2021年3月16日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドル/円は、上昇トレンドチャネルを明確に上抜けし、その後下がってこない。この上昇はショートの損切りだけではなく、海外のマクロファンドなどがドルを新たにかなり買っているようで、その新規のドル買いから下値が堅くなっているようだ。日本の機関投資家も下を支えるだろうし、それを考えると、下を拾いたくて待ったものの、上手く買えなかった人たちや、いまだショートで捕まっている人もいるだろう。先週9日(火)時点のIMMの円ポジションがネット(売りポジションと買いポジションの差し引き)で6514枚まで減ってきている。3週間前から、約3万7000枚、約2万8000枚、約1万9000枚と急激なペースでの減少が見られる。この流れだと次回にはネットでの円ポジションがなくなるのではないかと思っている。そんな中、円買いポジションは6万枚台で動かないため、もしネットポジションが円ショートにひっくり返るのであれば、そこからはドルの上昇も緩やかになるのではないだろうか。よってそのタイミングに注視したい。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円は、揉み合いつつも上値を狙う展開を予想。日米の金利差が今後かなり拡大する可能性もありそうだ。今週の予想レンジは107.70~110.25円。今回110円をオーバーシュートして一瞬超える可能性は捨てきれない。現状、レベル感からショートを振るわけにはいかないので、108円台前半かミドルがあれば一度しっかり買って110円を目指して跳ねて上がったところを利食うようなロング回転戦略で臨みたい。
小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。