証券口座を開設したばかりの初心者でも、大きく3種類に分類される基本的な株の買い方を押さえておけば悩むことは少なくなります。さらにワンランク上といえる、中級者向けの注文の仕方もあります。これらを使いこなせるようになれば、投資戦略がより広がるでしょう。基本的な株の買い方を3種類、中級者向けの注文方法5種類について徹底解説します。

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まずはおさらい。株の注文の流れ

証券会社に口座開設が完了し、口座への入金も完了したら、いよいよ株式投資家デビューです。注文を出す前に、確実に理解しておきたいのが株の買い方です。必ず覚えておきたい注文の基本は、「成行注文」「指値注文」「期日指定注文」の3種類です。それぞれの詳細を解説する前に、まず注文の流れを解説します。株には現物取引と信用取引がありますが、基本的な注文方法は同じですので、本記事では現物取引について説明していきます。

株の注文時に必要な条件が、「銘柄」「売り買い」「株数」「値段」です。注文を出す前にこの4条件について決めておきましょう。そのうえで、株を買うフローを確認していきます。例として「A社を100株買う」としましょう。A社の前日の引け値が6,800円、現在値も6,800円という条件にしておきます。

株注文の流れ1:証券会社のサイトもしくはアプリにログインし国内株の取引画面へ

この時点で現物取引の売り買い、信用取引の売り買いを最初に選ぶようなサイトやアプリがあります。その場合は該当する取引を選びます。「A社を100株買う」ですから現物取引の買いです。

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株注文の流れ2:銘柄検索で銘柄の注文ページへ

上場企業には、必ず銘柄(証券)コードがあります。銘柄コードを覚えていれば、そのコードを株式の検索画面に入力することでA社の注文画面に飛べます。仮にコードを知らなくても、検索画面で「A社」と入力することで、A社の名前がついた銘柄がリストアップされるので、そのなかから「A社」を選び、注文画面に行きます。

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株注文の流れ3:売り買いの指示

最初に「買い」「売り」を選びます。すでに現物買いのページに飛んでいる場合はその必要はないかもしれません。今回は「A社を100株買う」なので、「買い」を選びます。仮に「売り」を指示しても、現物取引なら保有株がないと注文を入れられない仕組みになっているはずです。信用取引の場合だと、保有株がなくても、該当銘柄が貸借銘柄であれば、「信用売り」もできてしまいますので、売り買いは間違えないよう慎重に選びましょう。

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株注文の流れ4:株数の指示

注文の株数を入力します。株数はその単元株式数の整数倍しか入力できません。現在では単元株式数は100株に統一されています。通常は、単位株数をプラス・マイナスのボタンで選びます。「A社を100株買う」では、「100株」を選びます。

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株注文の流れ5:値段の指示

買いたい価格を入力します。ここで選ぶのは、注文の基本である「指値注文」か「成行注文」です。「A社を100株買う」の場合は、「指値」だと6,800円と具体的に値段を指示することです。「成行」の場合は、買いの場合はいちばん安い売り注文で買い、売りの場合はいちばん高い買い注文で売るという意味です。基本中の基本となる注文方法ですので、後ほどわかりやすく解説します。

ここで万一、約定代金{株数×価格}に手数料を足したものが、自分の口座の買い付け可能額を超える場合には注文は受け付けてくれません。この例ですと、A社の買付代金は約68万円ですので、買い付け可能額がその買付代金を上回っていないと買い注文が出せない仕組みになっているはずです。

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株注文の流れ6:そのほかの条件の指示

そのほかの執行条件もいろいろ選べるようになっています。なかでも重要なものは期日ですが、基礎編では期日はデフォルトの「当日」のままで問題ありません。注文期限を設定できる「期日指定注文」についてはのちほど解説します。ほかの条件に関しては、寄付注文、引け注文、不成注文などがありますので中級編で紹介します。

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株注文の流れ7:株の約定

株の買い注文、売り注文のそれぞれが成立することを「約定」といいます。約定してはじめて、注文が成立したことになります。約定は、サイトまたはアプリの注文照会、約定照会などで確認できます。証券会社によっては、約定後にメールなどで通知がくるようにも設定できますので、設定しておきましょう。

