本記事は、喜多野修次氏の著書『SNSでお金を稼ぐ! 「好き」を「お金」に変える教科書』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

SNSマーケティングはなぜ重要なの?

SNS,稼ぐ
(画像=bee/PIXTA)

SNSの時代とモノの買い方の変化

ここでは、「なぜSNSをビジネスに利用すべきか」について説明したいと思います。そのために、まずモノの消費のされ方が時代とともにどのように変わってきたかをお話しします。

以前の日本ではモノさえつくれば売れる時代がありました。1950年~70年代の高度経済成長期の頃は、モノの数自体が少なかったため、モノの供給よりも需要の方が多かったのです。そのため、作り手中心の考え方でも、とにかくつくってさえしまえば、飛ぶように商品は売れました。

ところが時が経つと日本も裕福になり、モノが溢れかえりました。テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品をはじめ、家具、衣類などの生活必需品。これらは安価で良質な製品が次々と生まれ、今では誰もが簡単に手にできます。お店に並ぶ品々は、よほどのひどい商品でない限り、安くてもしっかりと役目を果たしてくれるようになりました。

そうしたモノが溢れると、機能面での差がほとんど見えづらくなりました。例えば家電店に行っても、ほとんどの商品が同じに見えてしまいます。説明書を見ても細かな違いしかないので、何を買って良いかが分からない。こうした感情を抱いたことがある方は少なくないと思います。

こういった商品自体の差が見えにくい時に、人々は何を理由にしてモノを購入するのでしょうか。現在、購入の意思決定を大きく左右するのは、その商品の背景にあるストーリーに「共感」しているかどうかということです。これが今、世の中で、“ストーリー消費”とか“共感マーケティング”と言われているものです。

つまり、人々は「機能的な価値」の違いよりも「情緒的な価値」の違いを求めるようになってきたのです。消費者にとっては、「その商品が何のために生まれてきたか」、「どういう価値観を持つ商品なのか」、「作り手はどういう人か」という背景が、購買においての大切な指針となってきているのです。

SNSとストーリー消費の時代との親和性

ストーリーを伝えること、共感を生むことにおいてSNSよりも優れたメディアは存在しません。これが、私がSNSマーケティングを推奨する理由です。SNSで商品が持つ魅力や価値観、作り手の人となりなどを発信することで、お客様との間に信頼関係を構築することができます。もっと簡単に言えば、自分の“ファン”をつくることができます。以下では、その理由についても説明します。

ザイオンス効果を高められる

ザイオンス効果とは、同じ人やモノに接する回数が増えれば増えるほど、その人やモノに対して好印象を持ちやすくなる心理現象のことです。別名「単純接触効果」とも呼ばれています。

例えば、営業ではザイオンス効果を利用して、お客様との接触回数を増やすことで、好印象を持たせることができると言われています。だから営業マンは顧客のところに何度も足を運び、顔を覚えてもらって信頼関係を構築していくのです。同様に、企業が莫大な広告費を割いて何度もテレビCMを流すのも、ザイオンス効果による印象UPを期待しているのが主な理由です。

フリーランスでも、集客を行うには、このザイオンス効果を高めることが大切になります。しかし、フリーランスは、お客様の所に何度も足を運んだり、広告を打ったりすることが難しい仕事です。自分一人で全てを行うフリーランスは、営業活動だけに時間を割くわけにはいきませんし、かといって広告は個人で打つにはあまりにも費用が高額です。

そうした時に、SNSを集客に使うことで、簡単にザイオンス効果を高めることができるのです。1日1回でもスキマ時間に投稿するだけで、あなたをフォローしている潜在的顧客の方々との信頼関係はしっかりと高まっていきます

以前のフリーランスの集客方法

ちなみにSNSが誕生する前のフリーランスの集客方法はどうだったのかというと、典型的なのは「ホームページを作る」「ブログを書く」「チラシを配る」といった方法でした。しかしこれらの方法は、総じてかかる時間に対して効果が薄いという問題がありました。

ホームページは、まず作るのにお金がかかりますし、作ったからといってお客様に対して自分からアプローチができるようになるわけではありません。SEO(検索エンジン最適化)で検索上位に来ない限り、作ったホームページは誰にも見られずに終わってしまうので、継続したSEO対策をしていかなければ意味がないのです。

ブログも、非常に手間と時間がかかります。毎日更新しようと1日何時間もかけてネタを探し何万文もの記事を書き続けたとしても、SEOで検索上位に来なければ、誰にも見てもらえません。芸能人など有名人がブログを書いている中で、あなたが人気ブロガーになって、人々の目に触れ続けるのは本当に狭き門だと言えます。

また、チラシも作成・ポスティングの両方で毎回時間とコストがかかりますし、配ったとしても一瞥もされないでゴミ箱に捨てられてしまうことでしょう。

このようにフリーランスがザイオンス効果を高めて集客することは、今まで非常に難しいとされていました。ところが、SNSの登場により、個人でも「単純接触機会」を増やせるようになったのです。だから個の時代にSNS運用のやり方を身につけることは、必須スキルと言えるわけです。

