三菱UFJニコスのクレジットカードブランド・三菱UFJカードは、銀行系クレジットカードと信販系クレジットカード両方の性格を持ち、サービス・特典にそれが反映されている。ここでは、代表的な5枚を取り上げて比較する。自分にとってベストな1枚を選ぶのに必要な情報を網羅しよう。

目次

  1. 1,三菱UFJカード5種の審査基準
    1. 入会基準
    2. 推定される審査基準
  2. 2,三菱UFJカード5種の年会費を比較
    1. 年会費
  3. 3,三菱UFJカード5種のポイント還元率を比較
    1. ポイント還元率
    2. グローバルポイントの交換対象
    3. ポイントアップ方法について
  4. 4,三菱UFJカード5種共通のメリット
  5. 5,三菱UFJカード5種のメリット
    1. 5-1,三菱UFJカード スマート……年会費実質無料カード
    2. 5-2,三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)……グローバルPLUS適用でポイントをためやすい
    3. 5-3,三菱UFJカード ゴールド……空港ラウンジも使える廉価版ゴールド
    4. 5-4,三菱UFJカード ゴールドプレステージ……旅行傷害保険は海外・国内とも家族特約付き
    5. 5-5,三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード……コストパフォーマンスのよいプラチナカード
  6. 6,どの三菱UFJカードを選ぶべきか?

1,三菱UFJカード5種の審査基準

クレジットカード,mufg,比較
(画像=Visual Content/stock.adobe.com)

三菱UFJカードは三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJニコスのクレジットカードブランド。前身となっている企業の1つに日本信販(NICOS)があり、銀行系クレジットカードとしての顔を持ちつつ、信販系クレジットカードの印象も強い。

三菱UFJカードブランドのカードには航空系をはじめ、提携カードも数多くある。高還元率で知られる「リクルートカード」などもその1つに挙げられるが、ここではそうした提携カードは除き、代表的なものを5枚選び紹介しよう。

取り上げるのは、

  • 「三菱UFJカード スマート」
  • 「三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)」
  • 「三菱UFJカード ゴールド」
  • 「三菱UFJカード ゴールドプレステージ」
  • 「三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」

……の5種となる。まずはそれぞれの審査基準から紹介しよう。

入会基準

公表されている「申し込み資格」は次のとおりである。これは審査基準ではないので、この条件を満たしているだけで審査に通るわけではないが、審査難易度を計る目安にはなるはずだ。

カード名 入会条件
三菱UFJカード スマート 18歳以上で安定した収入のある方、
または18歳以上で学生の方(高校生を除く)
三菱UFJカード
(ディズニー・デザイン)
[学生]18歳以上で学生の方(高校生を除く)
[社会人]18歳以上で安定した収入のある方
三菱UFJカード ゴールド 18歳以上で安定した収入のある方(学生を除く)
三菱UFJカード ゴールド
プレステージ
20歳以上で安定した収入のある方(学生を除く)
三菱UFJカード・プラチナ・
アメリカン・エキスプレス・
カード
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

推定される審査基準

審査基準そのものは非公開となっているため、ここでは口コミ情報から推測される審査基準を紹介しよう。

カード名 推測される審査基準
三菱UFJカード スマート 年収100万円以上
三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)
三菱UFJカード ゴールド 年収200万円以上
三菱UFJカード ゴールドプレステージ 年収300万円以上
勤続1~3年以上
三菱UFJカード・プラチナ・
アメリカン・エキスプレス・カード
年収400万円以上
勤続3~5年以上
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

年収条件は、「三菱UFJカード スマート」「三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)」では年収100万円以上で審査通過の可能性があると考えられている。これは、銀行系・信販系クレジットカードとしては非常に低い水準といっていいだろう。「安定した収入」とあるが、とにかく仕事をしていればパート・アルバイトでもOKのようだ。

「三菱UFJカード ゴールド」もゴールドカードとしては低い審査基準だが、作りやすいということは逆にいえばステータス性はそう高くないともいえる。

一方、ゴールドとプラチナの中間に当たる「三菱UFJカード ゴールドプレステージ」は一般的なゴールドカードの審査基準に近く、またカード自体のスペックも一般のゴールドカードの水準となっている。

最後に「三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」は、年収400万円以上とそれなりに高い年収条件となっているが、それでも一般的なプラチナカードに比べると低めの水準にとどまっている。

