本記事は、金川顕教氏の著書『すごい勉強法』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています。

仕事,量
(画像=PIXTA)

量からしか質は生まれない

僕は効率化の本も出版していますし、実際、日頃から効率的に生きることを心がけています。

  • 「じゃあ今すぐに効率のいい勉強法を教えてほしい」
  • 「最も近道はなんですか?」
  • 「とにかく上達のコツを教えてください」
  • 「最速で成功するためにこの本を買ったんです」

……と、おっしゃる方も多いでしょう。しかし、そんな魔法の方法はありません。

効率重視の僕ですが、あえて言わせていただきます。

量からしか質は生まれません。最初から質のいい勉強をしようと思っても、それは不可能です。

最初から最短ルートで理解できるほど頭のいい人は、そんなにいません。いたとしても、そんな人は今、この本を読んでいません。

質というのは量をこなした後からついてくるものなのです。僕はとにかく、テキストを見る回数を増やして理解していました。

とにかくテキストにアンダーラインを引きまくり、めくりまくる。毎日短い時間でいいからそれを繰り返していたら、そのうちにどこに何が書いてあるか、わかるようになっていきました。

公認会計士試験というのは、とにかく科目が多く、企業法、管理会計論、監査論、財務会計論、監査論、租税法、会計学、企業法、さらに選択科目4科目……経営学、経済学、民法、統計学の中から1科目、合計9科目の勉強をしなければなりません。それぞれに分厚いテキストがあり、1日1科目というペースでやっていると、1週間では終わらないのです。

そこで僕は1日に最低2科目というノルマを課して、1週間のうちの4〜5日はその内容の8~9割が理解できるまでひたすらテキストをめくりまくり、残りの2〜3日で試験問題の勉強をしていました。それを休むことなく、ひたすら毎日繰り返したのです。

授業内容も難しいので、とにかく回数をこなさないと頭に入ってきません。そこで、忘れる量が少ないうちに反復するため、授業内容を録音し、授業が終わった後にもう一度聞いていました。

効率的に生きるのが信条である僕自身も、こんなふうにコツコツと、試行錯誤を繰り返しながら、大学入試や資格試験、そして、ビジネスや投資に取り組んできたのです。

「すぐやる」&「反復する」

量をやれと言っても、ひたすら時間をかけろという意味ではありません。

あくまでも大切なのは「すぐやること」と「反復すること」

習ったその日に短時間だけでもいいからすぐに復習すること。そして、何度もやることです。つまり、日々、反復学習をすることが大事なのです。

また試験は短期勝負です。公認会計士試験の場合、短答式試験まで2年ありましたが「よし、2年後に向かって頑張ろう」と思っても、なかなかイメージが湧きません。

そこで僕は1カ月を基本単位で考えていました。

1カ月走り切ったら、よし、また来月、という発想です。

そう思っていないと「まだ先だから今日1日ぐらいさぼってもいいかな」となってしまう。

たとえば「今月はこの法律の本を1冊読破する」というように、1カ月にワンテーマ。明確な目標を設定して、短期決戦で究めるわけです。

1カ月で区切った方が「あと3日でこの章まで覚えよう」「時間がないからスピードアップしよう」などと、時間の区切り方などもわかりやすいのです。

そうすると1カ月の濃度がとても濃くなります。

そんな濃い1カ月を24回繰り返したことで、僕は2年後の短答式試験で一発合格という結果を出すことができたのです。

すごい勉強法
金川顕教
経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家。三重県生まれ、立命館大学産業社会学部卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツ勤務を経て独立。トーマツでは、不動産、保険、自動車、農業、飲食、コンサルティング業など、さまざまな業種・業態の会計監査、内部統制監査を担当。経営コンサルタントとして独立し、不動産、保険代理店、出版社、広告代理店などさまざまなビジネスのプロデュースに携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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