本記事は、新井 亨、鄭 剣豪氏の著書『シン・華僑の教え』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

お金
(画像=calypso77 / stock.adobe.com)

華僑のお金のとらえ方

「お金とは、感謝の対価である」

これは、華僑がビジネスをする上で大切にしている考え方です。華僑にとって、お金とは単なる「利益」ではなく、お客様に喜んでもらった証であり、感謝された対価だと考えています。

つまり、「お客様に感謝されること」=「収入を得ること」という考え方が根付いています。この価値観があるからこそ、華僑は「いかにお客様に喜んでもらえるか」を常に追求し続けています。

商品やサービスを提供する際も、「お客様にとって本当に価値があるもの」しか売りません。相手にとって何のメリットもないのに、無理に売りつけることはしないし、買ってくれたとしても、それは「感謝」ではなく「不満」につながると知っているからです。

華僑は、故郷から出て後戻りできない状態でビジネスをしています。そのため、本当に喜んでもらえないなら、ビジネスとして長続きしないと本質的に理解しているのです。

この結果、華僑のビジネスは長期的に成功し続けることができます。常にお客様のメリットが先にある提案をしながらビジネスを展開して、多くの人に感謝された人ほど、大きな富を築くという考え方が、華僑の世界では当たり前になっています。

彼らにとっての「富裕層」とは、それだけ多くの人に感謝された人のことを意味しています。つまり、多くの方から尊敬されたから富裕層になれたと考えています。

華僑は、「お金持ち=多くの人に喜ばれることをした人」というポジティブなイメージを持っているのです。

お金は「感謝の連鎖」が生み出す

日本では、「お金を稼ぐこと=悪いこと」という意識を持つ人が少なくありません。成功して大きな富を築いた人に対して、「何か悪いことをして稼いだのでは?」と疑いの目を向けたり、「お金をたくさん稼ぐのは良くないことだ」という価値観を持っている人もいるほどです。

これは、華僑の考え方とは真逆です。

もし「お金=悪いもの」という意識を持っていると、お金を手に入れること自体に抵抗(心のブレーキ)が生まれ、富裕層になることは難しくなります。

なぜなら、人は「自分が悪いことをしている」と感じる行為を、本能的に避けるからです。お金に対してネガティブなイメージを持っている人は、知らず知らずのうちに「稼ぐことに罪悪感」を抱き、行動を制限してしまいます。

それゆえ結果的に収入が増えないという悪循環に陥ってしまうわけです。

逆に、華僑は「お金=感謝の対価」というポジティブなイメージしか持っていません。

この差が、長期的に見て、収入や成功の大きな違いを生むことになります。

華僑の考え方をシンプルにまとめると、

「富裕層になりたければ、より多くの人に感謝されることをすればいい」

ということになります。


多くの人に感謝される

その対価としてお金が入る

さらに良いサービスを提供できる

さらに感謝される

収入が増える

この「感謝の連鎖」を生み出すことこそが、華僑が成功し続ける最大の秘訣です。これがビジネスを長く続け、安定して成長させる方法です。

お金は、単なる「紙幣」ではなく、「どれだけの人に喜んでもらえたか」の証である ―― 。この意識の違いが、華僑の成功を支えています。

「本当のお金持ち」とは何か?

本当のお金持ちとは何か?

華僑の考えるお金の本質を理解すると、答えが見えてきます。

お金持ちとは、単に多くの現金を持っている人のことではありません。華僑の考え方では、お金持ちとは「常にお金が入り続ける仕組みをつくり、それ(生活費など)を使っても減らない人」のことを指します。

宝くじで大金を手にした人や、一時的に大成功した起業家、スポーツ選手などは一時的にお金を手に入れますが、数年後に破産することも珍しくありません。

一時的に現金を持っていても、お金は使えば減ってしまいます。つまり、減った分を補う仕組みがなければ、いずれなくなってしまいます。自動的にお金が入ってくる仕組みがない人は、お金持ちとは言えないのです。

華僑はこれを理解しているため、一度だけ大金を手にすることではなく、永続的に入ってくる状態をつくることを最優先に考えています。

華僑にとってお金とは感謝の対価のため、感謝され続ける仕組みをつくることで、常に収入が入り続ける状態を維持できる、と同時に、金融機関や投資家から高く評価され、信頼を得ることができると考えるのです。

『シン・華僑の教え』より引用
新井 亨(あらい・とおる)
サブスクD2C総研株式会社代表取締役。ARAIインベストメント代表、株式会社Telemarketing One代表取締役。株式会社RAVIPA代表取締役社長。英国ウェールズ大MBA卒業。年商1000億の企業のサポートも行なうサブスク業界の第一人者。
中国・北京へ留学し、現地で富裕層向け美容室事業、貿易事業、不動産事業など複数事業を成功へ導く。2024年には東京証券取引所へ新規上場を果たす。サブスク事業やSaas事業のクライアントのマネタイズ実績は累計1000億円以上。本書共著者の鄭剣豪氏と日本AIロボット株式会社を創業し、日本一のサブスクを決めるサブスク大賞2024にて「AIロボットのサブスク」が特別賞を受賞。医療法人理事に就任し、「新宿クリニック」「新宿消化器内科クリニック」「表参道総合クリニック」「クロト薬局」の経営もしている。国内外の華僑ビジネスにも深く精通しており、「華僑経営オンラインスクール」の塾長もしている。
鄭 剣豪(てい・けんごう)
中国人実業家。剣豪集団株式会社会長。一般社団法人日本中国商会(JCCC)会長。日本寧波商会会長。中国寧波市生まれ。神戸大学法学修士。北京大学光華管理学院EMBA。
アジア貿易、投資ファンド運営、企業M&A、工業団地開発、文化交流事業、不動産開発管理など多岐に事業を行ない、寧波、香港、北京、東京、大阪、北九州など各地に法人を運営。2014年に神戸にあるP&Gジャパンの30階建ての本社ビルを買収したことは日本でも大きな話題となった。経営者として活躍するほか、20年間以上日中友好交流活動に力を入れ、両国のマスコミを通じ、日中友好論者として積極的に活動を展開している。

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