2021年6月8日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週4日(金)の米雇用統計発表以降、やはりテーパリングがさほど早くないとの思惑でドルが売られてきている。雇用統計前日、3日(木)の米国のADP全国雇用者数や新規失業保険申請件数で強い数字が出たことで、マーケット参加者が舞い上がってしまい、雇用統計への期待が高まり過ぎた。そのため、結果はそれほど悪い数字ではなかったものの、がっかり感でドルが売られた形だ。ただ、個人的には早期のテーパリングは元々ないと見ているため、さほどがっかりしてドルを売る必要もないと思っている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは108.30~110.70円。日足チャートをみると90日移動平均線も上がってきており、一目均衡表の雲も下抜けせず、サポートされている印象だ。予想下値はちょうど90日移動平均線の位置する辺りに設定し、予想上値に関しては、一般的に110.35円や110.50円でもいいのだが、ショートの溜まり具合によっては跳ねることも考えられるため110.70円に設定した。今週の動きとしては下を狙いに行くものの、崩し切れずに戻してくるイメージ。ただ、市場のセンチメントが上をやって失敗した感があり、一旦上に抜けかけているユーロ/米ドルを見ても、やはりドル売りの流れだと思い、どうしても下を攻めに行ってしまう。しかしながら108.50円はかなり堅そうだし、割れても108.30円辺りで止まりそうだ。よって引き付けての買い場探しで臨みたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。