――以上のことから、三菱UFJカードは総じて審査基準が緩めの作りやすいクレジットカードと考えてよさそうだ。

2,三菱UFJカード5種の年会費を比較

次に各カードの年会費とポイント還元率を紹介しよう。

年会費

三菱UFJカード5種の年会費は次の表のとおりだ。

カード名 年会費(税込)
三菱UFJカード スマート 1,100円
家族会員440円
※初年度年会費無料
※条件クリアで次年度無料
※本会員は年会費優遇制度あり
三菱UFJカード
(ディズニー・デザイン)
1,375円
家族会員440円
※初年度年会費無料
※本会員は年会費優遇制度あり
三菱UFJカード ゴールド 2,095円
家族会員1名無料、2人目より1名につき440円
※初年度年会費無料
※本会員は年会費優遇制度あり
三菱UFJカード ゴールドプレステージ 1万1,000円
※初年度年会費無料(オンライン入会限定)
※本会員は年会費優遇制度あり
家族会員無料
三菱UFJカード・プラチナ・
アメリカン・エキスプレス・カード
2万2,000円
※本会員は年会費優遇制度あり
家族会員1名無料、2人目より1名につき3,300円
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

プラチナカード以外はいずれも初年度年会費が無料となる。また、年会費優遇制度として、自動リボ払いサービス「楽Pay」に登録の上、1年間のうちに1度以上リボ払い手数料が発生すると年会費が割引される仕組みにも注目したい。

「楽Pay」では、ショッピング利用分が自動的にリボ払いになってしまうため、優遇条件を満たすため以外にリボ払い手数料を支払いたくないなら、毎月の支払金額の調整(最高10万円)や繰り上げ返済を行う必要がある。

そうした面倒さはあるものの、年会費の割引額はそれなりに大きいので上手に利用できるとメリットは大きい。優遇適用時の年会費は次の表のようになる。

カード名 優遇適用時の年会費(税込)
三菱UFJカード スマート 550円
三菱UFJカード(ディズニー・デザイン) 687円
三菱UFJカード ゴールド 1,047円
三菱UFJカード ゴールドプレステージ 8,000円
三菱UFJカード・プラチナ・
アメリカン・エキスプレス・カード
1万9,000円
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

――このうち「三菱UFJカード ゴールド」はいわゆる廉価版ゴールドに当たり、空港ラウンジサービスが7空港しか対象になっていないなど、フルスペックのゴールドカードと比べると物足りない印象がある。しかし、よく利用する空港が対象になっているなら、年会費優遇により1,000円程度の年会費でラウンジを利用できることになり、かなりコストパフォーマンスが高いカードといっていいだろう。

また、「三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」も年会費優遇が適用された場合、世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」付きのプラチナカードを、2万円を切る年会費で使えることになり、やはりお得感が大きい。

3,三菱UFJカード5種のポイント還元率を比較

次に各カードのポイント還元率を比較しよう。

ポイント還元率

クレジット利用でたまるポイントは下表のようにカードにより異なる。

カード名 ポイントプログラム名 ポイント還元率
三菱UFJカード スマート 三菱UFJカード スマート
ポイントプログラム
4%
三菱UFJカード
(ディズニー・デザイン)
グローバルポイント 約0.5%
※グローバルポイントの金額相当額表記は、1ポイントあたり5円相当の商品に交換した場合です。交換商品により、換算額が異なります。
三菱UFJカード ゴールド
三菱UFJカード ゴールドプレステージ
三菱UFJカード・プラチナ・
アメリカン・エキスプレス・カード
三菱UFJカード・アメリカン・
エキスプレス・カード
グローバルポイント
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

「三菱UFJカード スマートポイントプログラム」はたまったポイントが自動的にキャッシュバックされる仕組みとなっており、ポイント還元率は0.4%だ。一方、「グローバルポイント」と「三菱UFJカード・アメリカン・エキスプレス・カード グローバルポイント」は、交換対象によって1ポイント当たりの価値が違ってくるため、ポイント還元率は約0.5%となる。(※グローバルポイントの金額相当額表記は、1ポイントあたり5円相当の商品に交換した場合です。交換商品により、換算額が異なります。)

グローバルポイントの交換対象

「グローバルポイント」「三菱UFJカード・アメリカン・エキスプレス・カード グローバルポイント」では、クレジット利用1,000円につき1ポイントが付与される。ためたポイントは賞品交換の他、500ポイント以上1ポイント単位で1ポイント→4円のレートでキャッシュバックできる。また、他社ポイントやマイルへの移行、ギフト券への交換も可能だ。ポイント交換対象の一部を次に紹介しよう。

