本記事は、金川顕教氏の著書『すごい勉強法』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています。
人より秀でたいのなら孤独に強くなれ
大学時代、サークルは1年の冬に辞めましたし、僕にはとくに仲のいいグループはありませんでした。
周りを見れば、楽しそうなグループが笑い声をあげ、仲の良さそうなカップルがキャンパスを歩いています。
でも僕は、授業が終わればTACに直行。合コンの誘いも飲み会の誘いもありません。いちばん楽しいはずの大学生時代に朝6時から夜12時まで勉強をやり続けること3年半。それでようやく公認会計士試験に合格。そして大学4年生のうちに働きだしたので、いわゆる「キャンパスライフ」は送っていません。
成人式も、二浪目で入試の直前だったので、出席していません。だから地元の友人との懐かしい時間も過ごせませんでした。
つまり18歳からの数年間、僕はほとんど人と関わっていないのです。予備校やTACで、志を同じくする人と情報交換はしていましたが「あのときは青春だったなあ」などと、大学時代の思い出を語れる仲間は1人もいません。
目標に向かって走り出すということは、群れを抜け出すということ。
だからやりたいこと、そして、自分にとことん向き合い、孤独に耐える精神力が必要なのです。
しかも、自分がレベルアップすればするほど、自分に共感してくれる人はどんどん少なくなります。
平均年収で考えてみても、貧困層から低所得層、中流層、プチ富裕層、富裕層……と、高所得層になるほど、人数は少なくなっていきます。
平均年収ピラミッドの頂点に立つ人は、単に人数が少ないだけでなく、交流がドライだという特徴があります。単なるお友だちごっこのようなことはせず、自分に必要がないと判断する相手と無理につきあうようなことがありません。
たとえ人に嫌われても、自分に心地いいことしかしない。それで嫌われるならそれでも構わないと思っています。自分の意志をはっきりさせたことで嫌われるのなら、そこまでの人間関係。それぐらいで自分のことを嫌うような人は、自分にとってもそれほど大切な人ではないと割り切っているのです。
今の仲間といて居心地がいいのなら、そこから出たくないと考えるのは当たり前です。でも、ここで思い切ってその群れから飛び出さない限り、あなたの欲しいものはずっと手に入らないかもしれません。
多少何かを失っても、ときには仲間に受け入れられなくなっても、それは成長する上で仕方のないこと。
昔からの仲間との友情を保ったまま、仲間たちから浮いたり、嫌われたりすることのないまま、いつまでもワイワイ楽しみながら成功を手に入れたい。
そう思ったところで、それはあくまでもきれいごとです。
上に行けば行くほど、人と違うスキルを身につければつけるほど、妬まれるし、敵も多くなるし、批判もされます。
つまり成功すればするほど孤独感は増していくのです。