本記事は、新井 亨、鄭 剣豪氏の著書『シン・華僑の教え』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

お金はビジネスの血液 ── 華僑はお金の流れを最優先に考える
ビジネスにおいて、お金は「血液」のようなものです。
資金がなければ、どんなに良いビジネスモデルでも成長を続けることはできません。だからこそ、華僑は「金融機関からの信頼を得ること」を非常に重要視しています。借入れが成長を加速させ、さらなる富を築けることを知っているからです。
金融機関から多額の借入れができるということは、それだけ信頼をされていることを意味しています。
2023年の日本企業で借金額(金融機関からの借入金額)が大きい企業の1位は「トヨタ自動車」(有利子負債29兆3,803億円)、次いで2位が「ソフトバンクグループ」(同19兆4,782億円)、3位「NTT」(同8兆2,305億円)の順となり、以下4位「本田技研工業」(同7兆6,652億円)、5位「三菱HCキャピタル」(同7兆6,318億円)となっています(参照元:https://www.riskmonster.co.jp/pressrelease/post-15781/ )。
日本企業で借入額が多い企業は、どれも超優良企業であることがわかります。
華僑企業は金融機関からの評価を重視し、借入資金を最大活用します。お金が継続的に入ってくる仕組みをつくって身の丈に合った生活を守り、無駄遣いをしません。そして、金融機関や投資家からの信頼を得るために、誠実な経済活動を続けることを徹底しています。
借入れは悪ではなく、富を築く最強の手段である
多くの人が「借金=悪」と考えがちですが、これは大きな誤解です。
資産形成の本質は、「自分の労働力」だけでなく、「お金にも働いてもらう」ことにあります。適切な資金調達(金融機関からの借入れ)を活用することで、手元資金以上のスピードで、ビジネスや投資の規模を拡大できるからです。融資資金を「価値を生み出す場所」「お客様からの感謝が集まる場所」へしっかりと投じることで、最大のリターンを得ることができます。
節税や貯金ばかりに執着し、借入れを避け続ける姿勢は、成長の機会を逃し、富裕層になるチャンスを遠ざけています。
重要なのは、借りたお金を「感謝の対価」が得られる事業や投資に再投資する知識と行動です。このサイクルを構築できれば、富を築くスピードは飛躍的に上がります。借入れはリスクではなく、「信用と知識を味方にすれば、加速度的に資産を増やせる仕組み」なのです。これこそが、富裕層が実践しているファイナンスの本質的な考え方です。
「本当のお金持ち」とは、「大金を持っている人」ではなく、「常にお金が入り続ける仕組みを持ち、その範囲内の支出ができる人」のこと。「感謝されること」を続ければ、お金は入り続け、金融機関の信頼を得られれば、いくらでもお金を融資してもらえ、富が加速という考えを持っています。
この考え方こそが、華僑が世界中で成功し続けている理由です。
日本人もこの視点を持てば、より安定した経済基盤を築くことができるでしょう。
「大金を稼ぐこと」ではなく、「お金がずっと入ってくる状態をつくること」にフォーカスできれば、本当のお金持ちになれます。
華僑が「金」と「不動産」を買う本当の理由「華僑は成功すると、金(ゴールド)と不動産を買う」
この話を聞いたことがある人も多いでしょう。
一般的には、「資産運用の一環として金や不動産を買う」と考えがちですが、華僑がこれらの資産を持つ理由は、それだけではありません。
実は、彼らが金(ゴールド)と不動産を購入する最大の理由は、「金融機関や取引先からの信頼を得るため」です。つまり、「お金を持っている」だけでは、信頼にはつながらないことを知っているからです。
お金は「多くの人に感謝されている証拠」であることはお伝えしたとおりですが、これを証明するのが難しいのです。ビジネスを成功させ、多くの顧客に価値を提供して、お金が集まってきたとします。手元に多額の現金を持っていても、証明するのは意外と難しいのです。
新規の取引先に対して、「私は利益が出ている会社を経営しているので、業務提携をしませんか?」「新しいプロジェクトを一緒にやりましょう」と持ちかけても、相手がすぐに信用してくれるとは限らないからです。
現金を持っているという証明をするのは難しく、海外でビジネスを展開する華僑にとっては、特に信用の獲得に時間がかかります。そこで、華僑は「誰が見ても確実に資産を持っているとわかる形」に代えて証明するのが早いと考えているのです。
それが「金」と「不動産」です。「金(ゴールド)」と「不動産」は信頼の証を公的に証明ができます。華僑が金や不動産を購入する理由は、資産を可視化することで、金融機関や取引先の信頼を得るためなのです。

中国・北京へ留学し、現地で富裕層向け美容室事業、貿易事業、不動産事業など複数事業を成功へ導く。2024年には東京証券取引所へ新規上場を果たす。サブスク事業やSaas事業のクライアントのマネタイズ実績は累計1000億円以上。本書共著者の鄭剣豪氏と日本AIロボット株式会社を創業し、日本一のサブスクを決めるサブスク大賞2024にて「AIロボットのサブスク」が特別賞を受賞。医療法人理事に就任し、「新宿クリニック」「新宿消化器内科クリニック」「表参道総合クリニック」「クロト薬局」の経営もしている。国内外の華僑ビジネスにも深く精通しており、「華僑経営オンラインスクール」の塾長もしている。
アジア貿易、投資ファンド運営、企業M&A、工業団地開発、文化交流事業、不動産開発管理など多岐に事業を行ない、寧波、香港、北京、東京、大阪、北九州など各地に法人を運営。2014年に神戸にあるP&Gジャパンの30階建ての本社ビルを買収したことは日本でも大きな話題となった。経営者として活躍するほか、20年間以上日中友好交流活動に力を入れ、両国のマスコミを通じ、日中友好論者として積極的に活動を展開している。
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