本記事は、金川顕教氏の著書『すごい勉強法』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=PIXTA)

結果を出すのに才能はいらない

まずは、僕が大学を受験するにあたって、どんな勉強法を学んでいったかをお話ししたいと思います。

この本の読者はすでに働いている方ばかりでしょうし、むしろビジネスチャンスや起業のヒントの探し方などを学びたいと思っているのではないでしょうか。

でも、僕が身につけたノウハウのすべてを公開するにあたって、時系列に沿って順序だてて話を進めた方がわかりやすいと考えました。「自分には関係ない」と思わず、僕の試行錯誤を自分のこととして読んでいただければと思います。

才能がある人はどんな方法で学んでも結果を出します。

自分でも知らないうちにできていた。できるのが当たり前……という人も確かにいるかもしれません。

でも、そんな人はごくひと握り。

おそらく、才能がある人は今このページを読んではいないでしょう。

そもそもの話、よほどの天才ではない限り、才能は芽生えるものではなく作るものだと僕は思います。

世間で才能があるといわれている人だって、見えないところで努力をしている場合がほとんどです。

普通の人は普通のことしかやっていないから、その結果、普通の人にしかなれません。才能があると言われている人は、人並み以上の勉強をしているからこそ、結果を出せるのです。

僕も、大学時代は公認会計士試験の勉強を死ぬ気でやっていました。同級生たちが遊んでいるときに、合コンにも行かず、成人式も行かず、朝から晩まで勉強していました。だから合格できたのです。

結果を出すのに才能はいりません。

バックグラウンドを無視して成功することだって可能です。世間で言う三流大卒や、高卒や中卒からだって逆転は可能なのです。

偏差値の高い大学を出て一流企業に就職が決まると、それだけで成功を手に入れたと思いがち。そうすると、そこから外れようという発想が生まれにくくなります。たとえば会社を辞めたい、起業したい、と思ったとしても、高学歴ゆえに、プライドが邪魔して思い切ったことができない、という人もいます。親の期待を背負っているし、裏切るなんてできない。そう考える人もいるでしょう。

僕のトーマツ時代の同僚はみんな優秀でした。優秀な人たちが、その上に努力をした結果、公認会計士の資格を得たのです。わざわざそこから飛び出そうなどと思わない人がほとんどでしょう。たとえ僕のように「何かが違う。自分の力で戦いたい」と思い始めたとしても、せっかく得た肩書が通用しない世界で戦う勇気は、なかなか生まれてきません。

けれども最初から何ももっていなければ、捨てるものもありません。強い意志だけをもち、ひたすら前に進んでいけばいい

僕は中学生の頃、両親が離婚して大きなショックを受けたこと、偏差値の低い高校にしか行けなかったことなどのマイナス要素があったからこそ、成功して豊かになりたいという気持ちを強くもつことができました。

もともと家が金持ちだったわけでもないし、特別な才能があったわけでもない。親に期待されていたわけでもない。それがかえって功を奏したのかもしれません。

1日に少しずつでもコツコツ勉強していれば、入社したことで安心して向上心をなくしてしまった人の能力を追い抜く日は必ず来ます。

重要なのは結果なのです。

ただし、成功するためには、「超効率的」な勉強法を取り入れなくてはいけません。

これは何も勉強に限ったことではなく、仕事にも言えること。営業で成功している人はもともと営業の才能があったわけではなく、実は見えないところで、必ず効率化をはかっているのです。

TTP(徹底的にパクれ)!

「人マネはよくない」

そういう人もいるでしょう。でも僕は、徹底してマネをするのはとてもいいことだと思っています。

勉強もそう。ビジネスもそう。成功したいなら成功している人のマネをすればいい。

自分の頭で考えるのではなく、成功者や結果が出ている人の答えを見る。そして理解する。これがとても大事です。

だって、そもそもやり方が間違っているから伸び悩んでいるのです。つまり、あなたのそのオリジナリティにはまったく意味がありません。

間違った方向に努力するなんてことは、時間とエネルギーの浪費以外の何物でもないのです。

現役で大学受験に失敗した僕は、当時住んでいた三重県から、名古屋の予備校に通いました。その予備校にはメディアにもよく登場する有名な先生がいたので、その先生の授業をとりました。その先生の授業を受けるだけでなく、著書を読み、その先生が推奨する勉強法を学びました。

驚いたことに、そこに書かれていた勉強法は、それまでの僕のやり方とはまったく違っていました。そして、僕はハッと気づいたのです。

「実際に偏差値の高い人や志望校に合格できた人は何をしているのかを参考にしたら、もっと早く結果が出せるんじゃないか! 」

そこで僕は、大学受験に成功した人たちを何人もリサーチして、徹底的に彼らの勉強法を真似し尽くしました。すると、それまで伸び悩み続けていた僕の成績が少しずつですが確実に上がり始めたのです。

もしも、あなたがいくら勉強に時間を費やしても結果が出ていないのだとしたら、そもそも勉強のやり方が間違っているのだと思った方がいい。逆に言えば、勉強ができる人というのは結局のところ、結果を出す勉強のやり方を知っている人。つまり、自分は勉強ができないと思うのなら、できる人のマネをすればいいわけです。

  1. 勉強好きで成績のいい友だちに勉強法を聞く
  2. 勉強本を読んで勉強に対する考え方を変える
  3. 成果を挙げている専門家に会いに行く
  4. 勉強好きの人が開催するセミナー、コミュニティに参加する

積極的にこういうことを実践して、まずは「結果を出す勉強のやり方を学ぶ」ことが大事なのです。

幸い、今は検索すればいくらでも情報を得ることができます。効率のいい勉強法やテクニック、体調管理法などをインターネットで検索してから勉強を開始するだけで、かなり効率は上がり、成功への近道になるのではないでしょうか。

ビジネスの場合も、まずは成功している人を模倣すること。

ビジネス本を読むのもいいけれど、何よりいいのは、実際に成功している人の話を聞くことです。もっといいのは結果を出している人のそばにいて、行動や思考を徹底的に真似させてもらうこと。

たとえば「あの営業マン、すごく結果を出しているな。優秀だな」と思う人がいたら、話を聞かせてもらうチャンスを作る。できれば仲良くなる。そして一緒にいる時間を増やす。そうすれば結果を出す方法を自然と学ぶことができるのです。

人間の脳には、他人の行動を見ると自分自身が行動しているかのように反応する神経細胞があります。それはまるで鏡(ミラー)に映るかのように他人の行動に共鳴する反応なので、ミラーニューロンと名付けられています。

ということは、結果を出している人の行動をつぶさに観察することは、脳の仕組み的にもやはり、非常に効果的な方法だというわけです。

尊敬する人がいるのなら、その人の秘書になるのがいちばんだと思います。雑務係でも、運転手でも、カバンもちでもいい。とにかく大事なのは、そばにいる時間を作り、ミラーニューロンを活性化させること。そしてそれを徹底的に真似することなのです。

下手なオリジナリティなんかいらない。
TTP(徹底的にパクれ)!
結果が出るまでマネを積み重ねる。
個性なんか捨てろ!

僕はそう思っています。

すごい勉強法
金川顕教
経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家。三重県生まれ、立命館大学産業社会学部卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツ勤務を経て独立。トーマツでは、不動産、保険、自動車、農業、飲食、コンサルティング業など、さまざまな業種・業態の会計監査、内部統制監査を担当。経営コンサルタントとして独立し、不動産、保険代理店、出版社、広告代理店などさまざまなビジネスのプロデュースに携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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