交換対象ポイント・マイル 必要ポイント・額面 交換対象ポイント数
Pontaポイント 200ポイント 800ポイント
Tポイント
dポイント
WALLETポイント
nanacoポイント 200ポイント 600ポイント
WAONポイント
JALマイル 200ポイント 400マイル
Amazonギフト券 4,000円分 1,000ポイント
図書カードNEXT
マックカード商品券
スターバックスカード 2,000円分 650ポイント
QUOカード 3,000円分 850ポイント
三菱UFJニコス ギフトカード 2万5,000円分 5,050ポイント
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

――ポイント還元率をなるべく上げたければ、ここで挙げた中では約0.5%還元となる「三菱UFJニコス ギフトカード」への交換がおすすめだ。(※グローバルポイントの金額相当額表記は、1ポイントあたり5円相当の商品に交換した場合です。交換商品により、換算額が異なります。 )

ポイントアップ方法について

ポイント還元率0.3%~0.5%は、決して高い方ではない。ただし、ポイントアップ方法がいくつか提供されているので、工夫次第では高還元率を目指すことも可能だ。次に、ここで紹介したカードで提供されるポイントアップの仕組みを紹介しよう。

・ポイント優遇サービス
入会3ヵ月間ポイント2倍~3倍、海外利用分ポイント2倍、携帯電話料金分ポイント2倍、入会初年度のみ国内利用がポイント1.5倍、指定した「記念月」にポイント1.5倍~2倍……などのポイントアップが提供される。

・グローバルPLUS
1年間のショッピング利用金額に応じて、翌1年間ポイントアップされる仕組みだ。ただし、「三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)」は、月間のショッピング利用金額に応じて当月分がポイントアップされる。

  1年間のショッピング
利用金額
100万円以上
1年間のショッピング
利用金額
50万円以上
100万円未満
三菱UFJカード ゴールド
三菱UFJカード ゴールド
プレステージ三菱UFJカード・
プラチナ・アメリカン・
エキスプレス・カード
翌1年間、基本ポイントが
50%分のポイントアップ
翌1年間、基本ポイントが
20%分のポイントアップ
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)
  月間のショッピング
利用金額 10万円以上
月間のショッピング
利用金額
3万円以上〜10万円未満
三菱UFJカード
(ディズニー・デザイン)
翌1年間、基本ポイントが
50%分のポイントアップ
翌1年間、基本ポイントが
20%分のポイントアップ
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

・プレミアムスタープログラム
ゴールドランク以上のカードでは、カード利用などにより年間最大2個まで「★」がたまり、その累積個数が5個になると「ファイブスターメンバー」として優遇特典を受けられる。ある種の長期利用特典と考えていいだろう。「ファイブスターメンバー」になると、年間のショッピング利用額に応じて、その翌年にボーナスポイントがプレゼントされる。

前年1年間の
ショッピング利用金額
優遇内容
100万円以上 前年1年間に獲得した基本ポイントの
20%がボーナスポイントとしてプレゼントされる
50万円以上100万円未満 前年1年間に獲得した基本ポイントの
10%がボーナスポイントとしてプレゼントされる
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

・POINT名人.com
ポイントサイト「POINT名人.com」を経由したネットショッピングにより2倍~最大25倍のポイントがたまる。登録されているサイトは楽天市場、Yahoo!ショッピング、ビックカメラ.com、じゃらんなど多数。

――以上に紹介した各ポイントアップ方法のカードごとの対応は次のようになる。

  三菱UFJカード
スマート
三菱UFJカード
(ディズニー・
デザイン)
三菱UFJカード
ゴールド
三菱UFJカード
ゴールド
プレステージ
三菱UFJカード
プラチナ・
アメリカン・
エキスプレス・
カード
入会3ヵ月間
ポイント
倍付け
2倍 3倍
海外利用分
ポイント2倍
※アメリカン・
エキスプレス
のみ
 
携帯電話
料金分
ポイント2倍
入会初年度のみ
国内利用が
ポイント
1.5倍
指定した
「記念月」に
ポイント倍付け
1.5倍 2倍 2倍
グローバル
PLUS
プレミアム
スター
プログラム
POINT
名人.com
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

