ポートフォリオを組むとき、もしくはアセットアロケーションを決めるとき、どの金融商品にどれくらいのリスクがあるのかを理解しておかないと、判断を下すことができません。この記事では、金融商品にはどのような種類があって、どのようなリスクがあるのか、一覧にして解説します。

リスクが極めて低い金融商品の一覧

金融商品をリスクごとに一覧化!おおよそのリスクを理解してポートフォリオを組もう
(画像=MaksymYemelyanov/stock.adobe.com)

まずは、リスクが極めて低い金融商品について見ていきましょう。

預金

預金とは「銀行に資金を預けること」で、普通預金や定期預金などがあります。最もポピュラーな資産運用方法といえるでしょう。元本は保証されていますが、現在は超低金利なので利息はほとんど期待できません。

MRF

MRF(マネー・リザーブ・ファンド)とは、安全性の高い公社債などで運用される投資信託のことです。銀行の普通預金と同様に語られることがありますが、あくまで投資信託なので、元本は保証されていません。しかしながら、安全性の高い公社債などで運用されているので、「リスクが極めて低い金融商品の一覧」に入れても差し支えないでしょう。

個人向け国債

国債は国(日本国)が発行する債券で、それを個人でも購入できるようにしたのが「個人向け国債」です。満期時の元本返済や半年毎の利子の支払いは、国が責任を持って行います。日本がデフォルトするリスクはゼロではありませんが、日本中の資産の中で最も安全といえるでしょう。

リスクが低い金融商品の一覧

ここからは、リスクが低い金融商品について見ていきましょう。

社債

社債は、企業が発行する債券です。社債を購入すると利払日に利息が支払われ、償還日に額面金額が払い戻されます。ただし時価は変動するため、額面金額よりも高くなることもあれば、低くなることもあります。したがって、償還日前に売却すると元本割れのリスクがあります。また、発行体が破綻した場合は、元本の一部もしくはすべてが返ってこない可能性があります。

保険

終身保険や個人年金保険のような貯蓄型保険であれば、保険で資産運用をすることもできます。最大のメリットは、保険の機能を維持しつつ運用益を狙えることです。ただし、解約するタイミングによっては返戻金が支払保険料総額を下回り、元本割れする可能性があります。

リスクが中程度の金融商品の一覧

ここからは、リスクが中程度の金融商品について見ていきましょう。

外貨預金

外貨預金とは、外国の通貨で預金することです。日本は長らくゼロ金利政策が続いているので、ほとんどの外国通貨は日本円よりも金利が高いといえます。金利が高いほうが、もらえる利息は多くなります。為替レートが円安に進んだ場合は為替差益を得られますが、為替レートが円高に進んだ場合は為替差損が出るリスクがあります。

外貨MMF

外貨建MMF(マネー・マーケット・ファンド)は格付の高い外貨建ての短期証券に投資する投資信託で、基本的な魅力とリスクは外貨預金と同じです。ただし、外貨預金が外貨ベースで元本保証であるのに対して、外貨MMFは格付の高い短期証券で運用するとはいえ元本保証ではないため、注意が必要です。

リスクが高い金融商品の一覧

ここからは、リスクが高い金融商品について見ていきましょう。

株式

リスクが高い資産運用方法の代表は、株式投資です。企業が発行する株式を売買することで、値上がり益や配当収入を狙います。市場環境によっては大きく値下がりするリスクがあり、企業が破綻したり上場廃止になったりすると、元本が返ってこないこともあります。

不動産

厳密にいうと金融商品ではありませんが、現物資産である不動産投資もリスクの高い資産運用方法です。不動産自体の値上がり益や定期的な賃料収入を狙います。ただし、値下がりリスクがあり、空室になると賃料が入ってきません。多くの場合、借り入れを起こして購入することになるので、プラス方向にもマイナス方向にもレバレッジが効きます。

REIT

REITとは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。証券取引所に上場されており、株式のように売買することが可能です。そのため、分配金を得る以外にも、売買に伴う値上がり益を狙うことができます。しかし、株式(有価証券)と不動産の両方の特徴を併せ持った金融商品であるため、決してリスクは低くありません。市場環境によっては分配金が減らされたり、元本割れしたりするリスクがあります。場合によっては、上場廃止になるリスクもあります。

FX

「Foreign Exchange」の略称で、正式には「外国為替証拠金取引」といいます。ドルやユーロなどの外国通貨(為替)を売買した際の差益を狙います。一定の証拠金を担保に、実際の資金額の何倍もの取引ができるため、プラス方向にもマイナス方向にもレバレッジが効きます。

暗号資産(仮想通貨)

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上で送受できる資産(通貨)のことです。代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。通貨といっても、国家や中央銀行によって発行された法定通貨ではありません。価値を裏付ける資産を持たないことなどから、価格の変動幅が非常に大きいことが特徴です。

投資方法によってもリスクは変わる

この記事では、金融商品にはどのような種類があって、どのようなリスクがあるのか、一覧化して解説しました。

金融商品ごとのリスクだけでなく、投資方法によってもリスクは変わります。レバレッジを効かせるとリターンが増える可能性がありますが、その分リスクも増えるので注意が必要です。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

(提供:Wealth Road