以上が注文の流れです。次に、必ず覚えておきたい注文方法の基本3種を詳しく解説していきます。

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株の買い方3つの基本

株の注文方法の基本3種は、値段に関するもので「指値注文」と「成行注文」、それに期日を条件につける「期日指定注文」です。これだけは必ず覚えましょう。

株の買い方の基本1:希望の価格で株を売り買いする「指値注文」

株の注文のなかでも基本中の基本であり、もっとも多く使うのが「指値注文」でしょう。「A社の株を6,800円で購入する」というように、具体的な価格を指すことから指値注文といいます。指値で注意したいのは、銘柄によって値段の呼値(よびね)が違うこと、指値には入力できる上下の値幅制限があることです。

・注文する時の値段の刻み「呼値」は、銘柄の値段などによって異なる

呼値とは、注文する時の値段の刻みです。基本的にはその銘柄の値段の水準によって呼値の単位が決められています。3,000円以下なら1円単位、3,000円超から30,000円以下なら10円単位という具合です。

しかし東京証券取引所に上場するTOPIX100構成銘柄については、通常の銘柄よりも小さく設定されています。例えば、1,000円以下なら0.1円、1,000円超から3,000円以下なら0.5円です。A社の場合、本来は5,000円から10,000円以下の範囲で10円刻みなのですが、A社がTOPIX100構成銘柄である場合は1円単位になります。つまり、6,800円に対し、1呼値下だと6,799円、1呼値上だと6,801円ということです。

・指値注文は「値幅制限」のなかで指定する

当日の指値注文が入れられる上限と下限の範囲が制限されていることを「値幅制限」といいます。値幅制限は前日の引け値である基準値段で決まります。例えば、100円未満の株の値幅制限は30円、100円以上200円未満の株が50円、200円以上500円未満の株が80円といった具合です。

A社の基準値は6,800円ですから、5,000円以上から7,000円未満の基準値で、株値幅制限は1,000円となります。すなわち、この日にA社の指値注文ができる範囲は5,800円から7,800円です。範囲外の価格については、注文を入れることはできません。

よく耳にする「ストップ高」「ストップ安」というのは、この制限範囲の上限に値段が達してその日はそれより上がらないこと、下限となり下がらないという意味です。

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・指値注文では、約定しないことがある

指値注文は、買い注文であれば株価が指値以下、売り注文であれば株価が指値以上にならなければ、注文が成立しません。A社を6,800円で100株の買い注文を入れた場合は、株価が少なくとも6,800円以下にならないと、約定となりません。“少なくとも”というのは、同じ値段に多くの指し値が入っている場合、優先順位があるため、6,800円がついたからといって約定するとは限らないからです。もし一度でも6,799円がついた場合には、必ず約定します。売りの場合も6,800円で100株の売り注文を入れた場合は、株価が少なくとも6,800円以上にならないと約定しません。

指値注文のメリットは、ターゲットとする価格で売り買いできることです。しかし、その一方で指値をしたばかりに買いチャンスを逃すこともあり得ます。例えば、A社を6,800円の指値で買い注文を入れていて、その日の安値が6,810円の場合、わずかの差で買えないことになります。それだけでなく、翌日以降、値上がりしてしまい、買いのチャンスを逃してしまうかもしれません。そのようなことを避けるために、買いたいときに注文し、約定させるのが次に説明する「成行注文」です。

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株の買い方の基本2:指値より優先される「成行注文」

「成行注文」とは、売買注文を出すのに値段を具体的に指示せずに、買いの場合いちばん安い売り注文、売りの場合いちばん高い買い注文で約定させる注文です。指値よりも優先されますので、とにかく約定させたいときには指値注文より成行注文がよいでしょう。価格が「成行」だと考えればわかりやすいのではないでしょうか。

注文を出すのが「取引時間中(専門用語で「ザラバ」といいます)」であれば、成行の買い注文を出すとそのときに出ている最も低い価格の売り注文に対応し、すぐに約定が成立します。成行の売り注文を出すと、そのときに出ている最も高い価格の買い注文に対応しすぐに約定が成立します。