どれがお得とは単純に言い切れないが年会費との兼ね合いから考えて、カード利用がそこまで多くないなら年会費実質無料の「三菱UFJカード スマート」を選べばいいだろう。

一方、月に10万円以上の利用があるなら、「三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)」か「三菱UFJカード ゴールド」の方が年会費分を差し引いてもなお「三菱UFJカード スマート」より多くのポイントを獲得できる。

「三菱UFJカード ゴールドプレステージ」と「三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」は年会費がグッと高額になるので、ポイント面だけでなく他のサービス・特典の要・不要で判断した方がいいだろう。

4,三菱UFJカード5種共通のメリット

次に三菱UFJカードに共通する優待などのメリットについて主なものをまとめて紹介しよう。

サービス・優待名 サービス・優待内容
ツアーデスク 国内外のパッケージツアーが最大5%オフ
海外アシスタンス
サービス
世界各地のサービス窓口「ハローデスク」で
レストランや現地観光ツアーの予約などに対応。
JCBブランドはJCBプラザ・JCBプラザラウンジの
利用となる
国内レンタカー優待
※アメリカン・
エキスプレスを除く
トヨタレンタカー、ニッポンレンタカー、
日産レンタカー、オリックスレンタカーで5%オフ。
MMCレンタカー(沖縄はOTSレンタカー)で25%オフ
海外レンタカー優待 アメリカン・エキスプレスブランドでは
ハーツレンタカー、アラモレンタカー、
ダラーレンタカーで優待価格が適用。
他のブランドではその3つに加えてエイビスレンタカー、
バジェットレンタカーも優待価格となる
海外おみやげ
宅配サービス優待
海外旅行の出発前に注文したおみやげを
帰国後に宅配で受け取れるサービスを
全商品10%オフで利用できる
スーツケース
レンタルサービス
スーツケースレンタルを優待価格&
往復送料無料で利用可能。
変換プラグ・変圧器・スーツケースベルト
3点の無料レンタル特典も付帯する
海外Wi-Fiルーター
レンタルサービス優待
海外用Wi-Fiルーターレンタルを20%オフで利用可能。
さらに通常500円の受渡手数料が無料になる
チケットサービス コンサートやミュージカルなどの優待割引公演や特典
(公演グッズや食事など)付き公演が提供される
ゴルフデスク 全国約1,000ヵ所のゴルフ場を手数料無料で予約代行
ファイナンシャル
プランナー
無料保険相談サービス
ファイナンシャルプランナーや
ライフコンサルタントが無料で
相談に応じてくれるサービス
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

さらに、三菱UFJ銀行を支払口座に指定しており利用代金の引落があれば、同行「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」におけるATM手数料優遇などの優待が提供される。カードごとの優待適用の有無は次のとおりだ。

  三菱UFJ
カード
スマート
三菱UFJ
カード
(ディズニー・
デザイン)
三菱UFJ
カード
ゴールド
三菱UFJ
カード
ゴールド
プレステージ
三菱UFJ
カード・
プラチナ・
アメリカン・
エキスプレス・
カード
三菱UFJ銀行
ATM手数料
無料
提携先コンビニ
ATM利用
手数料無料
月2回まで 月2回まで 月2回まで 月2回まで 月3回まで
「三菱UFJ
ダイレクト」
他行あて
振込手数料
無料
月3回まで
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

その他、ここで紹介しているカードのうち「三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)」を除き、三菱UFJフィナンシャル・グループ各社が提供する特典も利用できる。

会社名 特典名 特典内容
三菱UFJ銀行 住宅ローン金利優遇 新規借入となる住宅ローンの
金利が優遇される
三菱UFJ信託銀行
※「三菱UFJカード
スマート」は対象外
「三菱UFJ信託ダイレクト」
会員登録でグローバル
ポイントプレゼント
「三菱UFJ信託ダイレクト」
(インターネットバンキングなど)
会員登録でグローバルポイント
100ポイントが贈呈
ワールド
カレンシー
ショップ
店頭での外貨キャッシュ
ご購入レートの優遇サービス
外貨購入時に優遇レートが適用
三菱UFJ不動産販売
※「三菱UFJカード
スマート」は対象外
不動産売買取引で
グローバルポイント
プレゼント
ご所有不動産(住宅)の
簡易価格査定サービス
売買代金2,000円につき、
グローバルポイント
1ポイントが贈呈
(上限2万ポイント)
所有不動産(住宅)の
価格査定を無料で
受けることができる
三菱UFJモルガン・
スタンレー証券
「株主優待一覧」
プレゼント
新規証券取引(株式・債券など)の
相談のための来店時、記念品として
「株主優待一覧」が贈呈
(※三菱UFJカードのホームページを元に筆者作成)

