2021年4月13日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週8日(木)、米ドル/円が109.00円付近まで押した所があったが、これがちょうどいい下げだったという気がしている。先週は結局111.00円超えに失敗した訳だが、それでにわかロングが全部投げさせられ、109.00円付近まで落ちたという流れだった。これで110.00円台のコストの高いロングは全部切れたと思っている。しかしそれ以外に本邦輸入企業の買い遅れ感と、機関投資家の押し目買いが出てくるので、108.50~109.00円付近は下値が堅いだろう。本邦輸出企業に関しては、111.00円にかけて売りたい人は売ったし、下も107.00~108.00円でヘッジをかけたという話も聞いている。そのため、米ドル/円が下がってきても、もう下をたたいて売ってくる感じはしない。そうなると需給バランスからいって、買い切り玉よりも売り切り玉の方が多いと考えている。また、もう一つマーケットのセンチメントを見ると、111.00円手前まで上がってそこから109.00円に急落しているので、どうしても110.00円が重く見える。よって短期勢が109.50~109.60円台では買っておらず、売っているようだ。ということで、110.00円に近付けば近付くほど売り上がりのショートが溜まって110.00円台前半にストップが入ってくる流れになるのではないだろうか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは108.70~110.65円。108.00円台後半から109.00円台前半にかけて押し目があればしっかりと拾って、110.00円台で跳ねたところ、とりあえず一度110.50円にかけて利食いたい。また、現在の注目点は米国のインフレ指標と長期金利の動向なので、その辺りには注意しつつのトレードが望ましいだろう。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。