高齢になっても元気に働く人が増えたとはいえ、60代でリタイア生活に入る人は少なくない。一般的に60代になると収入が大幅に減るため、50代は「老後資金準備に向けた最後の貯め時」といえる。

現在の金利は非常に低いため、銀行での貯金だけでなく、資産運用も視野に入れて老後資金を確保したいものだ。しかし、これまで資産を運用したことがない50代の人が、慌てて資産運用を始めると失敗しかねない。そこで、おすすめしたいのが外貨預金だ。

今回は50代が資産運用を行う上での基本的な考え方を踏まえて、外貨預金について理解を深めていこう。

資産の状況をしっかり分析し、リスクは取らず分散投資が基本

50代からでもまだ間に合う !? 老後のために外貨預金で資産運用
(画像=hirobirock / stock.adobe.com)

まずは、50代が資産運用をする上での基本的な考え方について解説しよう。重要なことは、「どれくらいの老後資金が必要で、それに対して現状どれくらい不足しているのか」を知ることだ。

すでに十分な資産を持っているなら、リスクを負ってまで資産運用を行う必要はないが、そのような人は多くないだろう。「老後資金として〇〇万円不足しているから、この××年間で△△万円貯める必要がある」といった逆算思考で分析しよう。

「資産運用が必要」という結論に至ったら、まず気を付けたいのが「資金を特定の資産に集中させないで分散投資をする」「ハイリスク商品には手を出さない」という点だ。もちろん、これらの他にも資産運用において重要なポイントはあるが、今回はこの2点に絞って解説していく。

資金を特定の資産に集中させてしまうと、その資産が大きく値下がりした場合に資金が大幅に減ってしまう。50代は老後までの時間が短いので、資金を大きく減らしてしまうと挽回するのは難しい。集中投資は避けて、分散投資を徹底したい。

また、挽回するための時間が少ないため、ハイリスク商品には手を出さないことだ。「何がハイリスク商品に該当するか」は議論の余地があるが、例えば個別株が挙げられる。その企業が倒産した場合、投資した資金が返ってこない可能性もある。資産を一度に減らしてしまうリスクは取らない方が良いだろう。

50代からの資産運用に外貨預金が向いている理由

前述したリスクを踏まえて50代の資産運用初心者におすすめしたい金融商品は「外貨預金」である。では、その理由について見ていこう。

外貨預金は商品性が比較的シンプルなので、資産運用に慣れていない人でも始めやすい。特に「米ドル・日本円」の為替レートはビジネスでも使うことが多いため、初心者でもそれなりの知見があるだろう。

また、外貨預金は分散投資を実践しやすい。米ドルを中心に多くの通貨を保有することで分散投資を実現できる。

さらに、日本円よりも金利が高い通貨が多いため、日本円で運用するよりも投資効率を高めやすい。外貨預金の利益の源泉は、為替差益と金利収入だ。仮に為替レートがまったく動かなかったとしても、金利収入で利益を上げられるのだ。

為替レートの変動に注意

メリットの多い外貨預金にも、注意点がある。外貨預金には、為替レートの変動 (円高の進行) で資産が目減りするリスクがある。1米ドル100円のときに100万円分の米ドルを購入し、その後為替レートが1米ドル90円になった場合、資産額は90万円に目減りする (手数料などは考慮していない) 。

ただし、1米ドル90円のときに日本円に換金しない限り、為替差損は確定しない。為替レートの動向によっては、円換算すると資産が目減りする時期もあるだろうが、「いつまでに日本円に換金しなければならない」というルールはないので、為替レートが円安に振れるまでじっくり待つことができる。

米ドルを軸として新興国通貨にも分散しよう

実際に外貨預金を始めるとなった場合、どのような通貨に投資すればよいのだろうか。軸となるのは米ドルだろう。安定性が高い米ドルのほか、新興国通貨にも投資することで、リスクを分散させながら資産運用を進められる。

外貨預金は、50代から始めても遅くはない。老後資金の準備のために、ぜひ検討することをおすすめしたい。

(提供:大和ネクスト銀行


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