「事業」といえるまでにするには「家業」を拡大しなければならない

これまでサラリーマンから家業を継いで経営者に転身するメリットとデメリットを解説してきた。経営者となることに腹をくくることができたのなら事業拡大を図り成功したいと思うのは当然である。

会社を家業から事業にするには

家業を継いで事業の拡大を図るには、家業規模のレベルから事業規模のレベルへの拡大が必要だ。事業は、経営者の手腕次第であり、収益が増えることもあれば悪化することもある。そのため収入面では、サラリーマンと比べて不安定になりやすい。すべて経営者の裁量、つまり経営手腕次第といえるだろう。事業を拡大し安定した収益を得るには、従業員を雇い事業レベルの会社に成長させる必要がある。

業種によっても異なるがやはり家族だけでは仕事量に限界があり増収増益は難しい。事業規模へと拡大を目指すのであれば「経営について学ぶ」「従業員を雇う」「早い段階で経営者の思考に切り替える」といったことが重要になる。

従業員を雇う

人、物、金、情報など会社経営に必要なものは多岐にわたる。しかしその中でも重要なのは、従業員だ。働き方改革が叫ばれる時代において従業員を大切にする会社は成長し従業員のモチベーションが高いほど企業が成長する時代となっている。上述したように従業員を雇う場合は、労働保険や社会保険の適用、就業規則の作成のほか専門的な労務管理の知識が必要となってくる。

まとめ

サラリーマンが家業を継いで経営者に転身するきっかけはさまざまだ。しかし経営者になるなら誰もが成功したいと願うはずである。家業を継ぐ場合には、デメリットもあるがメリットを活かして成功を収めたいものだ。良い会社を作る条件は、利益目標や経営理念、粘り強さ、顧客満足度・従業員満足度の追求などが挙げられ、学ぶべき知識も多岐にわたる。

また従業員を雇う場合は家族の生活だけではなく従業員に対しても責任を持たなければならない。特に中小企業においては、良い経営者がいる会社が良い企業の条件となるため、経営者の手腕次第で良くもなれば悪くもなるのである。

加治 直樹
著:加治 直樹
特定社会保険労務士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。銀行に20年以上勤務。融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務を行う。退職後、かじ社会保険労務士事務所を設立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能であり、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。
無料会員登録はこちら