仮にA社が、現時点で6,800円。いちばん高い買い注文が6,790円、いちばん安い売り注文が6,810円とします。「成行で100株の買い」では6,810円、「成行で100株の売り」では6,790円で約定することになります。

ただし、注文状況(専門用語で「板」といいます)は常に変わりますので、実際に注文が取引所に届いたときに、6,810円の売り注文がなくなっていて、その次の6,820円で約定することもあります。

・成り行き注文は優先して約定できるが、いくらで取引できるかわからない

成行注文のメリットは優先して約定できることです。一方で、約定する価格が実際に約定するまで確定しないというデメリットもあります。想定よりも高い値段で買いが成立してしまうことや、逆に思ったより安い値段で約定することもあります。

A社が流動性の高い株であれば、成行注文でも大きく値が上がることはありません。しかし、時価総額が小さい株(専門用語で小型株)や出来高が少ないような株(流動性の低い株)では、現値(げんね)と売り板、買い板が大きく離れていることもあります。

現値が6,800円のときに成り行きで買いをだして、出来たら7,000円だということがあるわけです。6,800円と7,000円では、値段が約3%も違います。投資で3%は無視できない差ですので、それでも成行で買うべきかを考える必要があります。特に急ぐのでなければ、7,000円を買わずに6,800円など現値近辺の買い指値で待つのも作戦の1つなのです。

・成り行き注文で知っておきたいザラバと寄付での値付けの違い

最初に、「取引時間中(ザラバ)」なら、といったのは、前場の寄り付き(9時)、後場の寄り付き(12時半)に関しては、必ずしもその基準が当てはまらないためです。

日本取引所の値付け方式は、ザラバ中なら「ザラバ方式」、寄付には「板寄せ方式」を取っています。ザラバ中は、買いに対してはいちばん安い売り板で約定しますが、寄付の値段は売りと買いのバランスがとれるところで決まります。これが寄付価格です。

売りと買いの株数のバランスがとれずに買いが多い場合「買い気配」、売りが多い場合は「売り気配」がつくことがあり、なかなか寄り付かず値段が基準値からかい離した価格になることもあります。成行買いだと、場合によってはリミット上のストップ高まで買いにいってしまうこともあるわけです。

そのため、寄付などで価格を問わず買いたいとき、ロスカットなどでとにかく売りたいときなど以外は、あまり成行注文は使わないほうがいいかもしれません。あくまでも見えている板は過去のもので、成行注文を出したからといって、その板があるとは限りません。株式投資になれてきたら、通常は指値注文を多用することが多くなるはずです。

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株の買い方の基本3:忙しい兼業投資家には必須の「期日指定注文」

最初に紹介した株の注文フローにおいて、「期日指定注文」についてお伝えしました。「期日指定注文」を使えば、注文の有効期限を指定することができます。証券会社の株の注文サイトやアプリでは、期日を「週中」「期間指定」などで選べるようになっているでしょう。日中、株式市場を見ることができない場合などは、期日指定を上手く使いこなしたいものです。

買いたい銘柄が下げた時に買えるように、例えば「A社を6,700円で100株買う、今週中」と期日指定の新規買い注文をいれておけば、毎日注文を出す必要がありません。期日指定をするので、当然「成行注文」はできず「指値注文」のみとなります。

保有銘柄についても、利益確定での売り注文やロスカット注文(後述)を期日指定でいれておくと、毎日入力する手間が省けます。また、株式市場でなにかが起こって大きく動いたときにチャンスを逃さずにすみます。便利な注文方法ですので、期日指定注文を使いこなせるようにしましょう。

ただ、注意しなくてはならない点もあります。期日指定する銘柄が、株式分割、割当増資、株主優待などの権利付最終日と権利落日をまたぐ場合の期日指定はできないことが多くあります。しかしその場合は、注文システムで自動的に権利付き最終日が有効期限になるはずですので、詳細な知識は必要ないでしょう。

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中級者向け、5種類の注文方法を学ぼう

いままで紹介してきた3種類の基本的な注文方法を理解していれば、注文に困ることはほとんどないでしょう。一方で、より戦略的に使うべき中級者向け注文方法も存在します。使うことが多いと予測される順番に、「逆指値注文(ロスカット注文)」「逆指値注文(利益確定)」「セット注文 - OCO注文」「セット注文 - IFD注文」「不成注文」の中級者向け注文5種類を紹介します。