――トラベル関係を中心に基本的なサービスや優待がそろっており、また、三菱UFJ銀行のATM手数料優遇などもメリットとなっている。この点については、信販系クレジットカードと銀行系クレジットカードのいいとこ取りになっている印象だ。

5,三菱UFJカード5種のメリット

それでは、個々のカードそれぞれのメリットを解説しよう。

5-1,三菱UFJカード スマート……年会費実質無料カード

・年1回の利用で年会費無料
年会費は初年度無料だ。次年度以降も前年に1回以上のショッピング利用があれば無料となるので、年会費は実質無料といっていいだろう。

・ポイントは自動でキャッシュバックされる
クレジット利用1,000円ごとに4ポイントがたまり、たまったポイントは1ポイント→1円として年1回自動でキャッシュバックされる。キャッシュバックがある月にショッピング利用分の請求がある場合は、そこから自動的に差し引きされる形となる。

・入会3ヵ月間はポイント2倍
入会3ヵ月間はポイント2倍(0.8%還元)となるので、高額のショッピングの予定に合わせて入会するとポイントがたまりやすい。

・携帯電話利用料金はポイント2倍
携帯電話利用料金(NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル)の支払い分はポイント2倍(0.8%還元)となる。

・アメリカン・エキスプレス独自の優待も
国際ブランドにアメリカン・エキスプレスを選択すると、アメリカン・エキスプレス独自の優待店やチケットサービス、ポイントアップ店などのサービスを利用できる。また、海外利用分がポイント2倍(0.8%還元)となる。

・旅行傷害保険とショッピング保険が付帯
旅行代金をカード払いすると、海外・国内とも最高2,000万円の旅行傷害保険が付帯する(利用付帯)。また、海外利用分と、国内での分割払いやリボ払い、「楽Pay」登録中のショッピング利用に対して年間100万円限度のショッピング保険が適用される。

――クレジット利用額に応じたポイントアップはないので、たまにしかカードを使わない人が年会費負担を気にせず持っておくのに適したカードといっていいだろう。ただし、年に1回は使わないと年会費がかかってしまうのでその点には注意したい。

また、年会費実質無料のカードとしては付帯保険が比較的充実しており、さらに三菱UFJカード共通のサービスも利用できるので、サブカードとしても重宝する1枚だ。

年会費(税込) 1,100円
家族会員440円
※初年度年会費無料
※条件クリアで次年度無料
※本会員は年会費優遇制度あり
国際ブランド VISA
MasterCard
JCB
アメリカン・エキスプレス
ポイントプログラム 三菱UFJカード スマートポイント
ポイント還元率 0.4%
空港ラウンジサービス
付帯保険 最高2,000万円の海外旅行傷害保険(利用付帯)
最高2,000万円の国内旅行傷害保険(利用付帯)
年間100万円限度のショッピング保険
(国内利用分は分割払い・リボ払い時・
「楽Pay」登録中のみ)
(※三菱UFJカード スマートのホームページを元に筆者作成)

5-2,三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)……グローバルPLUS適用でポイントをためやすい

・入会3ヵ月間ポイント3倍
入会3ヵ月間(最長4ヵ月間)はポイント3倍(約0.9%~1.5%還元)となるので、高額なショッピングのタイミングに合わせて入会すると効率よくポイントをためられる。

・グローバルPLUS
月間のショッピング利用額に応じて最大50%のポイントアップが適用される(最大約0.75%還元)。

・JCBプラザ/JCBプラザラウンジ
世界各地の主要都市のサービス窓口JCBプラザで日本語によるサポート(観光情報、レストラン・オプショナルツアーなどの予約、緊急時対応など)を受けられる。また、一部の主要都市には旅の合間のくつろぎ空間として「JCBプラザラウンジ」が設置されている。

・海外旅行傷害保険とショッピング保険が付帯
旅行代金のカード払いにより、最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯(利用付帯)される。ただし、入会次年度以降は年間ショッピング利用額に応じて最高補償金額が決定。年間20万円以上で最高2,000万円、20万円未満では最高100万円の補償内容となる。

