本記事は、新井 亨、鄭 剣豪氏の著書『シン・華僑の教え』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

シンプル,思考
(画像=mami / stock.adobe.com)

複雑な経営理論に頼らず、とことんシンプルに考える

ここから、華僑がいかに売上を最大化するように考えているのか、費用をどのように考えているのかについて解説をしていきたいと思います。

華僑の強さは、複雑な経営理論に頼らず、シンプルに考えることにあります。

華僑が考える売上高は、たった3つの掛け算で考えます。

売上=「お客様に選ばれること(人数)」×「価格」×「何回買うのか」

ビジネスはお客様が商品やサービスを「選んで買ってくれる」ことで成り立ち、売上は「売った金額」ではなく、「お客様が選んでくれて支払った金額」という原則を理解するのが大前提です。

大事なことなので繰り返しますが、売上を伸ばすなら「お客様に選んでもらう」ことが一番大事ということです。

売上が伸びない3つの理由、売上を伸ばす3つの方法

売上が伸びない理由は、たった3つしかありません。

①お客様が「買いたい」と思える商品やサービスがない(魅力がない)。
②価格が予算に合わない(適正価格でない)。
③購入後に満足度が低かったので、次は買わない(再度買わない)

あなたがお客様として買わない理由は、この3つだけではないでしょうか?

お店に入って買いたいと思える商品がなければ買いません。もし欲しい商品があっても、予算オーバーだったら買いません。予算内で買ったとして、満足度が低ければ次は買いません、たったこれだけなのです。

逆に、買いたいと思っていた商品があり、価格が予算内(適正価格)であれば買います。そして、満足度の高ければ、次もその次もずっと買うでしょう。

ビジネスで売上を最大化しようと思ったら、買わない理由の3つを解決してあげると、売上は自然と伸びます。「そんなこと、わかっているよ」と思う人もいるかもしれないですが、売上が伸びない企業のほとんどができていません。

ですから、売上が伸ばす方法は、たった3つしかありません。

①お客様が「買いたい」と思える商品やサービスを用意する。
②予算に合う価格設定(この価格なら買ってもいいと思える)にする。
③購入後の満足度を上げて、何度も買ってもらえるようにする。

つまり、「お客様が欲しいもの」を「お客様が納得できる価格」で「満足するものを提供すること」の3つがビジネスの本質なのです。

『シン華僑の教え』より引用
(画像=『シン・華僑の教え』より引用)

セールストークやテクニックを磨いたら、売上は伸びるのか?

「気合」や「根性」では売上は伸びないし、セールストークをどれだけ磨いても一時的な売上にしかならず、売上は必ず下がっていきます。

多くの企業が売上不振を「接客が悪いから」「セールスが下手だから」「努力が足りないから」と勘違いしているのですが、そもそも「お客様が求めていないから伸びていない」という問題の本質に気がついていません。セミナーに参加してセールストークを磨いても、「お客様に必要と感じてもらい、選んで買ってもらう」という基本の考えがないと必ず倒産を迎えます。

仮にトークやテクニックで売れたとしても、お客様は欲しくない商品やサービスを買ってしまったわけだから、その売上は一時的なものに過ぎません。絶対にリピートして買ってくれないので、デメリットしかないわけです。

つまり、セールストークを磨くセミナーに行って、どれだけ売る力を磨いたとしても、それは一時的な売上に過ぎず、不必要なものを販売しているので、副作用として二度と買ってくれないお客様を増やすことになってしまうのです。

「二度と買ってくれない」という致命傷

店舗ビジネスは、基本的に商圏が3キロ以内といわれています。そのため、二度と買ってくれないお客様を増やすことは致命傷になります。二度と来店してくれないお客様が増えたら、時間の経過とともに売上が下がり、経営がどんどん苦しくなるのは、誰にでもわかることでしょう。

逆にお客様が選んでくれる満足度が高い商品やサービスを提供していれば、リピート来店をしてくれる方が増えるので、時間の経過に伴い、売上も利益も右肩上がりに伸びていきます。

『シン・華僑の教え』より引用
新井 亨(あらい・とおる)
サブスクD2C総研株式会社代表取締役。ARAIインベストメント代表、株式会社Telemarketing One代表取締役。株式会社RAVIPA代表取締役社長。英国ウェールズ大MBA卒業。年商1000億の企業のサポートも行なうサブスク業界の第一人者。
中国・北京へ留学し、現地で富裕層向け美容室事業、貿易事業、不動産事業など複数事業を成功へ導く。2024年には東京証券取引所へ新規上場を果たす。サブスク事業やSaas事業のクライアントのマネタイズ実績は累計1000億円以上。本書共著者の鄭剣豪氏と日本AIロボット株式会社を創業し、日本一のサブスクを決めるサブスク大賞2024にて「AIロボットのサブスク」が特別賞を受賞。医療法人理事に就任し、「新宿クリニック」「新宿消化器内科クリニック」「表参道総合クリニック」「クロト薬局」の経営もしている。国内外の華僑ビジネスにも深く精通しており、「華僑経営オンラインスクール」の塾長もしている。
鄭 剣豪(てい・けんごう)
中国人実業家。剣豪集団株式会社会長。一般社団法人日本中国商会(JCCC)会長。日本寧波商会会長。中国寧波市生まれ。神戸大学法学修士。北京大学光華管理学院EMBA。
アジア貿易、投資ファンド運営、企業M&A、工業団地開発、文化交流事業、不動産開発管理など多岐に事業を行ない、寧波、香港、北京、東京、大阪、北九州など各地に法人を運営。2014年に神戸にあるP&Gジャパンの30階建ての本社ビルを買収したことは日本でも大きな話題となった。経営者として活躍するほか、20年間以上日中友好交流活動に力を入れ、両国のマスコミを通じ、日中友好論者として積極的に活動を展開している。

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『シン・華僑の教え』
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