この記事は2022年5月6日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年5月6日(金)の午前9時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
西原宏一 青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
注目のFOMCは予想通り0.5%の利上げ。しかし、パウエルFRB議長が「0.75%の利上げは積極的に検討しているものではない」としたため、一時、米10年債利回りは2.8974%まで急落した。米国株は急反発して、米金利の下落により、米ドル/円は一時、128.63円まで急落した。
パウエル氏は「インフレはあまりにも高い」としているので、0.75%の利上げでも検討の余地はあると思うのだが、あくまでもソフトランディングを狙った展開。
こうしたソフトランディングは、株にはある程度の効果があるのだろうが、インフレの封じ込めにはあまり有効であるとは思えないのだが……。
現在の為替相場の戦略やスタンス
西原氏が感じた懸念は、多くのマーケット参加者のコンセンサスと同じだったようで、FOMC後に広がった楽観論はあっという間に消え失せ、前日(2022年5月5日)のNY市場では、リセッションの脅威が広がる中で、インフレ抑制が難航するとの懸念が広がった展開。
前日の米国株は急反落、ナスダックは約5%の急落、S&P500も3.6%と大きく値を下げている。米長期債が売りを浴び、米10年債利回りは3.03%でクローズ。米ドル/円も130.15円と130円台を回復し、NY市場は引けている。
FOMC後に一時。値を崩した米国債利回りだが、FOMCの連続利上げのスタンスは変わらず、米金利も底堅いまま。米10年債利回りと極めて高い相関性を維持している、米ドル/円の下落が限定的であることも変わらずだ。よって、米ドル/円の押し目買いは継続する。
▽米ドル/円の日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。