EV(電気自動車)といえば、真っ先に浮かぶのが米テスラかもしれない。各国自動車業界がEVに力を入れる中、中国でも続々とEVベンチャーが立ち上がっている。すでに上場を果たしている企業も少なくない。中国EVベンチャーの動向を解説していこう。

目次

  1. 中国のEVベンチャーの今
  2. NIO(上海蔚来汽車):「二億り人」を生んだEVベンチャー
  3. Xpeng(小鵬汽車):ターゲットは「中・高級市場向け」
  4. Li Auto(理想汽車):「理想ONE」の1モデルのみを展開
  5. 今後の上場が検討されている新興EVメーカー
  6. 中国のEV市場は「乱世」の時代に

中国のEVベンチャーの今

中国のEVベンチャーですでに上場している企業は、上海蔚来汽車(NIO/ニーオ)、小鵬汽車(Xpeng/シャオペン)、理想汽車(Li Auto/リーオート)の3社だ。このうちXpengとLi Autoは米国市場と香港市場で重複上場しており、NIOは米国市場でのみ上場している。

【中国の新興EV3社の上場状況】

企業名 米国市場での証券コード 香港市場での証券コード
NIO(上海蔚来汽車) NIO 未上場
Xpeng(小鵬汽車) XPEV 09868:HK
Li Auto(理想汽車) LI 02015:HK

このほか、中国には上場していない新興EVメーカーもある。華人運通(Human Horizons/ホライゾンロボディクス)や威馬汽車(WM Motor)などだ。両社に関してはいずれも上場計画に関して報道があり、2022年内には上場するとの見方もある。

NIO(上海蔚来汽車):「二億り人」を生んだEVベンチャー

「"ニオ"クリビト」という言葉を聞いたことがあるだろうか。漢字で書くと「二億り人」で、NIOの株式に投資して資産が2億円を超えた人のことを指す。それほど、NIOの株価は急騰した。

NIOは高級EVの製造に特化し、2018年9月にニューヨーク証券取引所に上場。しかし、2019年9〜10月にかけて株価が1ドル台まで下落。その後は、2021年1月にかけて60ドル台まで急騰している。

現在は株価が低迷気味であるが、販売台数を伸ばし続け、2022年は低価格車種の投入も計画しているようだ。同社は香港上場の計画もあるが、上場時期に関しては不透明。またシンガポール市場での上場の計画も持ち上がっている。

Xpeng(小鵬汽車):ターゲットは「中・高級市場向け」

Xpengは2020年8月にニューヨーク証券取引所に上場し、2021年7月に香港証券取引所に重複上場している。NIOが高級路線を貫いてきたのに対し、Xpengはそれよりはやや手頃な価格帯のEVの展開にも力を入れている。ターゲットは「中・高級市場向け」といった具合だ。

香港証券取引所に上場後、株価は2021年10〜11月にかけて高騰したが、2022年1月に入ってからは世界同時株安の影響もあって急落。現在は上場時よりも低い水準で推移。同社の将来性を考慮すれば、「買い時」と言えるかもしれない。

Li Auto(理想汽車):「理想ONE」の1モデルのみを展開

Li Autoが米ナスダック市場に上場したのは2020年7月、また香港証券取引所に重複上場したのが2021年8月のことだ。同社は「理想ONE」モデルのみに絞ってEVを展開していることで知られている。

2021年の年間販売台数は9万491台。1位のXpeng(9万8,155台)、2位のNIO(9万1,429台)には負けているものの、その差は僅差だ。欧州への海外進出も検討していることがすでに報じられており、欧州で同社のEVが受け入れられるかどうか、注目が集まっている。

株価の動きはXpengと酷似している。香港証券取引所では、2021年10〜11月にかけて大きな上昇を見せたが、その後、株価は下落傾向となった。

今後の上場が検討されている新興EVメーカー

Human Horizonsは自動運転技術に重きを置いている中国の新興EVメーカー。「HiPhi」というブランド名で高級EVを展開している。2021年は4,237台を販売。2022年中にも早ければ香港証券取引所に上場する見込みだ。

WM MotorもHuman Horizonsと同様に、2022年中に上場する可能性がある。このほか中国には、Hozon New Energy Automobile(合衆新能源汽車)やLeap Motor(零跑汽車)といったEV企業もあり、同様に上場を検討しているという。

中国のEV市場は「乱世」の時代に

現状、NIOとXpeng、Li Autoは中国の「EVベンチャー御三家」などと呼ばれ、販売台数も拮抗している。多くの投資家がこの3社に注目しているのだ。ただし今後上場を控える新興企業も多く、中国のEV市場は「乱世」の時代に突入しつつある。

こうした複数の同業企業がある中で、どのベンチャーに投資すべきか。見極めるには、月間販売台数の推移を追うなど、各社について継続的な分析が必要だ。情報収集に努め、しっかりとした投資成果につなげたい。

うまく上昇の波に乗れれば、「ニオクリビト」的な莫大な投資利益を得られる可能性は十分にある。

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