代表的な資金調達方法1.デット・ファイナンス

多くの企業で行われている資金調達方法がデット・ファイナンスである。これは融資や社債発行などによって外部から金銭を借り入れる方法だ。

借入では、銀行などの金融機関から直接契約を交わして資金を借り入れる。借り入れた資金を運営して期日までに返済し、発生した利息を支払う。

社債発行は、社債を発行して資金を借りる方法だ。社債は有価証券であるため、譲渡を行いやすいのが特徴だ。

デット・ファイナンスのメリット

利率は比較的少ないので、多額の資金調達をデット・ファイナンスで行った場合、ほかの方法よりも成功したときの手残りが多くなる

また、一般的に経営権を他人に奪われる心配もない

デット・ファイナンスのデメリット

決められた利息や元本を必ず支払うため業績によっては資金繰りが悪化し、最悪のケースでは破産に追い込まれる。

借入を多く実行した場合、貸借対照表における負債の割合が大きくなり、自己資本の比率が下がる。そのため財務諸表をみて不利な判定がくだされることがある。

代表的な資金調達方法2.エクイティ・ファイナンス

エクイティ・ファイナンスは、企業が株式の発行などで資金調達を行う方法だ。

集めた金銭は会社の事業を行うための資本(=エクイティ)として扱われる。

エクイティ・ファイナンスのメリット

エクイティ・ファイナンスでは、基本的に調達した資金を返済する必要はない。会社の財務体制も強化され、財務上の安全性が高まる。

自己資本率が高まることで、投資家などからの評価も上昇する可能性もある。

エクイティ・ファイナンスのデメリット

株式には株主総会の議決権が備わるので、発行した相手に経営権の一部を渡すことになる。そのため、会社の重要事項を決定する際に、同意を得なくてはならないケースがある。

株式の出資者は高い見返りを求めるため、出資者に対してより多くの配当を行ったり、株価を上昇させたりしなければならない。

そのほかの資金調達方法2つ

先ほど取り上げたもの以外にも資金調達手段がある。メザニンファイナンスとクラウドファンディングについて取り上げてみたい。

資金調達方法1.メザニンファイナンス

メザニンファイナンスは、デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの両方の性質を持つ資金調達方法だ。

有名なものに優先株式がある。会社が破産などで清算する際に、残余財産の分配順位をほかよりも優先し、出資金が回収できないリスクを軽減する。ただし優先株式には通常株主総会の議決権はない。

他には劣後債もある。元本と利息の返済や残余財産の分配順位について、通常の借入金や社債よりも優先度を落とす。資金繰り悪化時の返済が滞るのを防ぐ効果がある。

資金調達方法2.クラウドファンディング

クラウドファンディングは、ネット上で不特定多数の人から資金を集める方法だ。購入型、寄付型、投資型などに分類される。

一般企業が多く利用するのが購入型だろう。大抵の場合、実現したい商品などを提示して、必要な資金を集める。ファンディングや資金調達と銘打っているが、実態は商品の予約販売と言って差し支えない。