本記事は、新井 亨、鄭 剣豪氏の著書『シン・華僑の教え』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

名刺
(画像=beeboys / stock.adobe.com)

日本人が学ぶべき、ビジネス人脈を築く「名刺交換」法

ビジネスの世界では、「人脈を広げることが成功の鍵」と言われており、日本でも、名刺交換会やビジネスマッチングイベントが開催されています。こうした名刺交換会に参加し、新たな取引先を探すのは、よく見る光景です。

しかし、華僑の成功者たちは、こうした「大人数が参加し、誰が参加しているかわからない名刺交換会」には参加しません

華僑は、「多くの人と名刺を交換すること」に価値を見いだしているのではなく、「相手を知り、自分がどのように貢献できるか」を考えることを最優先にしています。

よって、華僑は、相手がある程度わかっている名刺交換会に参加します。

では、なぜ華僑はこうした方法をとるのか?

その理由は、本当に価値のある人脈を築くには、相手にメリットを先に提供することが必要不可欠だからです。

華僑は名刺交換をする前に「事前リサーチ」を徹底します。

華僑は「何も知らない相手と名刺を交換しても、ビジネスにはつながらない」という現実をよく理解しています。

華僑が名刺交換やビジネス交流をする場合、必ず事前に相手の企業や人物を徹底的にリサーチします。


◉相手の企業はどのようなサービスを提供しているのか?
◉売上の構成と主要な取引先はどの企業なのか?
◉本社の所在地はどこで、社長の経歴や家族構成は?

ここまで調べた上で、「自分が提供できる価値は何か?」を考えます。

「どんなメリットを相手に与えられるのか?」

この視点を持つことが、華僑のビジネス成功の大きな要因です。

「くれくれ人間」は、本当のビジネス人脈をつくれない

華僑のビジネスの考え方では、初対面でビジネスにつながる確率は非常に低く、単に「仕事が欲しい」「取引してほしい」という姿勢での名刺交換は意味がないことを知っています。

一方、多くの日本企業がこの考え方を実践できていません。

名刺交換会では、多くの日本人ビジネスパーソンは「こういう仕事をしています。何でもやるのでよろしくお願いします」とお願いするだけの人がほとんどです。

しかし、華僑の成功者たちは、こうした「お願いベース」のアプローチは一切しません。彼らは、相手の役に立つ情報やリソースを先に提供することで、信頼を獲得していきます。「ギブ・ファースト」が何より大事だと理解しているからです。

「まず相手に価値を提供した結果、自然とビジネスが生まれる」
「先に『くれくれ』(リターンを求める)人間とは仕事をしない」

この考えが、華僑の成功の土台になっています。

華僑は、最初から「仕事をください」とは絶対に言いません。むしろ、「私があなたに提供できる価値はこれです」という姿勢を徹底しています。だから嫌われることがありません。

「くれくれ人間」はビジネスで成功できないと華僑は考えています。

華僑のビジネスパートナーの中には、「先に『くれくれ』と言う人とは絶対に仕事をしない」と決めている人もいます。なぜなら、ビジネスは「お互いに価値を提供し合うもの」だからです。ちなみに、私(新井)も先に「くれくれ」と言う人とは仕事をしないと決めています。

どちらかが「もらうこと」ばかり考えていると、関係は一方的になり、長続きしないことを理解しているからです。あなたのまわりにも、「とにかく仕事をくれ」

「紹介してくれ」とリターンばかり求める人がいませんか?

こうした人たちは、短期的には何かを得られるかもしれませんが、長期的には信頼を失い、良い人脈が築けなくなります。

華僑に限らず、成功する人は、常に「相手にどんなメリットを提供できるか?」を考えており、その結果、自然と信頼関係が生まれ、長く続くパートナーが増えていきます。

華僑は、ビジネスにおいて無駄な時間を使うことがありません。

名刺交換会やビジネスマッチングイベントに参加する前に、相手をしっかり調べて、相手に提供できるメリットを考える。その上で、初めて名刺交換をする。こうするだけで、ビジネスの成功確率は格段に上がります。

ここでまとめます。


◉華僑は、知らない人とむやみに名刺交換はしない。
◉事前に相手を徹底的にリサーチする。
◉まず相手にメリットを提供することを優先する。
◉先に「くれくれ」と言う人とは仕事をしない。

こうした姿勢を身につけるだけで、ビジネスの景色は大きく変わります。

『シン・華僑の教え』より引用
新井 亨(あらい・とおる)
サブスクD2C総研株式会社代表取締役。ARAIインベストメント代表、株式会社Telemarketing One代表取締役。株式会社RAVIPA代表取締役社長。英国ウェールズ大MBA卒業。年商1000億の企業のサポートも行なうサブスク業界の第一人者。
中国・北京へ留学し、現地で富裕層向け美容室事業、貿易事業、不動産事業など複数事業を成功へ導く。2024年には東京証券取引所へ新規上場を果たす。サブスク事業やSaas事業のクライアントのマネタイズ実績は累計1000億円以上。本書共著者の鄭剣豪氏と日本AIロボット株式会社を創業し、日本一のサブスクを決めるサブスク大賞2024にて「AIロボットのサブスク」が特別賞を受賞。医療法人理事に就任し、「新宿クリニック」「新宿消化器内科クリニック」「表参道総合クリニック」「クロト薬局」の経営もしている。国内外の華僑ビジネスにも深く精通しており、「華僑経営オンラインスクール」の塾長もしている。
鄭 剣豪(てい・けんごう)
中国人実業家。剣豪集団株式会社会長。一般社団法人日本中国商会(JCCC)会長。日本寧波商会会長。中国寧波市生まれ。神戸大学法学修士。北京大学光華管理学院EMBA。
アジア貿易、投資ファンド運営、企業M&A、工業団地開発、文化交流事業、不動産開発管理など多岐に事業を行ない、寧波、香港、北京、東京、大阪、北九州など各地に法人を運営。2014年に神戸にあるP&Gジャパンの30階建ての本社ビルを買収したことは日本でも大きな話題となった。経営者として活躍するほか、20年間以上日中友好交流活動に力を入れ、両国のマスコミを通じ、日中友好論者として積極的に活動を展開している。

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