その他、海外利用分と、国内での分割払いやリボ払い、「楽Pay」登録中のショッピング利用に対して年間100万円限度のショッピング保険が適用される。

――国内旅行傷害保険が付帯しないなど、「三菱UFJカード スマート」に比べると少し物足りない内容となっている。ただし、年間利用額がそれなりに多いならグローバルPLUSの適用によりポイントをためやすいカードとなる。もちろんディズニーファンにもおすすめできるカードだ。

年会費(税込) 1,375円
家族会員440円
※初年度年会費無料
※本会員は年会費優遇制度あり
※学生は在学中無料(家族カード申し込みは不可)
国際ブランド JCB
ポイントプログラム グローバルポイント
ポイント還元率 約0.5%※
グローバルポイントの金額相当額表記は、1ポイントあたり5円相当の商品に交換した場合です。交換商品により、換算額が異なります。
空港ラウンジサービス
付帯保険 最高2,000万円の海外旅行傷害保険(利用付帯)
※年間カード利用額20万円以上で
次年度最高2,000万円/20万円未満で次年度最高100万円
年間100万円限度のショッピング保険
(国内利用分は分割払い・リボ払い時・「楽Pay」登録中のみ)
(※三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)のホームページを元に筆者作成)

5-3,三菱UFJカード ゴールド……空港ラウンジも使える廉価版ゴールド

・7空港対象の空港ラウンジサービス
国内6空港(成田国際空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港、新千歳空港、福岡空港)とハワイ・ホノルルの空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)のラウンジを無料で利用が可能だ。

・アニバーサリーポイント、グローバルPLUS、プレミアムスタープログラム
「アニバーサリーポイント」として、入会時に指定した記念月のショッピング利用分がポイント1.5倍になる(最大約0.75%還元)。

また、年間ショッピング利用金額に応じて次年度にポイントアップするグローバルPLUS、長期利用と年間ショッピング利用金額に応じて年に1回ボーナスポイントを受け取れるプレミアムスタープログラムを利用できる。

・旅行傷害保険と国内渡航便遅延保険、ショッピング保険が付帯
旅行代金のカード払いの有無にかかわらず、最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯(自動付帯)される。ただし、次年度以降は年間ショッピング利用額20万円以上で最高2,000万円、20万円未満で最高100万円の補償内容となる。

国内に関しては旅行代金をカード払いした場合に最高2,000万円の国内旅行傷害保険が付帯(利用付帯)。また、国内旅行中の航空便の遅延や寄託手荷物の遅延などにより負担することになった食事代や衣料品などの費用を補償する国内渡航便遅延保険も付帯する(旅行代金をカードで支払った場合のみ)。

その他、海外利用分ならびに国内での分割払いやリボ払い、「楽Pay」登録中のショッピング利用に対して年間100万円限度のショッピング保険が適用される。

――対象空港は少ないが、約2,000円の年会費(年会費優遇を適用した場合は約1,000円)で空港ラウンジサービスを利用できるのは非常にリーズナブルだ。対象空港の利用が多い人にとっては検討に値する1枚といっていいだろう。

年会費(税込) 2,095円
家族会員1名無料、2人目より1名につき440円
※初年度年会費無料
※本会員は年会費優遇制度あり
国際ブランド VISA
MasterCard
JCB
ポイントプログラム グローバルポイント
ポイント還元率 約0.5%
※グローバルポイントの金額相当額表記は、1ポイントあたり5円相当の商品に交換した場合です。交換商品により、換算額が異なります。
空港ラウンジサービス 国内6空港+海外1空港
付帯保険 最高2,000万円の海外旅行傷害保険(自動付帯)
※年間カード利用額20万円以上で
次年度最高2,000万円/20万円未満で次年度最高100万円
最高2,000万円の国内旅行傷害保険(利用付帯)
最高2万円の国内渡航便遅延保険(利用付帯)
年間100万円限度のショッピング保険
(国内利用分は分割払い・リボ払い時・
「楽Pay」登録中のみ)
(※三菱UFJカード ゴールドのホームページを元に筆者作成)

5-4,三菱UFJカード ゴールドプレステージ……旅行傷害保険は海外・国内とも家族特約付き

・33空港対象の空港ラウンジサービス
国内32空港とハワイ・ホノルルの空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)のラウンジを無料で利用できる。国内の主要な空港は、ほぼ網羅されているといっていいだろう。

・アニバーサリーポイント、グローバルPLUS、プレミアムスタープログラム
「アニバーサリーポイント」として、入会時に指定した記念月にはショッピングの利用分がポイント2倍となる(最大約1%還元)。

