本記事は、金川顕教氏の著書『すごい勉強法』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています。
やりたくないことを明確にする
日本人はもともと忍耐強い上、我慢することを教えられて育ちます。
それに比べると欧米人は「NO」をはっきり言えます。
日本でこれをやりすぎると「まったくあの人はワガママで……」と思われがちですが、やりたくないことを明確にすることは、実は大切なこと。
今も、さまざまなビジネスの誘いを持ちかけられることがありますが、あまり気が乗らないときは、「知り合いだし断るのは申し訳ないなあ」などという考えは捨て、曖昧な返事はせずにきっぱり断るようにしています。
また、やるべきことを書き留めた『TO DOリスト』。ビジネスマンは作るべきだと言われています。僕も一時はやっていました。
でも、やるべきことを書き始めたら、キリがない。そして、全部やっていたら時間が足りなくなってたいへんだし、おそらくやり切れないでしょう。未処理の項目が増えれば、「ああ、やらなきゃ」と気になってしまうだけ。その結果、仕事の効率が落ちるし、精神的にもよくないのです。
やるべきことが多い人は、逆にやらなくていいことをリスト化することをお勧めします。
『NOT TO DOリスト』です。
やらなくていいことはしない。勉強においてもビジネスにおいても、結果を出せない人は、本来やらなくていいことをやっている時間が多いのではないでしょうか。
ではやらなくていいこととは何か。
この本にも書いたように、カフェで勉強するときはLINEを見ない、行きたくない飲み会には行かない、意味のない残業はしない、など、たくさんあるのではないですか?
「成長する時期の今は、これはやるべきではない」ことを、とりあえず思いつくままに挙げてみてください。
僕は会社員時代「通勤時間」をいらないものとして書いていました。当時は会社のすぐ近くに勉強用の事務所を借りて、通勤時間を数分にしていましたが、それでも自宅に帰る日もあったので、そのときすぐはかないませんでした。でも今は車移動になりましたし、そもそも通勤の必要がありません。「いらない」と書いたことが現実になったのです。
そして、僕にとってのやりたくないことは家事でした。
だから今は、家事代行を頼んでいます。
1時間2500円ぐらいで依頼していますが、その1時間でメールの返信をしたり、仕事の打ち合わせをしたり、読書をしたりできるので、正しい判断だと思います。
僕と同じようにしたいけれど今はまだ無理だという方は、将来やりたくないことリストに「家事」と書いておくといいと思います。「今すぐやめること」「将来やめること」を分けておくのです。
言葉に出すと実現化するとお話ししましたが、文字化するのも良い方法。それをいつも見えるところに貼っておくのもいいかもしれません。
「やること」「やりたくないこと」の基準は、それをして自分が楽しいかどうか、テンションが上がるかどうか、です。
つまり、楽しくないこと、テンションの上がらないことが、やりたくないこと。
そういうものは極力「やらない」と割り切って、それよりも、自分がやるべきことだけをする方が、俄然、効率は上がるのです。