中級者向け注文方法1:逆指値注文(ロスカット)

逆指値というのは、通常と逆の注文です。A社が「6,700円で100株の買い」が通常の買い注文です。逆指値注文はその逆で、株価が下落し、「A社に6,700円がついたら売る」という注文です。

逆指値は、銘柄を保有しているときだけでなく、新規の売り買いにも使えます。そのためさまざまな戦略に使えますが、最初に覚えたいのはロスカットの逆指値注文です。

投資のセオリーの1つに「株式投資ではロスカットが大事」というのがあります。株式投資で失敗するパターンの多くはロスカット、つまり損切りができずに損失を膨らませてしまい、自分の損失許容額を上回ってしまうことです。

どんなカリスマトレーダーでも全銘柄で儲けることは不可能です。そして、どんなに素晴らしい銘柄でも上がり続けることはありません。堅調な業績の銘柄であってもリーマンショックなどの世界的な経済不況といった外部要因で株価を大きく下げることもあり得ます。人はなかなか損を許容することができません。だからこそ、「ここまで下がったら損を確定する」というロスカット注文を入れておくことが大事だと、多くの成功した投資家はいうのです。

・損失確定ができるロスカットの逆指値注文

ロスカットの逆指値注文とは、保有している銘柄に対し、どこまで下がったら損失確定で売るという指示のことです。A社の例だと、6,800円でA社を100株買って保有しているとします。6,700円以下に下がった時点で、指値または成行で自動的に売り注文を発注するということになります。これが約定すれば、A社が株価を大きく下げても損失は約100円にとどまります。自分の損失許容額から1銘柄のロスカット水準を決めておき、逆指値注文を期日付き注文などで入れておく習慣を身につけるとよいでしょう。

・逆指値注文は成行売り注文。思わぬ安値での約定も

ロスカットは損失を確定することなので、約定させる必要があります。そのため、逆指値注文は基本的に「成行」になります。ただ、ロスカット注文をしたA社の株が6,700円近辺で売れたとしても、小型株など流動性の低い銘柄の場合、逆指値注文でロスカット売りを成行で出すと、思わぬ安値で約定してしまうこともあります。ある流動性の低い銘柄を5,000円の逆指値で成行売り注文が執行され、買いがなくて4,800円の200円も下がった価格で売ってしまったということがよくあるのです。いくらで売れるのかわからないのが逆指値注文での成行注文のいちばんのデメリットです。

小型株には逆指値注文でも指値を使うのも有効かもしれませんが、それでロスカットのチャンスを逃してしまうこともあります。したがって、流動性の低い銘柄を保有している場合は値段が思ったよりも大きく動くリスクを考え、自分の決めたロスカットの価格よりも少し余裕を持って逆指値をいれておくとよいでしょう。

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中級者向け注文方法2:逆指値注文(利益確定)

逆指値注文は、ロスカットだけに効果があるわけではありません。保有株で戦略的に上値を狙いながら、最悪でも利益は確定したいという場合にも適した注文です。ここでは利益確定の逆指値注文を紹介します。

株式投資では、一時期利益が乗っていたものの売りそびれるうちに値を下げてしまい、結局利益がなくなり損失になってしまうことがあります。「あのとき売っておけばよかった……」と後悔することは多いはずです。

例えば、A社の株を6,800円で購入し、株価が7,000円まで上がっていたとします。もっと上を狙いたいと思いつつも、何かがあって株価が下がったとき、最低でも利益は確保したいものです。その場合、6,900円に利益確定の逆指値注文を入れておけばいいのです。

A社の株価がさらに上昇する場合は、利益の積み増しができます。もし下げ始めても6,900円で逆指値注文が執行されれば、6,900円近辺で売れるので、100円程度の利益は確定します。株価の上昇局面では、このように利益確定の逆指値注文の水準を切り上げながら、上値追いをすると値幅取りが狙いやすいのです。ぜひ、逆指値注文を利益確定にも使ってみてください。

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中級者向け注文方法3:セット注文(OCO注文)

