要旨

経済見通し
(画像=PIXTA)

<実質成長率:2021年度2.7%、2022年度2.5%、2023年度1.7%を予想>

  1. 2021年7-9月期の実質GDP(2次速報)は、1次速報の前期比▲0.8%(年率▲3.0%)から前期比▲0.9%(年率▲3.6%)に下方修正された。
  2. GDP2次速報の結果を受けて、11月に発表した経済見通しを改定した。実質GDP成長率は2021年度が2.7%、2022年度が2.5%、2023年度が1.7%と予想する。足もとの消費が想定よりも上振れていることを受けて、2021年度の成長率見通しを0.1%上方修正した。
  3. 2021年10-12月期の実質GDPは、緊急事態宣言の解除に伴う民間消費の高い伸びを主因として前期比年率8.3%の高成長となり、コロナ前(2019年10-12月期)の水準を回復する可能性が高い。ただし、コロナ前の実質GDPは消費税率引き上げの影響などから平常時よりも落ち込んでおり、この水準を回復しても経済の正常化とはいえない。実質GDPが直近のピーク(2019年4-6月期)の水準に戻るのは2023年4-6月期と予想する。
  4. 新型コロナウイルスに対する政策対応がこれまでと変わらなければ、感染動向に経済が大きく左右される状況は変わらない。一方、医療体制の拡充や医療資源の適正な配分などを十分に進めておけば、感染者数が一定程度増えても経済活動を制限する必要性は低下し、景気が大きく上振れる可能性がある。
69569_ext_15_0
(画像=ニッセイ基礎研究所)