その他、年間ショッピング利用金額に応じて次年度にポイントアップするグローバルPLUS、さらに、長期利用により得たステータスに従い年間ショッピング利用金額に応じてボーナスポイントが年に1回贈呈されるプレミアムスタープログラムを利用が可能だ。それにより効率よくポイントをためられる。

・24時間健康・介護相談サービス
健康や医療、介護に関する質問に電話で答えてくれる無料サービスだ。割引のある人間ドック、脳ドック、がん検診などの提携医療機関の案内も受けられる。

・旅行傷害保険と国内渡航便遅延保険、ショッピング保険が付帯
旅行代金のカード払いの有無にかかわらず、最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付帯(自動付帯)される。一方、国内に関しては旅行代金をカード払いした場合に最高5,000万円の国内旅行傷害保険が付帯(利用付帯)。海外・国内とも家族カードを持っていない家族にも保険が付帯する家族特約付きとなっている。

また、航空便の遅延や寄託手荷物の遅延などに伴い負担した食事代・衣料品などの費用を補償する、国内・海外渡航便遅延保険が付帯(国内のみ旅行代金をカードで支払うことが付帯条件となる)。その他、年間300万円限度のショッピング保険も適用される。

――廉価版ではないフルスペックのゴールドに当たるのがこのカードだ。年会費1万円超のゴールドカードとしては平均的な内容といってもいいが、旅行傷害保険に海外・国内とも家族特約が付いている点は他と比較しても高く評価できる。また、医療相談サービスも必要な人にとっては心強いものとなってくれるだろう。

年会費(税込) 1万1,000円
※初年度年会費無料(オンライン入会限定)
※年会費優遇制度あり
家族会員無料
国際ブランド VISA
MasterCard
JCB
AMEX
ポイントプログラム グローバルポイント
ポイント還元率 約0.5%
※グローバルポイントの金額相当額表記は、1ポイントあたり5円相当の商品に交換した場合です。交換商品により、換算額が異なります。
空港ラウンジサービス 国内32空港+海外1空港
付帯保険 最高5,000万円の海外旅行傷害保険(自動付帯)
最高5,000万円の国内旅行傷害保険(利用付帯)
※海外・国内とも家族特約付き
最高2万円の国内・海外渡航便遅延保険
(海外自動付帯・国内利用付帯)
年間300万円限度のショッピング保険
(※三菱UFJカード ゴールドプレステージのホームページを元に筆者作成)

5-5,三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード……コストパフォーマンスのよいプラチナカード

・世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジが無料になる「プライオリティ・パス」
無料で国内32空港とハワイ・ホノルルの空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)のラウンジを利用できる通常の空港ラウンジサービスの他に、世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジが無料になるサービス「プライオリティ・パス」への無料登録が可能だ。

・プラチナグレードのトラベルサービス
三菱UFJカード共通のものの他に、このカード独自のサービスとして提供されるトラベルサービスを次に紹介しよう。

サービス・優待名 サービス・優待内容
手荷物空港宅配
(無料)サービス
海外旅行の出発・帰国時に会員1人につき
スーツケース1個を無料で配送
コート(防寒具)
預かりサービス
海外旅行時、必要のない衣類(防寒具)などを
空港サービスカウンターで、無料で預かってくれる
Relux for Platinum 宿泊予約サービス「Relux」で最低価格保証より
さらに7%割引の優待価格が適用
ハーツレンタカー 上級会員資格「ハーツGoldプラス・
リワーズ会員」を年会費無料で利用可能
(※三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードのホームページを元に筆者作成)

――このうち、特に出発・帰国時の両方で使える手荷物の空港宅配無料サービスは、年会費2万円前後のプラチナカードのサービスとしては高く評価していいだろう。

・プラチナグレードの各種サービス
その他、次に紹介するようなプラチナカードにふさわしいサービスが提供される。

サービス・優待名 サービス・優待内容
プラチナ・
コンシェルジュサービス
専任のスタッフが24時間365日、
プラチナ会員の相談や要望に応える
スーペリア・
エキスペリエンス
一流ホテル、ダイニング、スパなどで
プラチナ会員向けの特別な優待を提供
プラチナ・
グルメセレクション
国内の対象レストランで所定のコースメニューを
2名以上で利用した場合に、1名分のコース料理が無料に
名門ゴルフ場
予約代行サービス
予約の困難な名門ゴルフ場の予約代行
24時間健康・
介護相談サービス
健康、医療、介護に関する無料電話相談サービス
(※三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードのホームページを元に筆者作成)

