この記事は2022年6月29日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年6月29日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は底堅い動きが続いている。本邦当局者から「為替介入の可能性は否定できない」や「急速な円安は経済にマイナス」と言った円安けん制の発言があるたびに米ドル/円は下押しするが、すぐに反発していることから、結局は買い場の提供にしかなっていない。

今週のイベントでは、本日6月29日(水)にECBフォーラムのパネルディスカッションで、パウエルFRB議長・ラガルドECB総裁・ベイリーBOE総裁らが金融政策について討論する予定となっている。どこまで踏み込んだ討論が行われるか不明確ではあるが、横目でヘッドラインは確認しておきたい。

また、明日6月30日(木)には米国のPCEデフレーター、明後日7月1日(金)に欧州の消費者物価指数(HICP)と注目の物価指標が予定されており、こちらも目が離せない。加えて、月末フローにも警戒が必要だろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

日米金利差がベースにある限り、米ドル/円はどうしても「押し目買い」という戦略になってしまう。

口先介入が材料視されて下がる場面や、米国のリセッションが意識されて下がる場面があれば、買い場と考えたい。やはり、根本的な円安是正には日銀の金融政策変更しかないのだろう。

ただし、短期的にはここ数カ月間、高ボラティリティが続いているだけに月末、四半期末を控えた大口フローに振らされる可能性が高い。

月末のリバランスはドル売りを想定しているが、売り目線のプレイヤーも多いのでリスクもある。安全に行くのなら動いた後の第2派狙いだろうか。

明日6月30日(木)24時のロンドンフィックスまでは乗り遅れないよう値動きに注視したい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。