証券会社は専業トレーダーでなくても戦略的な投資ができるように、セット注文をいろいろ導入しています。

OCO注文とは、指値と逆指値を同時にセットして注文する方法です。OCOは「One Cancels Others=1つの注文を約定したらもう一方はキャンセル」の略です。

例えば、保有しているA社を「7,000円で売る」「6,700円ならロスカット」といった具合に、OCO注文で指値売りと逆指値の売りを出しておけるのです。もし株価が上がり7,000円で売れた場合、持株はなくなるため、逆指値の売り注文は自動的にキャンセルされます。

逆に株価が下がり、6,700円が付いたら逆指値の売りが執行されます。これも同様に、その段階で保有株がなくなるため、その後に7,000円の値がついても売り注文はキャンセルされ、執行されることはありません。OCO注文は、すでに保有している株の売却や、信用売りしている銘柄の返済などに使うのが一般的です。

このOCO注文も、ザラバ中に売買ができない兼業トレーダーがよく使う注文方法です。OCO注文を活用すれば、自分のポジション管理が市場を細かく見ていなくても可能になります。ただしデメリットもあり、利益確定もロスカットも決められた範囲内となります。そのため、ザラバ中に好材料が出て、上値を狙いたいような局面ではチャンスを逃すことになる場合もあります。

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中級者向け注文方法4:セット注文(IFD注文)

IFD注文もセット注文で、新規ポジションが約定したらその反対の売買をするという注文です。「IF DONE = もしできたら」の略で、新規の親注文(IF側)ができたら、反対の決済注文(DONE側)を発注する注文です。新規買い注文ができたら、その売り注文を出すのが一般的ですが、信用取引においては新規売り注文ができたら、返済の買い注文を出すというセットも可能です。

例えば、A社の株を6,800円で買い指値を入れ、IFDで7,000円の売り注文を指示します。6,800円の買い注文ができた時点で、7,000円での売り指値注文を自動発注するということになります。もしくは、6,800円の買い注文ができた時点で、6,700円でのロスカットの逆指値注文の売りを発注できます。
IFD注文では、IF側には成行、指値、値幅指定なども可能で、DONE側も指値、逆指値、不成(できなければ引けで成行、後述)などが可能ですので、さまざまな戦略が可能になります。例えば、寄付でA社を買い、その後自動で買った値の50円上で売り注文を出し、出来なければ引けで、不成で売るという注文もできます。兼業トレーダーが戦略を増やす手法として有効です。

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中級者向け注文方法5:少しでもいい約定を目指す「不成注文」

条件付きの注文で不成(ふなり)も覚えておきたい注文です。指値をしておいて、できなければ引けで成行注文にするということで「不成」といいます。前場に出せば前場の引け、後場に出せば後場の大引けで成行注文になります。少しでも安くターゲットの価格で買いたいが今日中には買っておきたいという状況、もしくは少しでも高く売りたいが今日中に売りたいようなときに便利です。

例えば、A社の買いを6,700円の不成注文を入れておくと、6,700円が約定すればそれで注文は終わりですが、約定しなければ引けで成行注文になるのです。

小型株、流動性の低い株では、買い板と売り板が離れている銘柄があります。現値が6,800円で、いちばんいい買い板が6,700円にしかないときに、6,700円を売るのはできれば避けたい場合があるとします。その場合は6,800円の売り指値で条件付きの注文を出し、約定しなければ引けで成行に変更する、すなわち「不成」注文を出すのが1つの戦略です。少しでも高い値段で約定したいときに便利な注文といえます。

一方でデメリットは、引値で値段が大きく動くリスクがあることです、上記の場合で6,700円の買い注文が引けまでに必ず発生あるという保証はありません。不成にしたためにもっと低い値段で売ることになってしまうことも考えられます。

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まとめ:注文方法を使いこなすことで株式投資のスキルアップを

株式投資には、今回紹介した以外にもいろいろな条件付きの注文があります。寄付注文や、さらに複雑なセット注文などもあります。最近では、コンピューター売買のアルゴリズム取引が利用できるような機能を提供してくれる証券会社もあります。まずは初心者向けの3つの基本と、中級者向けの5つの応用を覚え、投資スキルを高めていけば、投資戦略もより幅広くなっていくことでしょう。