5月20日、日本たばこ産業(以下、JT) <2914> の株価が一時2189.5円まで買われ、年初来の高値を更新した。JTといえば高配当銘柄として知られていたが、今年2月9日に上場来初の減配を発表、いわゆる「減配ショック」で売り優勢の展開が続き、3月2日には年初来安値となる1898円を付けていた。その後、JT株は業績の好調等を手掛かりに反発、この2カ月余りで15%ほど戻している。
今回はJTの最新情報をお届けしよう。
海外たばこ事業が好調、株価も安値から15%回復
4月30日、JTが発表した2021年12月期第1四半期(1〜3月)決算は、売上高が5.3%増の5474億円、本業の利益を示す営業利益は24.2%増の1601億円と増収増益だった。売上高は4四半期ぶりの増収、営業利益は3四半期連続の増益である。
セグメント別では、国内たばこ事業は売上高が1.4%減の1241億円、営業利益は11.1%増の480億円となった。たばこ全体の販売数量が11.7%減の159億本、紙巻きが11.3%減の149億本となる一方で、電子たばこが19.3%増の10億本と急増した。
注目されるのは海外たばこ事業だ。同期の海外たばこ事業の売上高は11.8%増の3490億円、営業利益は28.4%増の1336億円といずれも2ケタの伸びを示している。JTは海外事業が国内を大きく上回っているのが特徴だ。販売数量は5.8%増の1102億本で、その中でも高単価のグローバル・フラッグシップ・ブランド(GFB)のウィンストン、キャメル、メビウス、LDが計9.1%増の737億本と好調だった。