つみたてNISAの口座を開設した後に必要になるのが投資信託の銘柄選びです。つみたてNISAでは、安定的な資産形成を目的とした長期・積立・分散投資に適した商品が提供されています。しかし投資初心者にとって、投資信託の銘柄選びは簡単ではありません。そこで本記事では、投資初心者が知っておきたい投資信託の銘柄の選び方および気をつけたいポイントについて説明します。

つみたてNISAで購入できる銘柄とは

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(画像=yukahashimoto/stock.adobe.com)

つみたてNISAは、投資初心者をはじめ幅広い年代層の人に長期的な資産形成を支援することを目的に設定された制度です。つみたてNISAで購入できる金融商品は「手数料が低水準」「頻繁に分配金が支払われない」など長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場投資信託(ETF)に限定されています。まずはそれぞれの特徴を知っておきましょう。

公募株式投資信託

広く一般に募集される投資信託のうちポートフォリオ(運用対象)に株式を組み入れられるものです。なお公募株式投資信託には、指定インデックス投資信託やアクティブ運用投資信託などがあります。

・指定インデックス投資信託
日経平均や東証株価指数(TOPIX)など、指定されたインデックスと同じような動きをすることを目指して運用される投資信託です。

・アクティブ運用投資信託
インデックス投資信託以外の投資信託で、インデックスを上回る結果を目指して運用される投資信託です。

上場投資信託(ETF)

投資信託のうち、証券取引所に上場しているもの。

これらのうち金融庁の指定を受けたものだけが金融機関によって提供されています。2020年10月16日時点で指定されているのは、指定インデックス投資信託158本、アクティブ運用投資信託等19本、上場株式投資信託(ETF)7本です。ちなみにつみたてNISAを取り扱っている金融機関のすべてがこれらのすべて(184本)の投資信託を提供しているわけではありません。

例えばETFは証券会社のみで提供されており、銀行でつみたてNISA口座を開設した場合には購入できません。このように提供している投資信託の銘柄は金融機関ごとに異なることは知っておきましょう。

投資信託の銘柄選びのポイント

実際にどの投資信託を選べばいいかは人それぞれの投資方針によって異なりますが、チェックするべきポイントは主に以下の4つです。

・投資対象
投資対象とは、簡単に言うと「その投資信託が何(どんな運用商品)に投資しているか」ということです。投資対象は大きく分けて「株式型」「債券型」「バランス型(株式と債券両方に投資)」があり、投資対象によって運用成果やリスクが異なります。一般的にリスクとリターンの大きさは、「株式型>バランス型>債券型」の順です。

・アクティブ運用かインデックス運用か
前述した通りアクティブ型とインデックス型では目指している運用が異なります。一般的には高い運用成果(リターン)を求めるほどリスクも大きくなる傾向です。またアクティブ型とインデックス型では手数料も異なり、一般的にはアクティブ型のほうが手数料は高めに設定されています。

・手数料
つみたてNISAの運用から得られる利益は、最長20年間非課税になり投資信託を長期で保有するほどそのメリットも膨らみます。一方で保有期間中は継続的に運用管理手数料(信託報酬)がかかるため注意が必要です。つみたてNISA対象の投資信託は、信託報酬も低めのものに限定されていますが長期で保有するほど手数料の差が大きく開きます。

信託報酬は、投資信託ごとに異なるため、目論見書などでしっかりと確認することが大切です。

・純資産総額
純資産総額とは、簡単に言うと投資信託が運用しているすべての金額のことです。つまり、純資産総額が大きいほど投資家から集めたお金が多いことを意味し、運用資産が順調に膨らんでいるとも考えられます。ある程度純資産総額があるファンドのほうが効率的な運用ができるのではないか、と言われています。

初心者はバランスを考えた銘柄選びをしよう

つみたてNISAの最初の1本としておすすめなのがバランスの取れた銘柄を選ぶことです。例えばリスクとリターンのバランス。人それぞれにリスク許容度や期待するリターンは異なりますが、リスクとリターンのバランスが取れているものを選ぶといいでしょう。

また、投資対象のバランスを見ることも大切です。具体的には、投資対象のうち株式と債券の割合や投資対象国のバランスです。

例えば国内株と外国株が何%ずつ含まれているでしょうか。外国株(債券)には、先進国や新興国に投資するものがあるため、これらのバランスも確認することが必要です。手数料と期待リターンのバランスも確認しておきましょう。一般的に期待リターンの大きいものほど手数料も高い傾向です。せっかくリターンがでても高い手数料が取られるのでは手元に残る利益は少ししかなくなります。

はじめの1本ほど大切に長期保有を心がけよう

銘柄を選ぶ際にチェックするべきポイントを見てきました。どんなに厳選して選んでも、投資信託は経済情勢などによって価格が上下するものです。そこで大切なのは、投資信託の値動きに一喜一憂しないこと。つみたてNISAは、低コスト・低リスク・低資金で、最長20年間非課税で運用できる制度です。しっかりと選んで購入した1本を大切に長く保有していくことで、メリットを最大限に享受できるのではないでしょうか。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。(提供:Wealth Road