――この中でも特にお得感の大きいのはプラチナ・グルメセレクションだろう。高級店が対象となっているため、ほとんどの場合1~2回の利用でもカード年会費の元が取れるはずだ。

・ポイント優遇サービスが充実
海外は常時ポイント2倍(最大約1%還元)、入会初年度は国内利用分がポイント1.5倍(最大約0.75%還元)、「アニバーサリーポイント」として記念月はポイントが2倍(最大約1%還元)となる。加えてグローバルPLUSとプレミアムスタープログラムの適用により、さらなるポイントアップを図ることが可能だ。

・マイレージプログラム
マイレージプログラムの参加により、ポイントをJAL、シンガポール航空、大韓航空のマイルに1ポイント→8マイル(マイル還元率0.8%)のレートで、200ポイント以上100ポイント単位で交換できる。ただし、参加年会費3,300円(税込)と移行のつど6,600円(税込)の手数料が必要で、書面による移行申し込みとなる。手数料や手間を考えると、これに関してはそこまでのメリットとはいえなさそうだ。

・5つの保険が付帯
このカードには5つの保険が付帯する。まず海外旅行傷害保険だが、旅行代金をカード払いした場合は最高1億円(自動付帯分+利用付帯分)、そうでない場合は最高5,000万円となる(自動付帯分のみ)。国内は旅行代金のカード払いの有無にかかわらず最高5,000万円の補償金額となる(自動付帯)。海外・国内とも家族カードを持たない家族まで補償対象となる家族特約付きだ。

その他、最高2万円の国内・海外渡航便遅延保険、年間300万円限度のショッピング保険が付帯(自動付帯)。また、国内外を問わず第三者の故意による加害行為や、ひき逃げでケガをした場合に、死亡・後遺障害、入院、手術、通院保険金が支払われる最高1,000万円の犯罪被害傷害保険も付帯する(自動付帯)。

――プライオリティ・パスやコンシュルジュサービス、コース料理1名分無料などプラチナカードにふさわしいサービスはひととおりそろっており、付帯保険も十分な内容となっている。年会費を考えれば、コストパフォーマンスのよいプラチナカードといっていいだろう。なお、三菱UFJカードではプラチナランクはアメリカン・エキスプレスのみとなっている。

年会費(税込) 2万2,000円
家族会員1名無料、2人目より1名につき3,300円
※本会員は年会費優遇制度あり
国際ブランド アメリカン・エキスプレス
ポイントプログラム 三菱UFJカード・アメリカン・エキスプレス・カード
グローバルポイント
ポイント還元率 約0.5%〜
空港ラウンジサービス 国内32空港+海外1空港
プライオリティ・パス
(世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジが対象)
付帯保険 最高1億円の海外旅行傷害保険
(自動付帯分最高5,000万円+利用付帯分最高5,000万円)
最高5,000万円の国内旅行傷害保険(自動付帯)
※海外・国内とも家族特約付き
最高2万円の国内・海外渡航便遅延保険(自動付帯)
年間300万円限度のショッピング保険
最高1,000万円の犯罪被害傷害保険(自動付帯)
(※三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードのホームページを元に筆者作成)

6,どの三菱UFJカードを選ぶべきか?

とにかくコストをかけずに三菱UFJカードのサービスを利用したいなら「三菱UFJカード スマート」が、対象7空港の空港ラウンジを使いたいなら「三菱UFJカード ゴールド」がおすすめだ。

その2つと比較すると「三菱UFJカード(ディズニー・デザイン)」は若干凡庸なイメージがあり、どうしても他社カードとの間で目移りしてしまう。「三菱UFJカード ゴールドプレステージ」も、他社の年会費1万円前後のゴールドカードとスペックの点では近いため、判断に迷う。この場合、三菱UFJ銀行関連の優遇を利用したいかどうかで考えてみてもいいだろう。

「三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」は、コストパフォーマンスのよいプラチナカードという点でプラチナカードを持ってみたい人にはおすすめだ。ただし、国際ブランドが加盟店数の比較的少ないアメリカン・エキスプレスとなるため、特に海外ではVISAブランドやMasterCardブランドのクレジットカードとの併用が必須となる。その点もよく考慮した上で申し込むべきだろう。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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