ポイントによる投資にはポイント運用とポイント投資の2つがある。いずれも元手がポイントという点では同じだが、投資スタイルが異なる。

●ポイントのまま運用していくポイント運用

ポイント運用とは、ポイントを現金化せず、ポイントのまま運用していく方法である。ポイントの提供企業が用意した「株式コース」「投資信託コース」といった投資先で運用し、株式や投資信託の値動きと共にポイントが増減するというしくみになっている。証券会社の口座で運用するわけではないので、投資そのものというよりも投資のシミュレーションを体験するという形だ。

直接金融商品を買い付けなくて済むため、証券口座の開設をする必要がなく、かつ手数料もかからないといったメリットがある。一方で、選べる投資先は非常に少ないというのがデメリットとして挙げられる。

●ポイントを現金化して投資するポイント投資

ポイント投資とは、手持ちのポイントを証券会社で現金化し、そのお金で株式や投資信託などに投資をする方法だ。特定口座、一般口座、NISA口座いずれも利用可能である。少額だが、現金化した後は通常の金融投資と同じ形で進める。そのため「より本格的な投資ができる」というメリットがある。また、金額によっては株主優待を受けることも可能だ。

しかしデメリットもあり、ポイント運用より投資先は多いものの、通常の投資に比べて投資先の選択肢が狭いことがその一つとして挙げられる。取引額が小さいため、手数料も割高になる。さらに、証券会社の口座で現金化してから投資を行うため、運用益は所得税の課税対象となる。源泉徴収ありの特定口座で運用するのでなければ、確定申告が必要になるので覚えておきたい。

ポイント経済圏を上手に活かして資産を築こう

ポイント運用もポイント投資も、自分の預貯金や生活のためのお金を切り崩さなくても資産運用ができる点が最大の強みである。最近はポイント経済圏があちこちに登場しているため、一つのポイントに特化して日常の買い物、旅行やホテルの予約を行えば、投資に充てるポイントを貯めやすくなるだろう。

「複数あるクレジットカードを一つにまとめる」「主に使うポイントを絞る」といった工夫をすれば、ポイントで資産を増やすことができるようになるかもしれない。

(提供:大和ネクスト銀行


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