SNSをビジネスに利用するメリット

ここでSNSが特に優れている4つの点を説明します。

(1)誰でも簡単に始められる

SNSは本当に分かりやすいツールです。世界中でSNSを利用する人の数は40億に及ぶと言われています。

40億人の中には、教育体制が整っていない後進国の方も多く含まれています。日本とは違い、教育をしっかりと受けることができなかった国でも、当たり前に利用している。それくらい簡単にできるのがSNSなのです。

また投稿だけでなく、フォロワーと繋がってコミュニケーションを取り合うことも簡単にできるように設計されています。これにより、集客だけでなく販売までの導線を構築することも可能になっています。

(2)即効性がある

SNS集客はホームページ集客やブログ集客よりも効果が現れやすい側面があります。もちろんSNSの中にも即効性が出にくいものがあり、優先順位をつけて運用していく必要があります。ですが、即効性が比較的ないとされるYouTubeでさえも、今までのホームページ集客やブログ集客と比べれば、はるかに簡単ですぐに効果が現れるものだと言えます。

(3)幅広く高精度な発信ができる

SNSを使えば、あなたが地球上のどこにいても、日本中に向けて情報を発信することができます。もちろん多言語を使える方であれば、世界中の人に向けて発信することも可能です。そして、やり方を身につければ、興味関心のありそうな人の目に触れるよう効果的に投稿することも可能です。

チラシを作って配るしかなかった頃は、ある地点から半径〇キロ以内とか、○○市内の人に配るというくらいの拡散力しか個人では持てませんでした。この圧倒的な発信力の強さもSNSの魅力となっています。

(4)お金がかからない

なんと言っても、ゼロコストでできる点がSNSの良いところです。最近ではホームページも自分で作ることができるツールが生まれています。しかし、SEOで上位にあがるようなホームページを自作するのは難しいと言えます。またホームページは一度作ってしまうとリニューアルをするにも、手間がかかります。

SNSというツールは、無料でチラシの作成から配布までを、何度も繰り返しできるようなものです。またアカウントを作り直すことも容易なので、リニューアルしたいと思った時も、ゼロコストで簡単に行うことが可能です。

無形商材でも有形商材でもSNSは効果がある

SNSをビジネスに利用するメリットは、ご理解いただけたと思います。もう1点説明しておきたいのが、SNSマーケティングはどんな業種の集客においても効果があるという事実です。

よくSNS集客は、具体的な商品を持たない無形商材にはあまり効果がないと思われている方がいますが、私がセミナーなどで教えているクライアントの中には士業やコンサルタントの方も多くいます。

簡単な例をあげましょう。ここでは税理士を例にとってみます。

昔は税理士自体の数が少なかったので、彼らには黙っていても仕事が来ていたそうです。ですが、今、日本に税理士は8万人弱いると言われ、コンビニの数よりも多くなりました。それだけライバルが沢山いる時代に、選ばれる税理士になるためには、やはりお客様にストーリーを伝え、共感を抱いてもらうことが大切になります。

ここにAさんとBさんの2人の税理士がいるとします。AさんはInstagramやYouTubeなどのSNSで積極的に発信をしています。専門家だからこそ知るお役立ち情報や、Aさんの人となり、仕事に対する想い、価値観などを分かりやすく伝えています。

一方のBさんは、SNSは何もやっていません。ホームページだけを持っていて、そこにお問い合わせ画面が用意されています。それだけです。では、この場合、あなたならどちらにお願いをしますか。

私なら間違いなくAさんに依頼します。はっきり言えば、私は、税理士のサービスの違いがよく分かっていません。誰に頼んでも大体同じだろうとさえ思っています。その程度の知識しかない私が、自分の大切に稼いだお金の管理を任せるなら、安心・信頼感があるかどうかその人の価値観に共感できるかどうかといった基準しかありません。士業・フリーランスはその人自身が商品ですから、私はSNSを通して、Aさんという商品を理解できたので、Aさんなら安心して仕事を任せることができます。

これがSNSで集客をするということです。Aさんのザイオンス効果が私に働いたわけです。

税理士さんを例にとってみましたが、このようにザイオンス効果は無形有形を問わず、すべてに有効なのです。逆に言えば、SNSをやらないほうが良い業種はないといってもいいでしょう。

SNSでお金を稼ぐ!「好き」を「お金」に変える教科書
喜多野 修次(きたの しゅうじ)
株式会社SYK代表取締役社長。神奈川県生まれ。女手一つで育ててくれた母のために起業を決意。20歳でフリーランスの心理コーチとして起業するものの上手くいかず、借金400万円を抱えるようになる。失意の中、SNSマーケティングに出会い人生が一転。心理コーチとして月収200万円を達成する。その後、SNSを活用したマーケティングのコンサルティングを行う株式会社SYKを創業。集客に悩む経営者やフリーランスを中心に、これまでに2,700人以上を指導し、創業から1年半で月商3,000万円、年商3億円を達成した。著書に「フリーランスにいちばんやさしいTwitterマーケティング』「PC不要・センス不問・容姿自由!だれでもできる全く新しいSNS起業のしかた』『コーチ・コンサルのための完全オンライン型ビジネスの教科書」(以上、すべて電子書籍)等。

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