本記事は、本橋亜土氏の著書『ありふれた言葉が武器になる 伝え方の法則』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています

コミュニケーションは相手を疲れさせたら負け

コミュニケーション
(画像=USSIE/PIXTA)

相手に情報をしっかりと伝え、さらにしっかりと心に残すためには、「鉄則」があります。それは、

相手を疲れさせないこと。
相手に頭を使わせないこと。

たとえば営業先のお客様や就活の面接官、また、夫や妻にいろいろな話・交渉ごとをする場面でも、「話を聞く側」というのは、私たち(話す側)が思っているほど熱量が高くありません。残念ながら、

相手は、あなたが思っている以上にあなたの話を聞きたいと思っていない。

これが現実です。

逆に考えれば、「聞く気のない相手を聞く気にさせる」ことこそが伝え方の真髄であると言えます。

当たり前ですが、相手なしにコミュニケーションは成立しません。

同じ話でも、相手の機嫌や体調、そのときの忙しさなど、コンディションの良し悪しで受ける印象が変わってきます。

つまり、情報の伝わり方は相手のコンディションに左右されるということです。

もちろん、相手のコンディションの良いタイミングを見計らってプレゼンに行くなど不可能。

であれば、「こちらから良いコンディションにさせてあげる」ことが最良の道ということになります。

その際、けっして相手に感じさせてはいけないのが、「要するに何が言いたいの?」という疑問感情です。

疑問に思う、つまり「考える行為」は非常に労力を使います。そこに労力を使わせてしまった時点でこちらの負け。そもそも聞きたいと思っていないわけですから、そこに余計な労力をかけてくれる人なんていません。余計なことを考えさせることで集中力が途切れ、さらに話を聞く気がなくなってしまうのです。

これは非常にもったいない。どうせなら、相手を「前のめり」にさせたあと、こちらの話の核心に迫る「ここぞ!」というところで労力を使わせたいものです。

だからこそ、

相手を疲れさせないこと。
相手に頭を使わせないこと。

が必要になってくるのです。

ありふれた言葉が武器になる 伝え方の法則
本橋亜土(もとはし・あど)
1978年生まれ。番組制作会社スピンホイスト代表取締役。大学卒業後、バラエティ番組専門の制作会社を経て、ドキュメンタリーを制作するフォーティーズに入社。同社代表で、日本ドキュメンタリー界の巨匠である東正紀氏に師事する。その後、複数の制作会社でディレクターとして「王様のブランチ」(TBS)「行列のできる法律相談所」「嵐にしやがれ」「しゃべくり007」(全て日本テレビ)など、複数の人気情報・バラエティ番組を制作する。その後、プロデューサーを経て2017年に独立し、株式会社スピンホイストを設立。「ニンゲン観察バラエティモニタリング」「バース・デイ」(ともにTBS)「それって!? 実際どうなの課」(中京テレビ)などの番組を制作。一方、独立時に本書の元となった、テレビ業界の「伝え方の勝ちパターン」を体系化し、そのノウハウを使った企業PR動画の制作業務をスタート。「テレビの手法を活かした完成度の高い動画が作れる」と評判を呼び、住友林業、新日本製薬、マルコメなど、数多くの企業から依頼が舞い込んでいる。

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